外務省・新着情報

令和5年1月11日
正面を向き、笑顔で握手を交わす、両首脳の様子 日英首脳会談(写真提供:内閣広報室)
着席し、会談を行う、両首脳の様子 日英首脳会談(写真提供:内閣広報室)

 現地時間1月11日14時17分(日本時間11日23時17分)から計約1時間、英国を訪問中の岸田文雄内閣総理大臣は、リシ・スナク英国首相(The Rt Hon Rishi Sunak MP, Prime Minister of the United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland)と約10分のテタテ(一対一)の会談を含む首脳会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。また、この訪問の機会に、岸田総理大臣は、故エリザベス2世女王陛下の墓前に供花を贈り、同女王陛下の崩御に弔意を表しました。

1 二国間関係

 岸田総理大臣から、グローバルな戦略的パートナーである日英の使命は、緊密に連携し、国際社会の戦略的課題に取り組んでいくことである旨述べました。これに対しスナク首相から、日英関係を重視しており、岸田総理大臣と緊密に連携していきたい旨述べました。
 岸田総理大臣から、日本の新たな国家安全保障戦略について説明し、英国とも連携を一層強化していきたい旨延べました。これに対し、スナク首相から支持が表明され、日本とパートナーとして連携したい旨述べました。
 岸田総理から、欧州とインド太平洋の安全保障は不可分であり、英国のインド太平洋への「傾斜」を支持している旨述べ、スナク首相から、英国のインド太平洋地域へのコミットメントが改めて示されました。
 岸田総理大臣から、本日署名する日英部隊間協力円滑化協定は、両国の防衛協力の基盤となるものであり極めて意義深いものである旨述べ、両首脳は、同協定及び日英伊3か国による次期戦闘機の共同開発に関する合意を歓迎するとともに、こうした新たな進展も踏まえ、両国の都合の良い時期に日英「2+2」を開催し、安全保障協力を一層深化させることで一致しました。
 両首脳は、洋上風力、水素、データセンター、宇宙、原子力等の幅広い分野において日英経済関係が常に深化を続けていることを歓迎しました。
 両首脳は、CPTPPの戦略的意義について一致し、英国の加入交渉の早期妥結の実現に向けて共に取り組んでいくことを確認しました。

2 G7広島サミット

 岸田総理大臣から、G7広島サミットでは、力による一方的な現状変更の試みや核兵器による威嚇、その使用を断固として拒否し、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を堅持するG7の強い決意を示すこと、エネルギー・食料安全保障を含む国際社会の諸課題にG7が積極的に対応していくこと、また、アジアで開催されるサミットということからインド太平洋についてもしっかり議論していきたい考えであることを説明し、スナク首相から理解と支持を得ました。両首脳は、G7広島サミットの成功に向けて引き続き緊密に連携していくことを確認しました。

3 国際情勢

 両首脳は、ロシアによるウクライナ侵略への対応に関して、G7の結束を維持して、厳しい対露制裁と強力なウクライナ支援を継続していく必要があるとの点で一致しました。また、岸田総理大臣から、唯一の戦争被爆国として、ロシアによる核の威嚇は断じて受け入れられず、ましてやその使用はあってはならない旨述べ、両首脳は、国際社会からの明確なメッセージが発出され続けることが重要であるとの認識で一致しました。
 また、日本の当面のウクライナ支援として、約300台の発電機と約8万台のソーラー・ランタンの供与を順次実施し、更なる発電機の供与も検討している旨述べ、スナク首相から日本の断固とした対応に感謝する旨の発言がありました。
 両首脳は、東アジア情勢についても意見交換し、東シナ海及び南シナ海における力による一方的な現状変更の試みへの反対を表明しました。また、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調しました。核・ミサイル問題や拉致問題を含む北朝鮮への対応において、国連安保理の場も含め、引き続き連携していくことを改めて確認しました。さらに、両首脳は、経済的威圧を含む経済安全保障上の課題についても一致して対応していくことを確認しました。両首脳は、安保理改革を含む国連の機能強化の重要性で一致しました。


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