野村農林水産大臣記者会見概要

日時	令和5年1月31日（火曜日）8時38分～8時46分 於: 衆議院議員食堂
主な質疑事項	大雪による農林水産業への被害状況等について 乳製品のカレントアクセスについて あさり等の産地偽装への対応について

質疑応答

• 大雪による農林水産業への被害状況等について(1)

記者

  先日の寒波と大雪の被害についてお伺いします。政務官が鹿児島に出張されましたが、ハウスや農産物の被害について何か分かっていることがあれば教えてください。また、今後の青果の価格への影響について見通しがあれば教えてください。

大臣

  先週の土曜日に藤木大臣政務官に鹿児島に行っていただきました。実は私が行こうと思っていました。地元だからということではなく、指宿というところが一番被害を受けたのですが、暖かく雪が降らないところなので、ハウス（栽培で）はほとんど作られていないんです。ですから露地物が被害を受けまして、特に今がピークのスナップエンドウや他の豆類も全部被害を受けたので、これからどう回復してくるのか見ておこうと思い、7年前にも雪で大損害が出たので、今回行ってみようと思ったのですが、藤木政務官に代わりに行っていただきました。今、役所の方でも各地区の被害状況を把握しようとしていますが、雪が解けないとどのぐらいの被害になっているかが分からないので、もう少し経ってから全体的な雪害の状況を御報告できるのではないかと思います。

• 大雪による農林水産業への被害状況等について(2)

記者

  今の雪の影響ですが、国産のスナップエンドウは鹿児島県の生産量が全国一位で、花も落ちたり実がならないことで、流通の方にも影響が出ると思うのですが、そのあたりもこれからという感じでしょうか。

大臣

  豆類はスナップエンドウから実えんどう、さやえんどうも含めて全て露地で栽培しているので、雪で全て被害を受けました。ただ、昨日、役所の担当者に聞きましたら、まだ蔓が芯止め（蔓の一番先端の方を摘む）まで至っていなかったので、これから蔓を伸ばして再収穫ができるようにしたいという話でした。ただ、今がピークで販売価格が一番高い時なので、これから蔓を伸ばして作ったとしても小ぶりになるし、価格的には他の産地から出てくると安くなるので、農家の被害は計り知れないだろうと思います。

• 乳製品のカレントアクセスについて

記者

  乳製品のカレントアクセスの件で伺います。昨日の予算委員会でやりとりがあり、国内で需給が緩和しているから輸入をやめるべきという野党議員の指摘に、岸田総理は、「法的義務との関係でどうなのか政府として検討した上で議論を進めていきたい」と述べられましたが、これを受けて農水省としてどう対応するかお願いいたします。

大臣

  前の参議院の農林水産委員会等でもカレントアクセスについてどうにかならないのかというお話もありましたが、現在の法的義務の範囲内で、どういうことができるか議論を進めていきたい旨の発言が、昨日、総理の方からあったことは、十分承知しております。このため、我が省としては、政府統一見解を踏まえて、どのような対応が可能か検討してまいります。統一見解は、コメで統一見解（ウルグアイ・ラウンド農業協定におけるコメのミニマムアクセス機会の法的性格に関する政府統一見解）が出されていまして、これと同じような形で、生乳・牛乳についてやれるのかやれないのか、検討を進めてみたいと思います。この原則というのは、相手側が輸出できない状況、生産量が減ってきた、あるいは災害があって輸出できなくなったというようなことがあれば、致し方ないのですが、それがない限りは輸入側の方の事情でストップする、減らすというのはなかなか難しいというのが統一見解ですが、この生乳・牛乳でもどう当てはまるかどうか、検討を進めたいと思います。

• あさり等の産地偽装への対応について

記者

  あさりの産地偽装の問題が発覚して明日で1年になりますが、この1年の取組状況とその後断続的に同様の問題が明らかになっている件について、受け止めと今後の対応についてもお伺いできればと思います。

大臣

  あさりの産地偽装は、熊本県を中心に偽装されたことで大変だと思っているのですが、農水省としては、この産地表示の疑義について、昨年2月に公表以降、関係自治体と連携して疑義解明に取り組み、違反を確認した事業者に対する表示是正の指示をしてきたところで、現在、国と自治体による指示は16件です。そういうことがあると良くないということで、別途警察による捜査、逮捕等に至った事案も見られますので、これらの結果としてあさりの産地表示については改善が図られつつあると思います。

報道官

  よろしいでしょうか。それでは、これで大臣会見を終わります。

以上