経産省・新着情報

2023年2月7日(火曜日)
10時00分~10時16分
於:本館10階記者会見室

冒頭発言

賃上げ

おはようございます。
初めに私から1点申し上げます。中小企業の賃上げに向けた取組についてであります。

中小企業の賃上げ原資の確保に重要な価格転嫁対策の新たな取組として、昨年12月に公表いたしました9月の価格交渉促進月間のフォローアップ調査の結果を受けまして、今回、交渉と転嫁の状況は芳しくなかった約30社の親事業者に対しまして、今月、指導・助言を実施していきます。
またあわせて、この調査結果の公表内容の更なる充実を行うことで、より一層の自発的な取引慣行の改善を促すため、発注側企業約150社につきまして、その交渉転嫁の状況のリストを作成し、本日、下請中小企業振興法に基づき企業リストを実名で公表いたします。
ここにお示ししているものはA社、B社となっていますが、150社ありますので、全ては表示できないということでこう書いていますが、実名で公表いたします。
ここにありますように、価格交渉転嫁の取組状況について、ア、イ、ウ、エの点数で評価をしておりまして、エは0点未満ということで、取組が芳しくないわけですが、そうした企業も何社から見受けられます。企業名を公表いたしております。
あわせて、こうして価格転嫁できるような環境を作ると同時に、様々な取組、前向きな取組、賃上げをしながら生産性を上げていく、そうした取組を後押しするために、左側はものづくり補助金、右側は事業再構築補助金でありますけれども、それぞれ要件がありまして、支給総額を、左側ですと1.5%、事業再構築は2%上げることが申請の要件になっておりますが、そして上乗せの要件は、それぞれ6%上げれば補助額が上乗せされます。
今回、採用に当たって加点される要件として、ものづくり補助金は既に2%がありますが、事業再構築補助金で3%以上給与支給総額を増加させる事業者に対して加点の措置を講じることといたします。
こうした取組を通じまして、価格転嫁ができるようにすること、それから生産性を上げていく様々な新しい取組を後押しする、これによって中小企業の賃上げを進めていきたいと思います。
多くの企業、大企業は賃上げに向けて非常に前向きな取組が公表されるなど進みつつあると思いますけれども、鍵は中小企業でありますので、雇用の7割中小企業ですから、中小企業の賃上げを全力で後押ししていきたいと思います。

私からは以上です。

質疑応答

LGBTQ

Q:よろしくお願いします。
先日、LGBTQに対する発言を受けて、荒井元総理大臣秘書官が更迭されました。これに対する受け止めと、荒井氏の今後の処遇についてお伺いできればと思います。

A:2月4日付ですね、荒井前総理秘書官を大臣官房付に異動させました。そして、伊藤前大臣官房秘書課長を総理秘書官として後任の秘書官といたしました。
正に岸田政権で多様性を尊重し、包摂的な社会を実現するという大きな岸田政権の方針の中で、総理秘書官という立場でありながら、正に言語道断の発言であると思います。
昨日、私も荒井前秘書官と話をしました。本人、既に不適切な発言があったと反省をしておりましたが、しっかりともう一度自分の発言、あるいはこれまでの行動を含めてしっかりともう一度見つめ直して猛省するようにということで私から伝えたところであります。引き続き、国家公務員として責任ある言動を行ってもらいたいということで、このことも強く求めたところであります。
当面は大臣官房付でありまして、後任の秘書官への引継ぎ、それからサポート、これに徹してもらうということにしております。
いずれにしても、今回のこの秘書官の発言、許されるものではありません。改めて経産省としても、正に包摂的な社会の実現に向けて取り組んでいきたいと考えているところです。

Q:ありがとうございます。
関連して、同性婚の合法化について、岸田総理が、全ての国民にとって家族観や価値観、そして社会が変わってしまうというふうに国会で述べられましたが、この総理の答弁についてどのように大臣は受け止めていらっしゃいますでしょうか。
その上で、同性婚の法制化について賛成か反対か、如何でしょうか。

 

A:同性婚制度の導入につきましては、親族の範囲、あるいはそこに含まれる方々の間でどのような権利義務関係等を認めるかといった国民生活の基本に関わる問題がございます。また、国民一人一人の家族観とも密接に関わる問題であると認識しております。
その意味で、岸田総理は、同性婚をめぐる議論の否定をされているのではなく、社会全体に影響を与えるものであるという、そうした認識を示されたものと私自身理解をしております。まずは国民各層で様々な意見があると思いますし、国会における議論もあります。また、訴訟もなされております。その動向、それから実際にパートナーシップの制度の導入なども進められておりますし、また運用状況なども見ていく必要があると思っております。

Q:自身の賛成か反対かは。

A:私は丁寧に議論を進めていくことが大事だと思っております。

Q:今の質問等に関連してお伺いします。
先ほど大臣から、経産省としても包摂的な社会の実現に寄与していきたいという趣旨の御発言がございました。一方で、経済産業省ではトランスジェンダーを自認する職員の方によってトイレの使用等をめぐる両者の発言をめぐって2015年に訴訟が起こされて、今、係争中だと思います。この点について、経産省ではダイバーシティ経営等を求めていくような立場だと思うんですが、裁判について大臣の御見解というのは、省内での多様性とか包摂というものに対する取組について改めてお聞かせください。

