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令和4年12月13日
テレビ会議で発言する岸田総理大臣 テレビ会議に臨む岸田総理(写真提供:内閣広報室)

 12月13日、午前0時(日本時間)から約90分間、本年のG7議長国ドイツの呼びかけによりG7首脳テレビ会議が行われ、岸田文雄内閣総理大臣が出席したところ、概要は以下のとおりです。今回の会議では、ヴォロディミル・ゼレンスキー・ウクライナ大統領(H.E. Mr. Volodymyr ZELENSKYY, President of Ukraine)が冒頭に発言し、その後G7首脳間で議論が行われました。会合後、G7首脳声明が発出されました。

1 冒頭

 岸田総理大臣は、本年、G7はロシアによるウクライナ侵略を受け、かつてないほど緊密に連携してきた旨述べ、G7の結束を高め、多くの成果をとりまとめたドイツのリーダーシップに改めて敬意を表しました。

2 ウクライナ情勢

  • (1)岸田総理大臣は、ロシアによる侵略を一刻も早く止めさせるべく、G7が結束してウクライナを支援していくことが重要である旨述べました。
  • (2)岸田総理大臣は、ウクライナの冬の寒さが本格化する中、電力不足への対応が目下最大の課題である旨述べ、ロシアがインフラを含む民間施設、特に発電所への攻撃を継続し、ウクライナ全土で大規模な停電が断続的に発生していることへの強い懸念を表明しました。また、岸田総理大臣は、市民生活に直結するエネルギー・インフラに対する攻撃は断じて正当化できないものであり、強く非難する旨述べました。
  • (3)岸田総理大臣は、ロシアの攻撃が継続する中、ウクライナを引き続き力強く支援していくことが重要である旨訴えるとともに、日本としても、ウクライナにおける越冬支援のため、緊急無償資金協力約250万ドルを供与し、国際機関を通じて発電機及びソーラー・ランタンの供与を進めていることを説明しました。また、今般、新たな補正予算措置として、ウクライナ及び周辺国向けに約5億ドルの支援を決定したことを紹介しました。岸田総理大臣は、国際機関等とも連携し、更なる越冬支援を含む必要な支援を実施していく旨表明しました。
  • (4)岸田総理大臣は、ロシアによる核の威嚇は断じて受け入れられず、ましてや、その使用はあってはならない旨述べました。この点について、岸田総理大臣から、幅広い国際社会から明確なメッセージが発出されることの重要性を訴えるとともに、11月のASEAN関連首脳会議、G20バリ・サミット及びAPEC首脳会議の機会に、核使用に対する強い懸念に関するメッセージを出すことの重要性を強調した結果、G20首脳宣言で核兵器の使用も威嚇も受け入れられないとのメッセージを打ち出すことができ、EAS議長声明にも同様のメッセージが含まれ、またAPECにおいてもかかる懸念が各首脳に共有されたことを紹介しました。
  • (5)岸田総理大臣は、ウクライナ復興支援について、G7を始めとする同志国が緊密に連携して対応していくことが重要である旨述べ、「ウクライナ復興ドナー調整プラットフォーム」の設置に係るイニシアティブに謝意を表明しました。また、岸田総理大臣は、日本としても、来年のG7議長国としてG7の連携を確保し、ウクライナの復興に向けて貢献していく旨述べました。
  • (6)議論の結果、G7首脳は、ロシアによる侵略に直面するウクライナに対する揺るぎない支持と連帯を再確認するとともに、引き続きG7で一致して対応していくことで一致しました。

3 気候変動

 岸田総理大臣は、今回ドイツのイニシアティブの下、気候クラブの今後の進め方について合意に至ったことを歓迎するとともに、引き続きG7以外の国々とも協力しながら気候クラブの議論が進展し、パリ協定の実施が加速することを期待している旨述べました。

4 ジェンダー

 岸田総理大臣は、ジェンダー平等アドバイザリー評議会(GEAC)から報告書が提出されたことを歓迎しました。岸田総理大臣は、同報告書で指摘されているケア労働への男性の関与やジェンダーに基づく暴力等の課題については、日本が12月初めに開催した国際女性会議WAW!においても議論したことを紹介するとともに、同報告書やWAW!での議論を政策に繋げていきたい旨述べました。

5 G7日本議長年

  • (1)岸田総理大臣は、本年のG7ドイツ議長下では、ロシアのウクライナ侵略が国際秩序の根幹を揺るがす中、G7が結束し、国際社会の取組を主導してきたことを改めて強調するとともに、G7の役割がかつてなく高まる中、日本は来年のG7議長国として、国際社会が直面する諸課題に対する取組を主導していくとの決意を述べました。
  • (2)岸田総理大臣は、来年のG7広島サミットでは、力による一方的な現状変更や核による脅しを断固として拒否するといったG7の強い意思を歴史に残る重みをもって示していきたい旨改めて述べ、来年に向けた考え方をG7首脳に説明し、支持を得ました。
[参考]「G7首脳声明」(英文(PDF)別ウィンドウで開く和文仮訳(PDF)別ウィンドウで開く

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