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野村農林水産大臣記者会見概要

日時 令和4年12月20日(火曜日)11時37分~11時48分 於: 本省7階講堂
主な質疑事項
  • 高病原性鳥インフルエンザの対策等について
  • 国家戦略特区の法人農地取得事業について
  • 日ロ地先沖合漁業交渉等について

質疑応答

  • 高病原性鳥インフルエンザの対策等について

記者

  鳥インフルエンザへの対応についてお伺いします。本日時点で、21道県で感染が確認されました。過去最大の殺処分だった令和2年の18道県を超えて、全国的な感染拡大が続いています。改めて、対策と鶏卵などの価格への懸念があればお願いします。

大臣

  毎日毎日、鳥インフルエンザが日本各地で発生しておりまして、大変心配をいたしております。本日までに既に合計21道県、43事例となっておりまして、発生県としては令和2年度18県でありましたので、それを上回る勢いだというふうに思っております。専門家の話を聞きますと、野鳥において広く感染しておりまして、環境中のウイルス濃度が非常に高くなっていると。これは、前も言いましたように空気中に(ウイルスが)浮いているということではないんですが、野鳥に感染が拡大しておりますので、それで羽や糞、こういったようなものを媒介して鶏に感染しているということで、一層の厳重な警戒が必要だというふうに思っております。このために、我が省では先日7日、「農林水産省鳥インフルエンザ・豚熱・アフリカ豚熱合同防疫対策本部」を開催いたしまして、最大限の緊張感を持って、この疫病の発生予防及びまん延防止と水際対策の徹底に取り組んでいくことを確認したところでございまして、全国に発信をさせていただきました。幅広い関係者の皆様に、発生予防及びまん延防止のための対応強化を呼びかけるメッセージを、先ほど申し上げましたように、全国に発出したところでございまして、引き続き総理の御指示も踏まえ、緊張感を持って発生予防とまん延防止に全力で取り組んでいくということしか今のところできません。これを阻止する方法はないのかというようなお話もあるんですが、なかなか今のところは、殺処分して埋却処理・焼却処理をすると、この方法しかないものですから。一方で、ワクチン(接種)ということも言う方もおられるんですけれども、前もここで申し上げましたように、ワクチンの議論はもう十数年前に鳥インフルエンザが流行ったときに、ワクチンを打たせろという農家の皆さん方あるいは国会議員の先生方から非常に強い声が上がったんですが、ワクチンを1回打ちますとこれは病気が発症しません。でもウイルスを内包しているわけですから、日本中の1億何万羽の鶏に全部ワクチンを打たなければいけない。こういうことがあるもんですから、やっぱり日本の場合は埋却処理、殺処分ということの方が最もベターな感染予防に繋がる(方法)ということで、以来これをやっておりまして、これは豚熱の時もそうですが、あるいは口蹄疫の時もそうでありました。全て殺処分して埋却処理をするというやり方をとってきているところでございます。あと卵の値段ですね。少しまた上がってきたようですけれども、卵の値段がどう影響を受けるかについては、(卸売価格が)前年同期比で、この前は130数パーセントと言ったんですが、今足元では143%となっておりますが、本日15時に公表される食品価格動向調査によれば、12月上旬の小売価格は平年に比べて108%の増加に留まっているということだそうでございます。いずれにしましても前に申し上げましたが、今ちょうど年末にかけて需要が旺盛な時期ですから、価格がやっぱり強含みで上がってきているということなんですが、これはまた、正月明けになりますと、少し落ち着いてくるというふうには思っているところでございます。

  • 国家戦略特区の法人農地取得事業について

記者

  国家戦略特区について伺います。兵庫県養父市の法人農地取得事業ですけれども、期限が来年8月末に迫っていまして、通常国会で法案の提出が想定されると思うんですけれども、実績ですとか、必要性について意見が分かれているものでもあります。この事業について、大臣がどのようにお考えか改めて伺えればと思います。

大臣

  養父の特区の関係でありますけれども、これにつきましては、もう2年ぐらい議論を党内でしておりまして、なかなかまとまっておりません。それで国家戦略特区諮問会議に向けて、現在、内閣府と最終的な調整をしていると。まだどうなっていくかは今、内閣府と一生懸命調整をいたしております。それしか今のところ言えません。

  • 日ロ地先沖合漁業交渉等について(1)

記者

  日ロの地先沖合の漁業交渉について伺います。昨日から交渉がようやくスタートしたと思うんですけれども、これ平年に比べたら大分遅いのかなという印象なのですが、それについての受け止めを教えてください。

大臣

  今のところロシアとの漁業交渉につきましては、漁業交渉といってもいろんな種類がありまして、日ロ地先沖合漁業交渉は、我が国の関係漁業者の操業等を確保するために必要な協議であり、日程調整が整ったことから協議を行うこととしております。だから日ロ(地先沖合漁業)交渉は、日程調整が終わったということで交渉が始まっているんですが、日ロ双方の200海里水域における操業について、我が国として妥当な内容で妥結できるよう、しっかりと交渉に当たっていく所存でございます。ですから、今、鋭意交渉しているということになります。もう一つの北方四島周辺水域操業枠組協定に基づく交渉については、関係機関と連携しつつ、現在、外交ルートを通じて日程調整を続けていると、こういうことでございます。

  • 日ロ地先沖合漁業交渉等について(2)

記者

  今の質問に関連してなんですけど、その北方領土の方の交渉で、確かスケトウダラとたこ空釣りは1月からの漁期の開始だと思うんですけれども、これについて、影響の方はどう見ていらっしゃいますでしょうか。

大臣

  今の質問は日ロ双方の200海里水域における操業についてだというふうに思っておりますが、我が国として妥当な内容で妥結できるよう、しっかり交渉に当たっていく所存でございます。日本(水域)の方ではサバ、それからロシア(水域)の方ではイカとかサンマなど(が漁獲対象です)。

記者

  まだ交渉が始まっていない北方四島周辺水域についての(質問です)。

大臣

  北方四島の協定に基づく交渉については、先ほどちょっと申し上げましたように関係機関と連携しつつ、関係機関とは特に外務省ですが、連携しつつ現在外交ルートを通じて、日程調整を続けている段階です。今後の見通しについては、予断を持ってお答えするわけにはいかないと思っております。

記者

  漁業への影響はどう見ていらっしゃいますでしょうか。

大臣

  もちろんこれ(日ロ地先沖合漁業交渉)は北海道を中心にした漁業者の皆さん方の操業が1日でも早く確保できるために必要な協議でありますので、日程調整が整ったことから、協議を行うこととしておるところでございます。(北方四島周辺水域操業枠組協定の)関係漁業者の不安な気持ちは認識しておりますが、できる限り早期に交渉を実施できるようにしたいと、こんなふうに思っておりますので、ロシア側への一層の働きかけをしていきたいとこんなふうに思います。

報道官

  よろしいでしょうか。それでは、これで大臣会見を終わります。

以上

 

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