A:御指摘のように経産省、私自身も経済再生大臣のときもそうでしたけど、とにかく多様な人材の能力を生かしていくこと、これが日本社会を変革していくことにつながる、発展させていくことにつながるという認識を持っております。
これは私の本でも書きましたけど、男性、中年男性中心のおじさん中心社会、これを変えていくことが日本の経済社会を発展させていくことだと思っておりますので、多様な人材、これを生かしていく、能力を生かしていくことが重要だと思います。
そうした観点から、既に経産省でも先進的なそうした事例の発信であるとか、あるいは企業行動を促すためのガイドラインの策定であるとか、あるいは中堅中小企業向けへの普及啓発、こうしたことを進めることで、いわゆるダイバーシティ経営の推進に取り組んでいくところであります。
お尋ねの訴訟についてでありますけれども、係争中の事案であるため、お答えは差し控えたいと思いますが、全ての人がお互いの人権、あるいは尊厳を大切にしながら生き生きとした人生を享受できる、そうした環境、共生社会を実現していくことが重要だと、それが政治、あるいは行政の役割だと認識しております。
こうした考えの下で、私も改めて確認をしたんですけれども、経産省では例えば誰もが使える、いわゆる多目的トイレ、これを現在本館で12か所(※)あるようですけれども、これを各フロアに最低一つは作ろうということで、夏までに20整備をしていくことにしておりますし、別館で12か所整備をする予定にしております。
去年後半それから年始、アメリカ西海岸に行きましたけれども、サンフランシスコなどのトイレは全て共通、いわゆる多目的トイレで共用になっておりまして、性別の区別なく使えるトイレになっておりました。そうしたことも頭に置きながら、そうしたいわゆる多目的トイレ、誰もが使えるようなトイレを整備していくことにしております。更に全職員を対象としてLGBTQに関する内容を含んだeラーニングの研修を実施するなど、理解を深める取組を進めてきているところであります。
こうした取組を通じて、省内外かかわらず、正に多様性を尊重して包摂的な、そうした社会を実現していくために引き続き経産省としての努力をしていきたいと考えております。

GX基本方針

Q:ありがとうございます。
GXの基本方針についてですが、現在3月1日までということで説明会を実施されていらっしゃいます、経産省で。ところが、2月3日の大阪で行われた会議では、GX基本方針はこの会、意見交換会で出た意見は反映されないということを経産省の担当者がおっしゃられたということで、大臣はこのような考え方でよろしいんでしょうか。今週にも閣議決定が、関連法案、されると聞いておりますけれども、少なくとも説明会の後にするべきではないでしょうか。
2点でした。よろしくお願いします。

A:まず、御指摘のGXの基本方針について、全国で対話型の説明会、意見交換会を行ってきております。1月に入って、もう2月にかけて4か所ですかね、行ってきております。毎回多くの方が参加を頂いております。
今後も様々な手段で政府の方針については、いろんな機会、こうした機会を設けながら、丁寧にしっかりと説明していく予定であります。
この説明会は、昨年末に取りまとめました基本方針や、まさに日本の置かれたエネルギーの現状、あるいは、安定供給確保の重要性などについて説明するものでありまして、この説明会、意見交換会において出された意見は、しっかりと受け止めて、まさに今後の政策検討の参考にさせていただきたいと思っております。
基本方針の策定に向けては、昨年の12月23日から1か月間、本年1月22日まで、パブリックコメントを実際行いました。数千件に及ぶ御意見を頂いております。その意見を全て見ながら、その反映をすることも含め、基本方針について、最終の現在検討を進めているところであります。
GX関連法案につきましては、今国会で提出を予定しておりますので、今後、国会で審議を頂くことになります。
いずれにしても、対話型のこうした集会は今後も続けていきますし、様々な御意見は参考にさせていただきたいと思っております。
基本方針の決定に当たっては、パブリックコメントを行って、数千件の御意見を頂いておりますので、それも踏まえて検討を進めているところです。

Q:そうすると、意見交換会、3月1日までの意見は反映しないということなんでしょうか。

A:それは今後の様々な政策検討に反映をさせていただきたいと思っております。

自動車産業

Q:昨日、日産とルノーが資本関係を見直して、対等にするということで合意をしました。これについて大臣の受け止めと、また、この合意に至る過程で、大臣同士の手紙のやり取りもございました。こうした政府間のやり取りが、今回の合意にどう影響したのか、この2点についてお伺いします。

A:自動車産業をめぐっては、世界的にこの気候変動にどう対応していくかという、脱炭素化の大きな流れ、それとロシアのウクライナ侵略など、様々な大きな変革に直面をしております。そうした中で、恐らく想定以上にEVへの動きなど、スピードが速いということだと思いますし、また、一方で、モビリティー産業としての可能性が大きく広がっているという、こうした面もあると思います。
そうしたまさに100年に1回とも言われる大きな転換点の中で、今回、関係者の間で将来に向けた議論、正に今の直面する課題、そして将来に向けた議論が結実をして、日産、ルノー間の資本関係のリバランスや新たな協業、このプロジェクトの合意などの発表に至ったことは、非常に喜ばしいことだと思っております。
是非これを機に、ウィン・ウィンの形が協業の中で更に進展して、この変革期を大きなチャンスと捉えて、まさにグローバルな競争力を高める取組が成功に向かってもらいたいと思います。
日産、そして三菱自動車が、ルノーとの協業の中で正に大いに飛躍をし、世界市場の主役の一角を是非占めていただきたいと、そんな思いで受け止めております。
大臣間でやり取りをさせていただきましたけれども、私の立場は、民間企業同士で納得する形で議論が進む、まさにウィン・ウィンの形で議論が進むことを期待するというコメントも出させていただいております。まさにそういう方向で議論が進み、議論が結実をしたのかなという印象を持っております。

(※)実際の発言は「10か所」でしたが、事実関係を踏まえ上記のとおり修正しました。

以上

最終更新日:2023年2月13日

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