外務省・新着情報

令和5年1月18日

 1月8日から15日まで、武井俊輔外務副大臣は、マーシャル諸島、バヌアツ及び米国・ハワイを訪問しました。この訪問の概要は以下のとおりです。

I マーシャル諸島(1月10日~1月11日)

1 政府要人等との面会

(1)ジマタ・カブア・マーシャル諸島共和国伝統的首長評議会議長への表敬

武井副大臣が、カブア・マーシャル諸島伝統的首長評議会議長と贈呈品を交換した際の記念撮影の様子

 10日、武井副大臣は、ジマタ・カブア・マーシャル諸島共和国伝統的首長評議会議長 (Iroij Jimata M. Kabua, Chairman for the Council of Iroij, the Republic of the Marshall Islands)を表敬しました。
 武井副大臣から、日本とマーシャル諸島は100年以上にわたる深いつながりを有し、自由や法の支配、民主主義などの基本的な価値を共有するパートナーである旨述べた上で、日本は太平洋・島サミット(PALM)等を通じ、引き続きオールジャパンでマーシャル諸島を力強く支援していく旨述べました。
 これに対し、カブア議長から、日本とマーシャル諸島の長年にわたる友好関係について触れ、今次訪問に対する感謝と歓迎の言葉が述べられました。

(2)キトラン・カブア・マーシャル諸島共和国外務・貿易大臣への表敬

武井副大臣が、カブア・マーシャル諸島外務大臣を表敬した際に、発言を行っている様子

 10日、武井副大臣は、キトラン・カブア・マーシャル諸島共和国外務・貿易大臣(Hon. Ms. Kitlang KABUA, Minister of Foreign Affairs and Trade of the Republic of the Marshall Islands) を表敬しました。
 武井副大臣から、日本は2021年のPALM第9回会合で発表した「太平洋のキズナ政策」の下、引き続きマーシャル諸島を力強く支えていく旨述べました。また、昨年12月に発表した新たな国家安全保障戦略等について説明するとともに、気候変動対策等について意見交換を行いました。
 カブア外務・貿易大臣から、日本は新型コロナで厳しい状況にあったマーシャル諸島を最初に支援した国のひとつであり、新型コロナ対策支援をはじめ、漁業やインフラ分野等、日本の支援に感謝する旨述べました。また、PALMの重要性について触れた上で、「自由で開かれたインド太平洋」及び「太平洋のキズナ政策」を支持する旨述べました。
 また、両者は、ALPS処理水の海洋放出について意見交換し、武井副大臣から、日本は海洋環境に悪影響を与える活動は決して行わない旨改めて説明し、引き続き透明性をもって説明していく旨述べました。
 両者は、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて協力を更に進めていくことで一致しました。

(3)デイビッド・カブア・マーシャル諸島共和国大統領への表敬

武井副大臣が、カブア・マーシャル諸島大統領を表敬し、懇談している様子

 10日、武井副大臣はデイビッド・カブア・マーシャル諸島共和国大統領(H.E. Mr. David KABUA, President of the Republic of the Marshall Islands)を表敬しました。
 武井副大臣から、日本は2021年のPALM第9回会合で発表した「太平洋のキズナ政策」の下、引き続きマーシャル諸島を力強く支えていく旨述べました。また、太平洋島嶼国情勢について、地域の分断につながりうる動きがある中、地域の一体性の重要性を指摘しつつ、安全保障等においてはまずは地域で対処するというPIFの「Family First」の原則に対する強い支持を表明しました。さらに、昨年12月に発表した新たな国家安全保障戦略等について説明するとともに、両国関係の更なる発展に向けて協力していきたい旨述べました。
 カブア大統領から、日本とマーシャル諸島は歴史的に深い関係を有しており、この相互の絆が永続的に続くことを願う旨述べるとともに、日本のマーシャルに対する支援に感謝の言葉が述べられました。また、太平洋島嶼国情勢について触れ、マーシャルとしても地域の一体性の維持に向けて取り組んでいる旨述べました。

