経産省・新着情報

2022年12月23日(金曜日)
11時10分~11時28分
於:本館10階記者会見室

冒頭発言

原子力関係閣僚会議と最終処分関係閣僚会議

おはようございます。私から4点申し上げます。
まず1点目、本日の閣議前ですが、原子力関係閣僚会議と最終処分関係閣僚会議が開催されました。
まず、原子力関係閣僚会議では、これまでのGX実行会議等での議論を踏まえまして、今後の原子力政策の方向性と行動指針の案を策定いたしました。今後、速やかにパブリックコメントを実施して、国民の皆様から広く御意見を頂きたいと考えております。近日中に、パブリックコメント開始をしたいと思います。今、手続を行っているところであります。
また、今後の高速炉開発の在り方を明確化するための戦略ロードマップの改定を行いました。これを踏まえて、今後の実証炉の開発プロジェクトを推進してまいります。
次に、最終処分関係閣僚会議では、昨日のGX実行会議における岸田総理の御発言、御指示を受けまして、北海道だけではなく、全国のできるだけ多くの地域で文献調査実施を目指し、関係府省との協力関係を立ち上げることとなりました。今後、関係府省とも相談させていただきながら、具体的な対応方針を取りまとめてまいります。詳細は後ほど事務方から説明させていただきます。

価格交渉推進月間

それから、2点目、画面も出していただいて、本日、本年9月に実施しました価格交渉促進月間のフォローアップ調査の結果を公表いたします。詳細はまた事務方からも説明させますが、今回初めて、コスト上昇分に対してどれだけ価格転嫁ができたかを示す価格転嫁率を算出いたしました。
左下、3月は41.7%ですけれども、9月は46.9%ということで、やや上がってきております。5割弱ということでありますので、全く転嫁できていない割合は減少してきておりますから、全体として価格転嫁の状況は、進みつつあるということであります。
そしてまた、右の下の、右の業種別の転嫁率があります。その46.9の内訳ですが、下位のところは、例えばトラックなど、20%程度、放送コンテンツとか、非常に低い数字になっておりますので、こうした状況が芳しくない業種を中心に、同じ業者に対する指導、助言の強化、それから、引き続きこうした転嫁率の公表、そして下請企業の交渉力向上支援、こうした価格交渉促進月間を中心とした取組と、それから、下請Gメンによる情報を活用した自主行動計画の策定、また、業界団体による改善プロセスの体系化、こうしたことを繰り返し粘り強く実行していきたいと考えております。
ここにありますとおり、下請Gメンも1月から300名の体制にして、年間1万件ぐらいのヒアリングを行っていきたいと思います。是非こうして継続をして各業界と粘り強く意見交換しながら、もちろんパートナーシップ構築宣言も大企業、広げていきたいと思いますし、こうしたことを粘り強く実行することで価格転嫁、取引適正化の実現、そして中小企業の賃上げ原資の確保につなげてまいりたいと考えております。
下にもありますけれども、こうした先ほどの情報も含め、公取と情報共有しながら連携して対応していきたいと考えております。

経営者保証改革プログラム

3点目、経営者保証改革プログラムであります。創業、そして積極的な設備投資、再チャレンジなどを行う企業が、そうしたことを促していく環境整備のために、経営者保証に依存しない融資慣行の確立を加速すべく、本日、金融庁、財務省と共に経営者保証改革プログラムを策定いたしました。経営者保証は経営の規律づけというプラス面も指摘をされておりますけれども、一方で創業意欲の阻害、あるいは思い切った事業展開の抑制、早期の事業再生の阻害というマイナス面もこれまでも指摘をされてきたところであります。
このため経産省として、まず創業時に経営者保証を不要とする信用保証制度、この創設を近々行いたいと思っております。そして、創業時に限らず、経営者が経営者保証の提供の有無を選択できるよう信用保証制度の整備を行っていきたいと考えております。あわせて、経営者保証を解除するために重要な中小企業のガバナンス体制の整備の支援、これは先般、収益力改善の指針を公表いたしまして、そこにチェックリストもございますけれども、こうしたものに基づいて税理士、中小企業診断士の皆さんが中小企業の支援を行っていくというものであります。
なお、今般の補正予算で措置しましたコロナの借換えの保証制度につきましては1月10日、来年の1月10日から運用の開始をいたします。
この点につきましては、信用保証制度は中小企業の件数で言いますと、全体の4割ぐらいが活用しています、企業数で言うとです。利用している件数ベースで、そのうちの3割は既にもう中小企業がしっかりしていると、ガバナンスがしっかりしているということで保証協会の側で判断をして、経営者保証をつけない保証も行ってきておりますけれども、その比率も高めながら制度設計をしっかり行い、先ほど申し上げた選択できる仕組みをつくっていきたいと考えております。

