外務省・新着情報

冒頭発言

林外務大臣の中南米及び米国訪問、国連安保理非常任理事国への就任

【林外務大臣】私(林大臣)から2件ございます。
 諸般の事情が許せば、来年1月4日から15日まで、メキシコ、エクアドル、ブラジル、アルゼンチン及び米国ニューヨークを訪問いたします。
 まず、中南米訪問の狙いについて申し上げます。日本と中南米諸国は、長い友好関係を有し、基本的価値を共有する重要なパートナーであります。年明けからG7議長国を務めることも念頭に、各国との間で、国際社会の諸課題、また、二国間関係の一層の強化につきまして意見交換し、「法の支配」に基づく、自由で開かれた国際秩序の維持・強化、また、その他の重要な国際課題への対応において、更なる連携を図りたいと考えております。
 また、中南米には、世界最大の約230万人の日系人社会が存在し、我が国との大きな絆となっておりまして、各地で日系人の方々との交流を深めたいと考えております。
 それから、次にニューヨーク訪問ですが、日本は、来年の1月1日から2年間、国連安全保障理事会の理事国を務めます。安保理が、ロシアのウクライナ侵略等に対して有効に対応できていない中、安保理の理事国として、各国との緊密な対話を通じて、安保理が本来の責任を果たすよう積極的に貢献し、「法の支配」に基づく国際秩序を強化していく考えでございます。
 また、日本が議長国を務める1月の12日、私(林大臣)自身が議長として、「法の支配」をテーマとする閣僚級公開討論を主催する予定でございます。「法の支配」は、二国間のみでは実現できません。多国間主義の中核たるべき国連と、特に、その重要機関である安保理には、重い責任があります。
 安保理メンバーのみならず、広く国連加盟国に呼びかけて、「法の支配」をめぐり国際社会が直面する諸課題につきまして、各国と意見交換し、国際社会における「法の支配」の強化に資する活発な議論を行いたいと考えております。

林外務大臣のG7外相会合への出席

【林外務大臣】次に、12月22日、午後9時半から約1時間、今年11回目となりますG7外相会合に出席いたしました。
 会合におきましては、G7として、ロシアがエネルギー・インフラを含む民間施設への攻撃を激化させていることを非難した上で、更なる越冬支援を含め、ウクライナに対して必要な支援を実施していくということを確認いたしました。
 私(林大臣)からは、先般策定した国家安全保障戦略について触れた上で、日本として「法の支配」に基づく自由で開かれた国際秩序、これを維持・強化すべく、外交的取組を進めていく旨述べました。また、ロシアによる核の威嚇、これは断じて受け入れられず、ましてやその使用はあってはならないという旨、指摘いたしました。更に、侵略が長期化する中で、G7の緊密な連携を維持・強化していくということが重要であり、来年のG7議長国として、力による一方的な現状変更は認めないというG7の強い意志を示したいという旨述べたところでございます。
 国際社会をめぐる状況が一層厳しさを増す中で、ベアボック外相からバトンを引き継ぎまして、国際社会の諸課題にG7として結束して取り組むべく、議論をリードしていきたいと考えております。
 私(林大臣)からは以上です。

林外務大臣の中南米及び米国訪問

【NHK 岩澤記者】冒頭言及がありました中南米・北米訪問について伺います。安保理の公開討論では、覇権主義的な動きを強める中国をめぐり、日本から参加国に対して何を訴えたいか、お考えを伺います。また、中南米では、中国への対応を議論するかも含めて、具体的にどのような課題について議論するかも併せてお願いします。

【林外務大臣】まず、安保理でございますが、「法の支配」をテーマとする閣僚級公開討論では、国連憲章の原則や「法の支配」の重要性について訴えるということを考えております。
 また、議長としての立場で、安保理メンバーのみならず、広く国連加盟国に参加を呼びかけ、意見を求める考えでございまして、国際社会における「法の支配」への強化に資する活発な議論を行いたいと考えております。
 また、中南米ですが、今回訪問するメキシコ、エクアドル、ブラジル及びアルゼンチン、これは自由や民主主義、「法の支配」といった基本的価値を共有する重要なパートナーであります。
 さらに、メキシコ、ブラジル及びアルゼンチンはG20のメンバーであり、また、ブラジルとエクアドル、これは来年、日本と共に国連安保理非常任理事国を務めるなど、国際的な枠組みにおける取組にも積極的な国々であります。
 こうした各国と、「法の支配」に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化、また、その他の重要な国際課題への対応において、更なる連携を図る意義、これは現下の情勢でますます高まっていると考えております。
 加えて、世界がサプライチェーンの混乱や、食料・エネルギー価格の高騰に直面する中で、資源も豊富な中南米諸国は、経済安全保障の観点からも注目しておるところでございます。
 日本政府として、中南米諸国とこれまで以上に関係を強化していく考えでございまして、今般の訪問でもこのような観点から協議を行いたいと考えております。

