外務省・新着情報

令和5年2月10日
会談を前に握手している、林外務大臣とマナロ・フィリピン外務大臣

 2月10日、正午から約60分間、林芳正外務大臣は、公式訪問中のフェルディナンド・マルコス・フィリピン共和国大統領(H.E. Ferdinand R. Marcos, Jr., President of the Republic of the Philippines)に同行しているエンリケ・マナロ・フィリピン共和国外務大臣(Hon. Enrique A. Manalo,Secretary for Foreign Affairs of the Republic of the Philippines)と外相ワーキング・ランチを行ったところ、概要は以下のとおりです。

  1. 冒頭、林大臣から、訪日を歓迎し、昨9日の日・フィリピン首脳会談や日・フィリピン共同声明を踏まえ、今後の協力の方向性に関して意見交換したい旨述べました。これに対し、マナロ大臣から、今般のマルコス大統領訪日における成果を歓迎し、地域における重要なパートナーである日本との関係を更に強化したい旨述べました。
  2. 安全保障協力について、両大臣は、自衛隊とフィリピン国軍との共同訓練等を強化・円滑化する上での具体的な成果として、今般の人道支援・災害救援活動に関する取決めの署名を歓迎しました。また、両大臣は、防衛装備品移転等の具体的な協力を通じて、法に基づく自由で開かれた国際秩序の強化に向けて協力していくことで一致しました。
  3. 経済面の協力について、林大臣から、官民を挙げて来年3月までに6,000億円規模の上位中所得国入り支援を実施していくことを改めて強調しました。また、林大臣から、災害復旧スタンド・バイ借款に加え首都圏鉄道(MRT)3号線改修資金(円借款)を供与する用意がある旨伝達するとともに、フィリピン沿岸警備隊の更なる能力向上に向けて、スービック湾拠点整備などの案件形成を加速していく旨伝えました。これに対し、マナロ大臣から、こうした一連の日本の支援に対する謝意が示されました。さらに、両大臣は、農業、デジタル化、エネルギー安全保障、ヘルスケア、観光、経済安全保障等の分野における今後の協力について意見交換を行いました。
  4. 地域・国際情勢について、両大臣は、東シナ海・南シナ海情勢、経済的威圧、ウクライナ情勢、核・ミサイル問題や拉致問題を含む北朝鮮への対応、ミャンマー情勢、安保理改革を含む国連の機能強化等といった諸課題についても意見交換し、緊密に連携していくことの必要性を確認しました。
  5. 今般の広域強盗事件や特殊詐欺事件に関し、林大臣から、両国の関係当局間で必要な協力が行われていることに触れつつ、引き続き、関係当局間の連携をお願いしたい旨述べました。
  6. マナロ大臣から林大臣の早期のフィリピン訪問の招請がありました。

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