サウジアラビア・オマーン・マレーシア出張、米国出張

最後4点目であります。明日24日から28日まで、サウジアラビア、オマーン、マレーシアに出張をいたします。
サウジアラビア、オマーンでは、エネルギー安全保障の重要な国でありますので、国際原油市場の安定化、そしてLNGの安定供給確保を働きかけてきたいと思いますし、また水素、アンモニアなどの新分野も含め、協力を強化していきたいと考えております。サウジではビジネス投資フォーラムも行う予定にしております。約60社の日本企業のミッションも同行していただきまして参加をしていただいて、日本とサウジの関係強化、両国間の企業の協議が進むことを期待しているところであります。
また、マレーシアは主要なLNG輸入先であります。多様なサプライチェーンを共にしているパートナーでもあります。政権交代が行われましたので、この直後の機会に正に安定供給、あるいはLNGの安定供給、そしてアジア・ゼロエミッション共同体構想、そしてIPEFなどの協力関係について、今後とも関係を継続、強化していくということについて確認していきたいと思います。
加えて、年明けの1月5日から10日までアメリカに出張いたします。ワシントンD.C.におきまして、関係閣僚と個別に意見交換を行う予定にしておりますし、シンクタンクで、CSISでスピーチを行う予定にしております。
また、ラスベガスで電子機器の展示会でありますけれども、CESを訪れ視察をし、スタートアップ、そして正に最先端の電子機器の世界的動向など視察をする予定にしております。
こうした取組、年末年始の機会を利用して訪問することで、有志国連携、これを強化できればと、強固なものにしていければと考えております。
私から以上です。

質疑応答

GX実行会議

Q: よろしくお願いします。
昨日取りまとめられたGX実行会議の基本方針について質問です。
基本方針について速やかにパブリックコメントを実施するとのことでしたが、寄せられた意見はどのように反映していくのでしょうか。
また、原発の最大限活用などを目指し、今回の方針を受けて、現行のエネルギー基本計画の変更などは検討されていますでしょうか。

A: 御指摘のように、GX実現に向けた基本方針の案を取りまとめたところであります。もう中身についてはよく理解していただいていると思いますけれども、脱炭素電源としての再エネの最大限の導入を進めるということ、そのために系統整備あるいは調整力の確保などを進めるということ。あわせて、原子力については安全性の確保を大前提に、これは原子力に関わる全てのことでありますが、世界で最も厳しいと言われる原子力規制委員会のこの規制基準に、新基準に適合したもののみということでありますが、稼働できるわけでありますが、その安全性の確保を大前提として、まずは再稼働に全力を挙げていきたいと思いますし、廃炉が決定した炉については、次世代革新炉への建て替えを具体化するということ、そして一定の停止期間に限り運転延長を認めること、さらには、最終処分を含めたバックエンドに政府を挙げて全力に取り組むと、こうしたことが盛り込まれたところでありますし、本日朝、関係の閣僚会議も開いたところであります。
この方針を近日中にパブリックコメントにかける予定にしております。その上で閣議決定を目指し、あわせて、法案提出に向けた準備を行っていきたいと考えております。
パブリックコメントで寄せられるであろう意見への対応については、その内容も踏まえ、しっかりと受け止めながら今後対応していきたいと、検討していきたいと思いますが、今申し上げたような基本方針に示されたこれらの内容については、正にあらゆる選択肢を追求するという、多様な選択肢を考えていくという、これはエネルギー基本計画の方針の範囲内のものであると考えておりますので、直ちに基本計画を見直すことは考えておりません。定期的な見直しも含め、状況を見ながら適切なタイミングで見直しを考えていきたいと考えております。

