農林水産省・新着情報

野村農林水産大臣記者会見概要

日時 令和5年1月17日(火曜日)11時00分~11時13分 於: 本省7階講堂
主な質疑事項
  • (大臣から)ベルリン農業大臣会合への出席について
  • (大臣から)世界農業遺産への申請承認及び日本農業遺産の認定について
  • (大臣から)サステナアワード表彰式について
  • ベルリン農業大臣会合について
  • ALPS処理水の放出時期の決定について
  • 卵価の状況について

冒頭発言

大臣

  今日は私の方から3点御報告がございます。1点目でありますが、1月19日(木曜日)から1月22日(日曜日)まで、ベルリン農業大臣会合に出席するため、ドイツに出張をいたします。21日に開催される本会合では、新型コロナやロシアのウクライナ侵略などによる世界の食料安全保障が課題となる中で、多数の農業大臣が集まり、食料システムの変革をテーマに議論する予定です。私からも持続可能な農業に関する我が国の考え方や取組を発信し、議論に貢献したいと思っております。またこの機会を捉えて、本会合に出席するG7各国の大臣との会合を行い、4月22日(土曜日)、23日(日曜日)のG7宮崎農業大臣会合への参加を歓迎する旨、伝えたいと思っております。いよいよ日本でG7の農業大臣会合が開かれるものですから、バイ会談等でお願いをしようと思っております。
  2点目でありますが、本日、世界農業遺産の申請を承認する地域及び日本農業遺産として認定する地域について、専門家の方々の評価結果を踏まえ決定しました。FAO(国際食糧農業機関)が認定する世界農業遺産へ申請を行う地域につきましては、和歌山県の有田(ありだ)・下津(しもつ)地域。ここはみかんの農園でありますが、大変特徴的な石垣を積んだみかん園になっていて、(通常は)斜面に大体みかんを植えてあるのですが、ここは石垣を積んだみかん園ということで、世界農業遺産への申請を行います。それから、農林水産大臣が認定する日本農業遺産は、岩手県の束稲山麓(たばしねさんろく)地域、それから埼玉県の比企丘陵(ひききゅうりょう)地域の2地域としまして、岩手県の束稲山麓地域は、畑と水田、これをうまく活用されていること。埼玉県の比企丘陵地域は、天水を活用した地域であり、この二つを決定しました。いずれも将来にわたり受け継がれるべき伝統的な農林水産業が営まれている地域であります。地域の皆様の自信や誇りに繋がるとともに、国民の皆様にも我が国の伝統ある農林水産業の価値を再認識していただくきっかけになることを期待しております。
  3点目ですが、来週24日(火曜日)にサステナアワード表彰式を行います。これは消費者庁、環境省と連携して、「みどりの食料システム戦略」の一環で、食と農林水産分野の持続可能な取組の動画作品を表彰するもので、優れた作品を国内外に広く発信していくことにより、食と農林水産分野の持続可能な取組の拡大を目指していきます。いずれも詳細につきましてはこの後、プレスリリースいたします。私の方からは以上でございます。

質疑応答

  • ベルリン農業大臣会合について

記者

  ベルリン農相会合についてお伺いします。改めて、日本としてどのようなことを主張されるのか、また、期待する成果について教えてください。

大臣

  今回のベルリンの農業大臣会合では、前々から申し上げているように、世界の食料安全保障の確保のために、各国が自国の有する資源を有効活用する取組の重要性や持続可能な農業生産に向けて、各国の事情に応じた最適な方法で実施していく必要があることを主張したいと思っていまして、この食の安全保障は各国とも大変関心が高くなってきておりますので、タイミング的にはいいテーマだなと思っています。

  • ALPS処理水の放出時期の決定について

記者

  先週の関係閣僚会議で、福島第1原発の処理水の放出時期の目途が春から夏頃にかけてということが確認されました。これについての大臣の受け止めをお伺いしたいのがまず1点です。また、水産物の外国の輸入規制について、処理水の放出によってそれが強まる懸念もあるかと思いますが、それについてはいかがでしょうかというのと、農水省として何か対策をしていくお考えはあるか、お願いします。

大臣

  1月13日のALPS処理水に関する関係閣僚等会議、私もそのメンバーでございますが、具体的な海洋放出の時期が、春から夏頃ということで見込まれているということでした。これを受けまして、全漁連は、反対の立場は今までどおり、いささかも変わるものではないとした上で、引き続き漁業者・国民への説明、風評被害対策、ALPS処理水の安全性の担保について、国としての真摯な対応を求めるとの会長談話を公表したと承知しております。ALPS処理水の処分に伴う対策としては、1月13日に策定された「ALPS処理水の処分に関する行動計画」に基づき、各国・地域等への情報発信や国際会議の活用など国際社会の戦略的な発信を政府全体で行うとともに、水産関係対策として、風評を生じさせないため、従来から実施していた水産物のモニタリング検査にトリチウム検査を追加しておりまして、生産・流通・加工・消費、それぞれの段階において各種支援策を講じているところです。今後とも、漁業者に寄り添いながら、関係省庁と連携して、関連対策が円滑に実施されるように、漁業を安心して継続できる環境が整備されるように、万全を尽くしてまいりたいと思っております。

記者

  農水省としてもその科学的根拠をもって、安全性などについて引き続き海外に対しても発信、説明していくということでよろしいでしょうか。

大臣

  そうですね。一番にそういう科学的な根拠をもって、大丈夫ですということをきちっと判断してもらえるよう、国内もそうですが、海外の漁業者の皆さん、あるいは消費者の皆さんにも、日本の海から獲れた魚は大丈夫ですと発信したいと思いますので、ちゃんとした科学的な根拠に基づいた(説明を)透明性をもって発信していきたいと思っております。

  • 卵価の状況について

記者

  卵の価格についてでございます。何度も御質問しておりますけれども、275円という価格からなかなか下がってこないというような状況にありますけれども、その受け止めと何か対策みたいなものは、今後お考えになるのかということなのですが。

大臣

  前から言っておりますように、大体12月で300円/キロだったのが、年が明けてから260円/キロになって、今は275円/キロ程度になっていると思っていますが、昨年より高い水準となっており、明日(18日)公表予定の農林水産省食品価格動向調査によれば、1月の小売価格は平年同期比で113%に留まっているということですが、加工向け、特にマヨネーズなどでは不足感が生じ始めているということです。生卵の売り方というのはいろいろな売り方で、今日の新聞でしたが、Mサイズと小玉と合わせて、価格を下げて売っているスーパーもあるし、大手では今までどおりMサイズの卵を揃えて売っているとか、卵に変わりはないので、大きさによって不揃いのものを安くしているところが、私の地元・鹿児島でも見受けられるようで、そういう工夫を凝らしながら売っていると思います。今からは小玉よりも、大玉が出てくると思いますので、それをどうするのかは、売る方として上手な売り方をしていただきたいと。また、安くできればそれに越したことはありませんので、消費者のためにはその方がいいだろうと。卵の価格は、雛から成鶏になるのは早く半年も経てばもう産み出しますので、その間は少し高止まりしてしまうのかなと思っております。

報道官

  よろしいでしょうか。それでは、これで大臣会見を終わります。

以上

 

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