経産省・新着情報

2022年12月16日(金曜日)
12時34分~12時53分
於:本館10階記者会見室

冒頭発言

兵庫出張

公務が重なりましてこの時間になりました。私から冒頭2点申し上げます。

1点目、18日、兵庫県に出張いたします。今回は兵庫県の姫路市内に製造拠点を構えております世界的に高い競争力を持つ化学の会社2社、日本触媒、ダイセルを訪問いたします。

日本触媒社ではアンモニアから効率的に水素を取り出す、精製する触媒技術を視察します。ダイセル社ではダイセル方式とも言われるDX、デジタルトランスフォーメーションのITを生かした効率的な生産管理、この仕組みについてお話しを伺う予定です。化学の現場からGX、DXと大きな2つの課題について、現場の実態を踏まえた今後の対応を考える上での何かヒントを得たいと考えております。

新規輸出1万社プログラム

それから、新規輸出1万社プログラムを開始いたします。ここにあるとおりです。円安はまさに輸出を新たに始める観点から非常にチャンスであります。これまで輸出をしたことのない中小企業、地域の企業の皆さん方でもこうした機会を捉えてしっかりと輸出ができる、そういった支援をハンズオンで包括的に、総合的に支援を行っていきたいと思っております。具体的には経済産業省、ジェトロ、中小企業基盤整備機構一体となって、全国の商工会や商工会議所とも連携しながら、4点申し上げますと、1つは新たに輸出に挑戦する事業者の掘り起こし、2つ目に専門家による事前に輸出の可能性の相談、そしてその後の支援、様々な可能性を支援していくということ、そして3つ目に輸出用の商品開発や売込みに係る費用の補助、ここにありますようにものづくり補助金などで最大3,000万円まで補助していきます。そして、4番目に輸出専門に行う商社とのマッチングであったりネットでの出展、ECサイトへの出展の支援、こういったことを一気通貫で総合的に支援を行ってまいります。できるだけ多くの中小企業の皆さんに活用いただきたいと思っておりますので、ぜひ御活用いただければと思います。

詳細は事務局から後ほど説明させます。

私からは以上です。

質疑応答

電力市場

Q:よろしくお願いします。
公正取引委員会、今月から電力事業者を対象に内外のサービスなどに関する実態調査を行うとしています。これについての大臣の受け止めについてお願いします。

A:一昨日公正取引委員会が電力市場の競争環境についての実態調査を始めるという発表をしたと承知をしています。
公正取引委員会では過去にも電力市場における競争環境の整備について実態調査を行って、政策的な課題に対する提言を取りまとめたことがあると承知しております。今回は大手電力と新電力の間の公平な競争環境確保、また脱炭素社会における安定供給確保、資源エネルギー庁や電力・ガス取引監視等委員会が実施予定の施策などについて調査を行うと聞いております。
具体的には発電の卸売に係る大手電力の内外無差別の取組が十分かどうか、それから再生可能エネルギーやデマンドレスポンスといった投資を進めていく上で阻害要因がないか、今後どのような政策を講じていくのかなどについて大手電力、新電力、関係省庁にヒアリングやアンケートを行うものと聞いております。当省にも求めがあれば適切に対応したいと考えております。
経済産業省としては、これまでも電力自由化の下で競争促進、そして安定供給、脱炭素化、こうした両立に向けて取り組んできたところであります。引き続き安定的かつ効率的な電力システム体系の構築に向けた努力を続けていきたいと考えております。

半導体

Q:よろしくお願いいたします。
一部報道で、ソニーグループが熊本県内に半導体の新工場を建設する検討を始めたとありました。実際予定はあるのかなど、経済産業省さんとして把握している状況について教えてください。
それと、このことへの大臣の受け止めと併せてお願いいたします。

A:御指摘の報道は私も見ました。承知しております。
ただ、ソニーセミコンダクタソリューションズなどから正式な発表があったものではありませんので、事実関係についてコメントすることは差し控えたいと思います。
一般論で言えば、まさに足元での円安の進展、そして様々な観点で国内投資環境が非常に進展している、改善している中で、半導体に関する投資が数多くなされていることは歓迎したいと思いますし、特に九州においてTSMCの進出によって非常に多くの中堅中小企業も含めて九州全域で投資、人材育成が行われていることは、これは非常にすばらしいことだと歓迎しております。さらには国内企業のそうした投資に加えて、海外の企業からも問合せや投資の案件なども相談があることも事実であります。ぜひさらに多くの企業が国内外問わず特に半導体関連、国内投資、歓迎したいと思っております。
今回の補正予算でも、この半導体サプライチェーン強靱化のために約8,000億円措置しております。可能な限りこうした予算も活用しながら後押ししていきたいと考えています。