国連安保理非常任理事国としての日本の外交

【朝日新聞 野平記者】今の質問に関連するところもあるんですけれども、来年日本は、G7の議長国を務め、広島サミットも開催されます。6年ぶりの安保理の復帰も重なりまして、来月は議長国で、「法の支配」に関する公開討論会も開かれます。外交課題が山積する中で、日本として、どういう外交、この1年2年展開していきたい考えか、大臣のお考えをお聞かせください。

【林外務大臣】安保理、これはロシアのウクライナ侵略や、北朝鮮の核・ミサイル活動に対しては、有効に対応できていないという現状にあるわけでございまして、試練の時にあると考えております。他方、安保理が、各地の紛争の解決などに一定の役割を果たしているという面もございまして、多くの国が、安保理に、なお期待を寄せている。これも事実であろうと考えております。
 そうした中で、安保理入りする日本としては、各国との緊密な意思疎通と丁寧な対話を通じまして、安保理が本来の役割を果たすよう、協力していきたいと考えております。その中で、「法の支配」に基づく国際秩序の維持・強化、これを目指していきたいと考えております。

2023年G7広島サミット

【中国新聞 樋口記者】G7広島サミットについて伺います。開催まで5か月を切りました。昨日主会場が、グランドプリンスホテルに決まるなど、いろいろ準備が進んでますけれども、議長国に1月1日から正式になるということで、どのように機運を高めていくお考えか伺います。

【林外務大臣】来年1月より、日本はG7議長国に就任いたします。関係国とも協議をしつつ、準備を進め、G7広島サミットでは、武力侵略も核兵器による脅しも国際秩序の転覆の試みも断固として拒否するというG7の意思を、歴史に残る重みを持って示したいと考えております。
 また、G7広島サミットの成功に向けまして、その円滑な運営や万全な警備等に、地元広島の方々の協力も得つつ、政府一丸となって取り組んでいきたいと考えております。今週決定いたしましたサミットのロゴマーク、これも活用しながら、日本の魅力発信を含む戦略的広報に努めていきたいと考えております。

林外務大臣の中国訪問

【共同通信 植田記者】大臣の中国訪問についてお伺いします。先の首脳会談で大臣の訪中を調整するということが確認されていますが、一部報道では、年内の訪中はなくなったとされています。現在の調整状況についてお伺いします。

【林外務大臣】先般の日中首脳会談におきまして、日中双方は、首脳レベルを含むあらゆるレベルで緊密に意思疎通をするということで一致をしたところでございます。
 その中で、中国側から招請されている私(林大臣)の訪中についても、今後調整を進めていくということで一致いたしましたが、現時点で決まっていることは何もないということでございます。
 引き続き、具体的な時期を調整してまいります。

「中央アジア+日本」対話・第9回外相会合

【読売新聞 阿部記者】中央アジア5か国との外相会合についてお尋ねします。冒頭で、大臣からも、少し言及がありましたけれども、ロシアのウクライナ侵略が続く中、従来、中央アジア、ロシアの勢力圏とも言われてきていますが、その中央アジアの国々と関係を強化する、このことの意義についてどう考えるか。

【林外務大臣】明日、中央アジア5カ国の外務大臣をお迎えして、「中央アジア+日本」対話の第9回外相会合を開催いたします。本年は、日本と中央アジアの外交関係樹立30周年という節目でございまして、今回5か国の外務大臣が、初めて揃って、訪日をされるということを、嬉しく思っております。
 ロシアによるウクライナ侵略を受けた現下の厳しい国際情勢の中で、中央アジア各国は多くの課題に直面しております。そのような状況の中、今回の外相会合では、中央アジア各国が持続可能な発展を実現できるように、「人への投資」、「成長の質」、これに重点を置いた協力の在り方について議論し、連携を強化していきたいと考えております。
 また、ロシアによるウクライナ侵略への対応や東アジアを始めとする国際情勢についても、率直な意見交換を行う予定でございます。そのほか、中央アジアと隣接するアフガニスタンを含めて、地域の不安定化リスクへ対処するための協力についても議論する予定でございます。
 今回の会合において、「法の支配」に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化に向けた日本と中央アジア諸国との協力について、認識を共有したいと考えております。

林外務大臣の米国訪問

【NHK 岩澤記者】1月の米国訪問に関連して伺います。今回の訪米の際に、米国側との「2+2」や外相会談を行う考えがあるか検討状況を伺います。

【林外務大臣】次回の日米「2+2」や外相会談の日程等については、何ら決まっていることはございません。

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