2 無償資金協力案件署名式・視察

(1)無償資金協力案件署名式への立会い

無償資金協力案件署名式が行われている様子

 10日、武井副大臣は、首都マジュロにおいて、田中一成駐マーシャル大使とキトラン・カブア・マーシャル諸島共和国外務・貿易大臣(Hon. Kitlang KABUA, Minister of Foreign Affairs and Trade of the Republic of the Marshall Islands)との間で行われた無償資金協力「経済社会開発計画」(運搬船供与)、「イバイ島太陽光発電システム整備計画」及び「マジュロ環礁における貯水池整備計画」の交換公文署名式に立ち会いました。

(2)経協案件の視察

武井副大臣が、魚市場を視察する様子 魚市場視察
武井副大臣が、海洋資源局を訪問し、関係者と記念撮影を行っている様子 海洋資源局訪問

 11日、武井副大臣は、日本の無償資金協力によって整備された魚市場、日本が供与した医療船等を視察しました。また、海上警察署及び海洋資源局を訪問し、マーシャル諸島における海洋安全保障の現場を視察しました。

3 太平洋戦没者慰霊碑献花・視察

慰霊碑に献花を行った武井副大臣が、関係者と記念撮影を行っている様子

 11日、武井副大臣は、首都マジュロにある太平洋戦没者慰霊碑に献花を行いました。

【参考】東太平洋戦没者の碑
 1984年3月16日竣工。面積約4,000m2。マジュロ中央の海岸沿いに位置し、その中心軸は日本の方角を向いている。碑文には、「さきの大戦において東太平洋の諸島及び海域で戦没した人々をしのび平和への思いをこめてこの碑を建立する」と日本語、英語及びマーシャル語で記載されている。

II 米国・ハワイ(1月8日、12日)

1 アリゾナ記念館献花・視察

武井副大臣が、パパロ米太平洋艦隊司令官との記念撮影を行っている様子
アリゾナ記念館を訪れ、献花を行う武井副大臣の様子

 8日、武井副大臣は、パパロ米太平洋艦隊司令官とともにアリゾナ記念館を訪れ、献花を行いました。

2 グリーン・ハワイ州知事との懇談兼朝食会

武井副大臣が、ハワイ州知事一行と記念撮影を行っている様子

 12日、武井副大臣は、ジョッシュ・グリーン・ハワイ州知事(Hon. Josh Green, Governor of the State of Hawaii)との懇談兼朝食会に参加しました。
 武井副大臣から、グリーン・ハワイ州知事の州知事就任に祝意を表明するとともに、国家安全保障戦略等について説明した上で、日ハワイの友好関係の更なる発展に向けて尽力していきたい旨述べました。
 両者はまた、観光やクリーン・エネルギーに関する日ハワイ協力等について意見交換を行いました。

III バヌアツ(1月13日~1月15日)

1 政府要人等との面会

(1)ニケニケ・ヴロバラヴ・バヌアツ共和国大統領への表敬

バヌアツのヴロバラヴ大統領との表敬を前に、大統領と手を取り合って記念撮影を行う武井副大臣

 13日、武井副大臣は、ニケニケ・ヴロバラヴ・バヌアツ共和国大統領(H.E. Mr. Nikenike VUROBARAVU, President of the Republic of Vanuatu)を表敬しました。
 武井副大臣から、ヴロバラヴ大統領の2022年7月の大統領就任に改めて祝意を伝達しました。また、日本が太平洋・島サミット(PALM)等を通じ、太平洋島嶼国自身のアジェンダを尊重し、そのニーズを踏まえながら、日本の強みを生かした協力を行ってきている旨説明し、引き続き、オールジャパンでバヌアツを力強く支援していくとともに、両国関係の更なる発展に向けて協力していきたい旨述べました。
 ヴロバラヴ大統領から、バヌアツに対する日本の支援に感謝を述べるとともに、今次訪問により、両国間の連携が一層素晴らしいものになることを期待する旨述べました。

(2)ジョサム・ナパット・バヌアツ共和国外務・国際協力・貿易大臣への表敬

ナパット・バヌアツ外相と懇談する武井副大臣の様子

 13日、武井副大臣は、ジョサム・ナパット・バヌアツ共和国外務・国際協力・貿易大臣(Hon. Mr.Jotham NAPAT Minister of Foreign Affairs, International Cooperation and External Trade of the Republic of Vanuatu)を表敬しました。
 武井副大臣から、基本的な価値を共有する友人同士として「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて協力していきたい旨述べるとともに、日本は2021年のPALM第9回会合で発表した、「太平洋のキズナ政策」の下、引き続きバヌアツを力強く支えていく旨述べました。また、昨年12月に発表した新たな国家安全保障戦略等について説明するとともに、北朝鮮への対応やロシアよるウクライナ侵略等の対応における協力を要請しました。
 ナパット外相から、バヌアツに対する日本の支援に感謝するとともに、気候変動は同じ島国である両国にとって重要な問題である旨述べました。また、二国間関係、PALM、ALPS処理水、国際場裏における連携等について述べ、日本からの協力を引き続きお願いしたい旨述べました。 

