外務省・新着情報

令和5年1月9日
ヴィエイラ・ブラジル連邦共和国外務大臣と林芳正外務大臣
日ブラジル外相対話から共同記者発表
日ブラジル技術協力プロジェクト署名式

 現地時間1月9日午前10時30分(日本時間同日午後10時30分)から約160分間、ブラジルを訪問中の林芳正外務大臣は、ヴィエイラ・ブラジル連邦共和国外務大臣(H.E. Mr. Mauro Vieira, Minister of Foreign Affairs of the Federative Republic of Brazil)との間で、2014年の「日伯戦略的グローバルパートナーシップ構築に関する共同声明」に基づいて設置した日ブラジル外相対話を行うとともに、共同記者発表及び覚書の署名式を行ったところ、概要は以下のとおりです。

  1. 冒頭、林大臣から、ヴィエイラ大臣の就任への祝意を伝えた上で、外務大臣就任後初めてのブラジル訪問が実現し、対面でお会いでき喜ばしい旨述べました。また、林大臣から、8日のブラジリアでの抗議行動に関し、暴力により民主主義を脅かすことは許されるべきではない、成熟した民主国家であるブラジルにおいて、民主的に選出されたルーラ大統領及び新政権への支持を改めて表明しました。また、林大臣から、元サッカー選手のペレ氏の逝去への哀悼の意を表しました。ヴィエイラ大臣から、ペレ氏逝去への弔意に対する謝意が表されるとともに、林大臣のブラジル訪問に対する歓迎の意が表明され、今般の訪問をきっかけに日本・ブラジル関係を一層強化していきたい旨述べました。更に、林大臣から、ルーラ大統領及びヴィエイラ大臣を我が国に招待したい旨述べました。ヴィエイラ大臣から、岸田総理大臣と林大臣をブラジルに招待したい、今回抗議行動に関する対応等のため林大臣がルーラ大統領にお会いできなかったのは大変残念であるとの発言がありました。
  2. 林大臣から、厳しい国際情勢の中、基本的価値を共有する「戦略的グローバルパートナー」であるブラジルと連携していきたい旨述べた上で、両国間でのハイレベルの相互交流を一層活性化させていきたい旨述べました。また、林大臣から、両国の経済関係強化には大きなポテンシャルがあり、特に食料、エネルギー、鉱物資源といった分野における協力への期待を述べるとともに、新政権において税制等のビジネス環境が一層整備され、日本企業による投資が更に拡大することへの期待を示しました。
  3. 林大臣は、ルーラ大統領が重視する環境分野でのブラジルとの協力を深めていきたい旨伝えたほか、保健・衛生分野や三角協力における両国間での協力進展への期待を述べました。更に、林大臣は、刑事・司法分野での協力等について述べました。
  4. これに対し、ヴィエイラ大臣から、新政権においても日本との友好関係を更に強化していきたい旨述べるとともに、ブラジルはビジネス環境改善に取り組んでおり、日本企業からの投資及び貿易拡大に期待する旨述べられました。また、日本からの協力への謝意が述べられるとともに、両国間の対話を活性化させ、今後とも幅広い分野での協力を進めていきたい旨述べました。
  5. 両大臣は、ウクライナ情勢、東アジア情勢等に関し意見交換を行い、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化に向けて協力・連携していくことで一致しました。林大臣から、拉致問題の早期解決に向けた理解と協力を要請しました。また、本年は、両国が国連安保理非常任理事国を務める年であり、共にG4のメンバーとして、安保理の内外で連携していくことを確認しました。
  6. また、両者は世界最大のブラジル日系社会と在日ブラジル社会は、両国の重要な架け橋であるとの認識を共有した上で、日系人を通じた協力を強化していくことを確認しました。これに関連し、林大臣から、先般、日本政府は、ブラジルを含む中南米の日系人の農協、医療団体等を支援するために6.4億円の資金援助を行うことを決定した旨伝えました。
  7. 会談後、両大臣立会いの下、林禎二駐ブラジル日本国大使及びペレイラ・ブラジル国際協力庁(ABC)長官が、「新型コロナウイルス感染症に対するゲノム・モニタリング・ネットワーク強化プロジェクト」の補足取極への署名を行いました。

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