外務省・新着情報

令和5年1月9日
向かい合い、互いに握手を交わす、両首脳の様子 マクロン大統領による出迎えを受ける岸田総理(写真提供:内閣広報室)
演台に立ち、共同記者発表を行う、両首脳の様子 共同記者発表(写真提供:内閣広報室)

 現地時間1月9日午後8時10分(日本時間10日午前4時10分)から計1時間35分間、フランスを訪問中の岸田文雄内閣総理大臣は、エマニュエル・マクロン・フランス共和国大統領(H.E. Mr. Emmanuel Macron, President of the French Republic)との日仏首脳夕食会を行い、続けて、午後9時50分から約30分、テタテ(一対一)でじっくり中身の濃い日仏首脳会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。

1 二国間関係

 岸田総理大臣から、総理として初めてパリを訪問した、フランスは法の秩序に基づく自由で開かれた国際秩序を維持・強化してく上での特別なパートナーである、両国が進むべき道を示す新しいロードマップを策定していきたい旨述べました。これに対し、マクロン大統領から、新しいロードマップを作成、二国間関係をさらに進めたい旨述べました。
 岸田総理大臣から、日本の新たな国家安全保障戦略について説明し、同志国である日仏が連携を一層強化していきたい旨述べ、マクロン大統領から理解を得ました。また、岸田総理大臣から、欧州とインド太平洋の安全保障は不可分であり、両国のアセットの往来や日仏共同訓練等、実質的な協力が進展していることを歓迎する旨述べ、マクロン大統領からは、仏における戦略の見直しに言及があり、両国の連携を深めていきたい旨の発言がありました。両首脳は、次回の日仏「2+2」を本年前半に開催を目指すことで一致するとともに、太平洋島嶼国に関しても意見交換を行い、今月開設した日本のニューカレドニアのヌメア領事事務所も拠点として日仏協力を更に進めていくことを確認し、日仏包括的海洋対話が2月に開催予定であることを歓迎しました。
 両首脳は、宇宙・サイバー、海洋についても意見交換を行いました。
 岸田総理大臣から、マクロン大統領に対し、EUによる日本産食品輸入規制の撤廃を働きかけました。

2 G7広島サミット

 岸田総理大臣から、G7広島サミットでは、力による一方的な現状変更の試みや核兵器による威嚇、その使用を断固として拒否し、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を堅持するG7の強い決意を示すこと、特にロシアによる侵略に対しG7として結束して厳しい対露制裁と強力なウクライナ支援を継続・強化すること、そしてエネルギー・食料安全保障を含む国際社会の諸課題にG7が積極的に対応していくこと、また、アジアで開催されるサミットということからインド太平洋についてもしっかり議論することを説明し、両首脳は、G7に向けて連携していくことを確認しました。

3 地域情勢・国際場裡での協力

 両首脳は、ロシアによるウクライナ侵略への対応に関して、G7が結束して、厳しい対露制裁と強力なウクライナ支援を継続していく必要があるとの点で一致しました。
 両首脳は、東シナ海及び南シナ海における力を背景とした一方的な現状変更の試みへの反対を表明しました。また、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調しました。北朝鮮についても、拉致・核・ミサイル問題について緊密に連携して対応していくことを確認しました。
 さらに、両首脳は、国連改革についても意見交換を行い、安保理改革を含む国連の機能強化の重要性について一致しました。


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