商工中金

Q:商工中金の関係なのですけれども、本日午前に新たなビジネスモデルを踏まえた商工中金の在り方検討会の第1回会合が開かれました。
改めてになるのですけれども、この検討会の意義と今後どのような議論を期待したいかについて大臣のお考えをお願いします。

A:冒頭の御挨拶でも申し上げましたけれども、様々不祥事も含めて経緯があって、この商工中金の在り方については、関係省庁とも連携して検討会を開催してきたところであります。その一定の取りまとめがなされた上で、それを踏まえて本日から中小企業のための商工中金改革、これを目指して新たなビジネスモデルを踏まえた商工中金の在り方検討会というものを開始したところであります。
具体的にはいわゆる危機時の対応に加えて、事業再生や事業承継支援といったコロナからの立ち直り支援、この点も地域の経済に強く求められている、必要とされていることであります。また、スタートアップ、先ほど申し上げたGX、DX、こうした支援といった時代の変革に応じた、対応した中小企業の改革の支援、これもまさに時代の変化に応じて求められていることであります。
そして、3点目申し上げれば、地域金融機関との連携、協業、この強化を通じた中小企業向けの金融機能全体の底上げ、こういったことを行っていく担い手としての商工中金の在り方について議論を進めていきたいと考えております。
本日は中小企業団体、そして商工中金の取引先の方々から御意見をいただきましたけれども、特に今後商工中金に期待する役割など御意見をいただきました。商工中金の連携、協業先となる地域金融機関など、今後様々なステークホルダーの方々の御意見も伺った上で、より具体的な今後の商工中金の在り方を議論していきたいと考えております。

防衛費財源

Q:よろしくお願いします。
本日与党の税制大綱案が了承されて、中小企業への一定の配慮も示されたと思うのですけれども、大臣の間受け止めと今後の期待をお聞かせください。

A:防衛力強化のための税制措置でありますけれども、与党税調で活発な議論、かなり激しい議論があったと聞いておりますけれども、最終的には税調会長一任ということになったと聞いております。岸田総理の指示を踏まえて、大きな枠組みが決まったと認識しております。その一方で実施に向けた詳細は今後検討するということになったと承知しております。
これまでも申し上げてきました、まさにこの5年間が日本経済再生のラストチャンスということで、強い危機意識を持って就任以降対応してきておりますけれども、先般の官民投資のフォーラムにおいても、経団連からも5年後にはバブル期に匹敵する最高水準の100兆円という投資の見通しが示されました。経済界においても大変革期に対応しようという強い意欲の表れも示されたところであります。
今後、投資そしてイノベーションを起こし所得向上につなげていく、この好循環をぜひ実行させていきたいと、成長力が弱いあるいは所得が上がらないと言われてきた日本経済を大きく変革していく、その機運は出てきておりますので、それに水を差すことなく、ぜひ税収の上振れにつなげていくというこのことが必要だと申し上げてきたところであります。
一定の大枠が決まりましたので、その基で今後詳細な議論が行われます。その中で今申し上げたような私どもが取り組んでいる投資、賃上げ、所得向上を目指していくという考えの基で詳細の制度設計の中で、経済産業省としても貢献していきたいと考えております。

IPEF

Q:よろしくお願いします。
2点お伺いさせてください。
1目がIPEFについてで、オーストラリアで昨日まで会合が開かれていました。米国が提示した成果文書案に基づいてサプライチェーンなどの分野での協力について話合いが進んだかと思いますが、改めて今回の会議の成果と今後の議論に期待することがあれば教えてください。その1点目からお願いします。