放射性廃棄物最終処分場

Q: 最終処分のことをお伺いします。
最終処分の文献調査の候補地としてさらに手を挙げてほしいという、そういう狙いかと思いますが、第三の候補地がなかなか出てこないのは、大臣としてはどういうことに課題があると思われていますでしょうか。
それとあわせて、閣僚会議で拡充されて、農水省や国交省など、あと厚労省なども入りましたが、候補地を増やす上で、これらの省庁にはどのような役割を期待しておられますでしょうか。大臣のお考えをお聞かせください。

A: 高レベル放射性廃棄物の最終処分についてでありますけれども、その実現に向けたプロセス、なかなか進んでこなかった面、これは御指摘のとおりであります。北海道の二つの自治体において文献調査を行っているわけでありますが、全国160回ぐらい説明会も行ってきております。場所について判断するに当たってのマップも公表しているところでありますけれども、一つには、やはり十分な理解が進んでいない面があるんじゃないかと思いますので、国が前面に立って取組を進める中で、丁寧に説明もしていきたいと思っておりますし、その中で、方向性としてですね、先ほど開催されました関係閣僚会合におきまして、正に受入れ自治体に対する政府を挙げた支援体制の構築ということで、関係省庁に対して官房長官から指示が、協力の指示があったところでありますし、私からもお願いをいたしました。
最終処分場ということで、受け入れるとすれば様々な課題もあると思いますので、その課題に対して、しっかりと政府挙げて取り組んでいくということも重要な視点だと思います。今日の閣僚会合でその点の確認を関係省庁にお願いをさせていただきましたので、関係省庁においても検討がなされですね、その取組の具体化を進めていきたいと考えておりますが、併せてその関係自治体と協議の場の設置であるとか、それから関心ある地域がある場合にですね、国から段階的な申入れを行うということも含めて、今後の取組の方針をお示ししておりますので、こうしたこと全体を関係省庁の協力を得ながらですね、是非文献調査、地域の拡大に向けてその取組、具体化をしていきたいと思います。関係省庁において、検討をお願いしているところであります。

貿易保険

Q: ちょっと別件で恐縮なんですけど、貿易保険の活用によって日本の造船業を支援するという、この取組いつから始めたいと考えていらっしゃるかということと、実際にその建造の実践につながるのかとか、その辺りをお願いいたします。

A: 造船についてはですね、もう御案内のとおり、日本のシェア、造船の受注量における日本のシェアは、韓国、中国と比べて低下しているところであります。非常に激しい競争の中で、国内の造船業は厳しい状況に置かれているということだと思います。
そうした中で、国交省と連携をしながらですね、国内企業が国内で建造される船舶を購入し、海外の海運企業にリースや売却する事業を対象として、日本の貿易保険、NEXIが支援できるよう制度改正を行い、本日施行したところであります。
これまでも国交省と連携して、こうした造船業界のニーズを、いろんな協議をしてきたところでありますけれども、具体的に船舶が購入する国内企業が金融機関から購入資金の融資を受ける場合にですね、その融資のリスクをNEXIがカバーするということで、円滑な資金調達が可能になるとなります。
これによって、コンテナ船など国内建造船の受注機会の拡大につながるということが期待されております。業界のニーズにも応えるものだと思いますので、今後国交省と連携してですね、この支援内容をしっかりと周知をしながら活用を促していきたいと考えております。
国内の造船企業、全体各地にございます。地域の言わば中心的な企業になっているところも多いし、地域経済を支えている、いわゆる城下町的なクラスター、集積ある、そうした地域がたくさんありますので、是非こうした制度を使っていただいて、厳しい競争の中でありますけれども、受注拡大につなげてもらえればと考えています。

以上

最終更新日:2023年1月10日

発信元サイトへ