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令和5年1月13日
首脳会談を前に、ホワイトハウスの廊下を談笑しながら歩く日米両首脳 日米首脳会談(写真提供:内閣広報室)
日米首脳会談が行われている様子 日米首脳会談(写真提供:内閣広報室)
会談で、岸田総理大臣がバイデン米大統領に語りかけている様子 日米首脳会談(写真提供:内閣広報室)

 現地時間1月13日午前11時30分(日本時間14日午前1時30分)から計約2時間、米国・ワシントンD.C.を訪問中の岸田文雄内閣総理大臣は、ジョセフ・バイデン米国大統領(The Honorable Joseph R. Biden, Jr., President of the United States of America)と会談を行ったところ、概要は以下のとおりです(少人数会合:現地時間13日午前11時30分(日本時間14日午前1時30分)から約45分間、テタテ会合:現地時間13日午後0時15分(日本時間14日午前2時15分)から約15分間、拡大会合(ワーキング・ランチ):現地時間13日午後0時30分(日本時間14日午前2時30分)から約60分間)。
 なお、会談に先立ち、岸田総理大臣は、ホワイトハウスの南正面玄関でバイデン大統領による出迎えを受け、両首脳は、庭園を見渡す柱廊を二人で歩きながら会談の会場へ向かうなど、会談の節々にバイデン大統領の岸田総理大臣に対する歓迎の意が見られました。

  1. 冒頭、岸田総理大臣から、2023年という新しい年を迎え、総理大臣として初めて米国・ワシントンD.C.を訪問し、親しい友人であるバイデン大統領と会談できることを嬉しく思う旨述べたのに対し、バイデン大統領から、岸田総理大臣の訪米を歓迎する、両首脳間のパートナーシップ、そして日米同盟はかつてなく強固である旨述べました。
  2. 岸田総理大臣から、日米両国が近年で最も厳しく複雑な安全保障環境に直面している中、我が国として、昨年12月に発表した新たな国家安全保障戦略等に基づき、反撃能力の保有を含む防衛力の抜本的強化及び防衛予算の相当な増額を行っていく旨述べたのに対し、バイデン大統領から、改めて全面的な支持を得ました。また、岸田総理大臣から、同年10月に発表された米国の国家安全保障戦略を高く評価する旨述べたのに対し、バイデン大統領から、日本の防衛に対する揺るぎないコミットメントが改めて表明されました。その上で、両首脳は、日米両国の国家安全保障戦略が軌を一にしていることを歓迎するとともに、日米両国の戦略を実施するに当たって相乗効果を生み出すようにすることを含め、日米同盟の抑止力・対処力を一層強化していくとの決意を新たにしました。両首脳は、11日に開催された日米安全保障協議委員会(「2+2」)でのやり取りも踏まえつつ、安全保障分野での日米協力に関する具体的協議を更に深化させるよう指示しました。
  3. 両首脳は、インド太平洋地域、とりわけ東アジアにおいて、力による一方的な現状変更の試みを許してはならないという観点も踏まえつつ、地域情勢について意見交換を行いました。
  • (1)両首脳は、中国をめぐる諸課題への対応に当たり、引き続き日米で緊密に連携していくことで一致しました。また、両首脳は、中国と共通の課題については協力していくことの重要性を確認しました。さらに、両首脳は、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに、両岸問題の平和的解決を促しました。
  • (2)両首脳は、国連安保理決議に従った北朝鮮の完全な非核化に向け、日米韓の安全保障協力を含む地域の抑止力強化や安保理での対応において、引き続き日米、日米韓で緊密に連携していくことで一致しました。また、岸田総理大臣から、拉致問題の即時解決に向けた米国の引き続きの理解と協力を求め、バイデン大統領から、改めて全面的な支持を得ました。
  • (3)両首脳は、ロシアによるウクライナ侵略について、引き続きG7を始めとする同志国と緊密に連携しながら、対露制裁及びウクライナ支援を強力に推進していくことで一致しました。また、両首脳は、ロシアによる核の威嚇は断じて受け入れられず、ましてやその使用は決してあってはならないことを改めて確認しました。
  1. 岸田総理大臣から、G7広島サミットでは、法の支配に基づく国際秩序を守り抜くというG7のビジョンや決意を示していく、また、インド太平洋についてもしっかり議論したいとの考えを説明しました。また、岸田総理大臣から、唯一の戦争被爆国である日本の総理大臣として、バイデン大統領を含むG7首脳と共に、核兵器の惨禍を人類が二度と起こさないとの誓いを広島から世界に向けて発信したい旨述べた上で、両首脳は、厳しい安全保障環境も踏まえつつ、「核兵器のない世界」に向けて、日米で共に取り組んでいくことで一致しました。さらに、両首脳は、エネルギー・食料安全保障を含む世界経済、経済安全保障、そして気候変動、保健、開発といった地球規模の課題等の分野でG7が結束して取り組むことが重要との認識で一致しました。両首脳は、G7広島サミットの成功に向けて、引き続き日米で緊密に連携していくことを改めて確認しました。
  2. 両首脳は、2022年は、日米経済政策協議委員会(経済版「2+2」)やインド太平洋経済枠組み(IPEF)の立上げ・進展が見られ、日米経済関係が戦略的な段階に押し上げられた一年であったとの認識で一致しました。その上で、両首脳は、本年は日本がG7、米国がAPECの議長国を務める中、持続的・包摂的な経済成長の実現及びルールに基づく自由で公正な国際経済秩序の維持・強化に向けて、本年の経済版「2+2」も活用しながら、日米で国際社会を主導していくことで一致しました。また、岸田総理大臣から、米国による環境配慮車両への優遇措置に対する我が国の考えを改めて伝達しました。さらに、両首脳は、地域の経済秩序に対する米国の関与がますます重要となっているとの認識を共有し、IPEFの交渉進展に向けて協力していくことで一致するとともに、岸田総理大臣から、戦略的観点を踏まえ、TPPについての我が国の立場を伝えました。そして、両首脳は、信頼性のある自由なデータ流通(DFFT)を推進していくことで一致しました。
  3. 両首脳は、経済的威圧を含む経済安全保障上の課題に対処すべく、同志国でサプライチェーン強靱化を進めていくことで一致しました。また、両首脳は、半導体のみならず、バイオ、量子及びAIを含む重要技術の育成や保護に向けて協力していくとともに、サプライチェーン等に関する協力を強化していくことを確認しました。さらに、両首脳は、エネルギー安全保障の強化に向けて取り組む重要性を共有しました。
  4. 両首脳は、宇宙分野での日米協力を一層推進していくことで一致しました。
  5. 両首脳は、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序へのコミットメントがかつてなく重要になっているとの認識を共有しました。その上で、岸田総理大臣から、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」実現に向けた取組を強化していく考えである旨述べたのに対し、バイデン大統領から、岸田総理大臣の取組への支持を得るとともに、米国の地域に対する揺るぎないコミットメントが改めて表明されました。両首脳は、地域及び国際社会の平和と繁栄の確保に向けて、日米でFOIP実現に向けた取組を推進していくことで一致しました。
  6. 両首脳は、自由で開かれたインド太平洋と平和で繁栄した世界という共通のビジョンに根ざし、法の支配を含む共通の価値に導かれた、前例のない日米協力を改めて確認し、日米共同声明(英文(PDF)別ウィンドウで開く仮訳(PDF)別ウィンドウで開く)を発出しました。

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