A:御指摘のように豪州のブリスベンにおきまして、IPEF交渉の第1回会合が開催されました。9月のロサンゼルスで閣僚間で合意しました4つの分野、貿易、サプライチェーン、クリーン経済、公正な経済、この4つ全てにおいて参加国による活発な議論が行われたと聞いております。一部はテキストに基づいて議論が行われたということであります。日本としては、まさにアメリカのインド太平洋地域の経済秩序への関与という観点から、IPEFは非常に重要な位置づけであると考えております。
今回の豪州の会合におきましても、14か国の多様な参加国による質の高い経済ルール、そして有意義な経済協力、これを両立する観点から建設的に議論に貢献したということで報告を受けております。
今回の会合はまさにIPEFの実現に向けた第一歩ということでありますので、各国の関心事項を忌憚なくぶつけ合ったと、そのことによって相互理解を深める、そしてどこかで閣僚会合を開くことになると思いますので、それにつながる有意義な会合だったと聞いております。
私自身これまでも海外出張のたびに関連の閣僚とも意見交換し、また電話やオンラインでも対応してきております。参加各国の閣僚と引き続き緊密に連携しながら、質の高いルールと包摂性、この両方を備えた新たな経済の枠組み、ぜひその実現に取り組んでいきたいと考えております。

炭素国境措置

Q:2点目がEUが今週環境規制の緩い国からの輸入品に事実上の関税を課す、いわゆる国境炭素税を導入することで大筋合意をしました。このことについての日本企業への影響や政府の対応について何かお考えがあればお願いします。

A:EUにおいて導入が検討されています炭素国境調整措置、いわゆるCBAMと呼ばれていますけれども、これについて13日に欧州議会とEU加盟国の間で仮合意に至ったと承知しています。
対象のセクターは当初案の鉄鋼、アルミ、セメント、肥料、電力の輸入に加えて、水素、ネジ、ボルトなど一部の下流製品にも追加されるなどの合意がなされたということでありますが、具体的な条文がまだ示されておりませんので、不明な点も多くあります。今日にも議論される予定と聞いております炭素排出量取引制度、ETS、この改革の議論も踏まえて、炭素国境調整措置も正式な合意となる見込みであります。
引き続き情報収集を続け、日本への影響については分析し、今後の制度設計に向けてEUとの対話を続けていきたいと考えております。
御案内のとおり、年内に日本もカーボンプライシングについて一定の方向性を取りまとめる予定にしております。その考え方は繰り返し申し上げていますけれども、先行投資してもらってできるだけ脱炭素化、低炭素化、そして競争力を持つ形で投資を促していき、そしてあるところから一定の負担をお願いすると、その負担も後ろに行けば行くほど高くなるという仕組みで、できるだけ早く投資を促していきたいと、インセンティブになるように制度の具体化をしていきたいと考えておりますけれども、EUの措置も今日、明日に入るわけではなくて、どういった議論になるかあれですけれども、何年かかけてやっていくことになると思いますので、そうした中で日本の企業の製品が競争力を持ち低炭素、脱炭素でその面でも評価をされる、そうした取組をぜひ国内で進めていきたいと思います。
その上でEUの措置がWTOに整合的なのか、公平な制度なのか、こういったことについてEUとはこれまでも対話を続けていますが、今後もしっかりと対話、意思疎通を図っていきたいと考えております。

大飯原発

Q:大飯原発3号機、今日運転再開ということですが、改めまして大臣の受け止めを教えていただけますでしょうか。

A:ちょっとまだ詳しい報告は受けておりませんので、コメントは控えたいと思いますけれども、原発につきましては安全性の確保を大前提として、原子力規制委員会の世界で最も厳しい基準、これに適合したものについては再稼働を進めていくという方針で臨んでおります。美浜原発、私も視察をさせてもらいましたけれども、従来に増して遮蔽壁を分厚くするとか、様々な規制委員会の基準に適合した非常に安全性を高くした、そうした取組がなされているのを確認したところであります。安全性の確保を大前提に、そして地元の理解を得ながら再稼働を進めていく、これは電力、エネルギーの安定供給、そして脱炭素化両立に資するものと考えております。

半導体対中輸出規制

Q:先ほどの半導体の部分で御発言ございましたけれども、対中輸出規制におかれまして、前回会見で米国を含む関係国と様々な場面で様々な場で意思疎通を図っているという御発言ありましたけれども、そのあたりで何か進展ありましたら教えていただければと思います。

A:この間お答えしたとおりで、まさに様々なやり取り、意思疎通を行っておりますし、それからレモンド長官とも先般意見交換を行いましたが、外交上のやり取りでありますので、お答えは差し控えたいと考えております。
御案内のとおり我が国の輸出管理、かねてから国際協調の下で、外国為替及び外国貿易法に基づき厳格に実施してきております。今後この方針の下で引き続き各国の規制動向等も踏まえながら、適切に対応していきたいと考えております。

 

以上

最終更新日:2023年1月6日

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