(3)サトー・キルマン・バヌアツ共和国副首相兼土地・天然資源大臣への表敬

表敬を前に、キルマン・バヌアツ副首相と握手しながら記念撮影を行う武井副大臣

 14日、武井副大臣は、サトー・キルマン・バヌアツ共和国副首相兼土地・天然資源大臣(Hon. Sato KILMAN, Deputy Prime Minister and Minister of Lands and Natural Resources of the Republic of Vanuatu)を表敬しました。
 武井副大臣から、2012年のPALM6への出席など同副首相の両国の関係強化への尽力に感謝を述べるとともに、太平洋島嶼国情勢ついて、地域の分断につながりうる動きがある中、地域の一体性の重要性を指摘しつつ、安全保障等においてはまずは地域で対処するというPIFの「Family First」の原則に対する強い支持を表明しました。さらに、昨年12月に発表した新たな国家安全保障戦略等について説明するとともに、両国関係の更なる発展に向けて協力していきたい旨述べました。
 キルマン副首相から、バヌアツに対する日本の支援に感謝しつつ、PALMは太平洋島嶼国首脳が課題等について協議する上で貴重な機会である旨述べるとともに、地域が一体となることの重要性に完全に同意する旨述べました。
 また、両者は、安全保障や気候変動、ALPS処理水等について意見交換を行い、ALPS処理水について武井副大臣から、日本は安全性の確保等について今後も高い透明性を持って説明していく旨述べました。

(4)アラトイ・イシュマエル・カルサカウ・バヌアツ共和国首相との懇談

武井副大臣が、カルカサウ・バヌアツ首相と座りながら懇談している様子

 14日、武井副大臣は、アラトイ・イシュマエル・カルサカウ・バヌアツ共和国首相(Hon. Mr. Alatoi Ishmael KALSAKAU,Prime Minister of the Republic of Vanuatu)とポートビラ国際空港で短時間懇談しました。
 武井副大臣から、日本とバヌアツは太平洋で結ばれ、基本的な価値を共有する友人同士であり、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて更に協力を進めていきたい旨述べました。また、太平洋島嶼国情勢について、地域の分断につながりうる動きがある中、地域の一体性の重要性を指摘しつつ、安全保障等においてはまずは地域で対処するというPIFの「Family First」の原則に対する強い支持を表明するとともに、昨年12月に発表した新たな国家安全保障戦略等について説明しました。
 カルサカウ首相から、バヌアツに対する日本の寛大な支援に感謝を述べるとともに、安全保障は共通のイシューとして重要であり、バヌアツにとっては気候変動にどう対処するかが死活的な問題である旨述べました。
 両者は、太平洋島嶼国情勢等について意見交換し、二国間関係の更なる発展に向けて連携していくことを確認しました。

2 無償資金協力案件署名式・視察

(1)無償資金協力案件署名式への立会い

武井副大臣が、無償資金協力案件の署名式に立ち会っている様子

 13日、武井副大臣は、首都ポートビラにおいて、千葉広久駐バヌアツ大使とジョサム・ナパット・バヌアツ共和国外務・国際協力・貿易大臣(Hon. Jotham NAPAT Minister of Foreign Affairs, International Cooperation and External Trade of the Republic of Vanuatu)との間で行われた無償資金協力「経済社会開発計画」(港湾安全管理機材)の交換公文署名式に立ち会いました。

(2)経協案件視察

武井副大臣が、ポートビラ港を視察している様子 ポートビラ港視察
武井副大臣が、ビラ中央病院を視察している際に、関係者と記念撮影を行っている様子 ビラ中央病院視察

 14日、武井副大臣は、日本の無償資金協力によって整備されたポートビラ港及びビラ中央病院を視察しました。


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