外務省・新着情報

令和5年1月10日

 1月10日(現地時間同日)、マーシャル諸島共和国の首都マジュロにおいて、武井俊輔外務副大臣の立ち会いの下、田中一成駐マーシャル諸島共和国特命全権大使と、キトラン・カブア・マーシャル諸島共和国外務・貿易大臣(Hon. Ms. Kitlang Kabua, Minister of Foreign Affairs and Trade of the Republic of the Marshall Islands)との間で、以下3件の無償資金協力(合計7.74億円)に関する書簡の交換が行われました。

  1. 対象案件の概要はそれぞれ以下のとおりです。
  • (1)運搬船の供与(「経済社会開発計画」)【無償資金協力:供与限度額3億円】
     マーシャルでは、地方環礁・離島で漁獲された水産物は運搬船によって2つの主要港(マジュロ港(首都)、イバイ港(クワジェリン環礁))に集積され、流通しています。また、運搬船は、住民の移動手段、傷病者の搬送、医薬品やワクチン等の緊急物資の輸送等においても活用されており、同国における連結性を確保する上で必要不可欠なものです。
     本計画では、日本製の運搬船を2隻供与することにより、マーシャルの地方環礁・離島における持続可能な水産業の振興と地方環礁における生計向上が期待されます。
  • (2)「イバイ島太陽光発電システム整備計画」(追加贈与)【無償資金協力:供与限度額11.34億円(当初の供与限度額10.70億円+追加贈与額0.64億円】
     国内第2の人口を擁するイバイ島における発電設備は、島南端に設置されたディーゼル発電設備(1,200kW×3基)のみとなっています。
     本計画では、同島において太陽光発電設備、系統安定化設備、系統接続設備等を整備することにより、再生可能エネルギーの導入促進を通じた電力の安定供給と燃料消費の削減が期待され、今般、追加贈与を行うものです。
  • (3)「マジュロ環礁における貯水池整備計画」(追加贈与)【無償資金協力:供与限度額21.67億円(当初の供与限度額17.57億円+追加贈与額4.10億円)】
     首都マジュロには3か所の浄水場がありますが、このうち、給水量の約65%を占める「浄水場C」の水源は雨水であるため、降雨量の変動に対して脆弱です。
     本計画では、浄水場Cにおける貯水池の新設及び付属する導水管路、護岸の整備を行うことにより、給水サービス改善による住民の生活の質の改善と公衆衛生の向上が期待され、今般、追加贈与を行うものです。
  1. 我が国は、2021年7月にテレビ会議方式により開催した第9回太平洋・島サミットにおいて、「法の支配に基づく持続可能な海洋」、「持続可能で強靭な経済発展の基盤強化」、「気候変動・防災」を含む支援の重点分野を表明しており、上記3つの協力は同表明を具現化するものです。
(参考1)マーシャル諸島共和国基礎データ

 マーシャル諸島共和国の面積は約180平方キロメートル(霞ヶ浦とほぼ同じ)、人口は、約5.9万人(2020年、世界銀行)、一人当たり国民総所得(GNI)は4,940米ドル(2020年、世界銀行)

(参考2)第9回太平洋・島サミット

 2021年7月2日、テレビ会議方式により、菅総理大臣(当時)とナタノ・ツバル首相の共同議長の下、第9回太平洋・島サミット(The Ninth Pacific Islands Leaders Meeting: PALM9)が開催され、日本、島嶼14か国(ツバル、クック諸島、フィジー、キリバス、マーシャル、ミクロネシア、ナウル、ニウエ、パラオ、パプアニューギニア、サモア、ソロモン、トンガ、バヌアツ)、豪州、ニュージーランドに加え、ニューカレドニア及び仏領ポリネシアの2地域を含む19か国・地域の首脳等が参加した。マーシャルからは、クリストファー・ロヤック大統領代行(当時)が参加した。
 我が国は、PALM9において、「太平洋のキズナ政策」の下、(1)新型コロナウイルスへの対応と回復、(2)法の支配に基づく持続可能な海洋、(3)気候変動・防災、(4)持続可能で強靱な経済発展の基盤強化、(5)人的交流・人材育成の5つを重点分野とし、今後3年間に、しっかりとした開発協力の継続と5,500人以上の人材交流・人材育成を実施することを表明した。 


発信元サイトへ