経産省・新着情報

2023年2月15日

同時発表:独立行政法人日本貿易振興機構

経済産業省及び日本貿易振興機構(ジェトロ)は、日本企業・スタートアップの海外でのオープンイノベーションを加速するため、「日ASEAN共創ファストトラック・イニシアティブ」を開始し、シンガポール政府機関等との共催で、シンガポールにて第1回「日シンガポール・ファストトラック・ピッチ」を開催します。

1.概要

今後の世界経済を牽引する成長センターとなるASEANでは、物流、決済、金融など幅広い分野で、デジタル技術を活用し、社会課題を解決するリープフロッグ型のスタートアップが輩出され、多くのイノベーションが創出され続けています。また、若い人口構成、急速に向上する所得水準を背景に、都市部を中心に豊かな消費生活を楽しむ中間所得層が増加しています。

日本企業がASEAN地域で新たに生み出されるイノベーションを自社に取り込み、あるいは成長するASEAN市場での競争力を向上させていくためには、各国で急成長を遂げるスタートアップとの間での戦略的な協業が不可欠となってきています。

そこで、経済産業省及びジェトロでは、本年迎える日ASEAN友好協力50周年を機に、ASEAN各国との新たなイノベーション創出に向けた協力の在り方として、各国政府関係機関との共同で、日ASEAN双方のスタートアップと大企業との協業によるオープンイノベーション創出を後押しする施策を「日ASEAN共創ファストトラック・イニシアティブ」として開始します。

また、本日開催された日シンガポール官民経済対話においても、スタートアップ分野での両国間での更なる協力強化を確認しました。これを受け、当対話の下での具体的な連携プロジェクトとして、第1回となる「日シンガポール・ファストトラック・ピッチ(以下、「ファストトラック・ピッチ」という。)」を、経済産業省、ジェトロ、シンガポール貿易産業省、シンガポール企業庁、シンガポール経済開発庁の共催により、シンガポールにて開催します。

日ASEAN共創ファストトラック・イニシアティブを通じて、スタートアップにとっては、(1)ジェトロ等の日本の関係機関だけでなくASEANの政府・関係機関による支援機会が得られるとともに、(2)日本の大企業だけでなく在ASEANの大企業も含む幅広いスタートアップ・エコシステムへのアクセス機会が得られます。

2.ファストトラック・ピッチ(シンガポール)について

シンガポールにて開催する第1回のファストトラック・ピッチでは、日本企業と在シンガポールのグローバル企業の合計8社が、チャレンジオーナーとして各社のオープンイノベーション創出のニーズに応じたチャレンジ(課題)を設定し、スタートアップからの課題に対する解決策の提案を募集します(チャレンジ概要は別紙参照)。

本日より、以下ジェトロ特設ウェブサイトにて各社のチャレンジ詳細を公表し、スタートアップからの提案の受付を開始しました。スタートアップからの提案は、当該特設ウェブサイトより提出できます。提案の締切は、3月19日(日曜日)末(シンガポール時間)となっています。

今後、同ウェブサイトにおいて、ピッチ実施日時等、イベント情報についても案内します。

3.各チャレンジの概要

チャレンジオーナー

Buhler

チャレンジ概要

農産物・食品の循環経済構築に向けて、
①食品成分の抽出と高価値成分の栄養素回収プロセスを効率化する方法を募集。
②昆虫由来の持続可能で高付加価値な食材製造方法を募集。

③発酵・細胞農業(培養肉等)向けバイオ加工技術の品質・効率・コスト改善に関する方法を募集。

チャレンジオーナー

DeNA・ Allm

チャレンジ概要

ユニバーサルヘルスカバレッジに向けて、ポイントオブケア検査や診断を可能とするソリューションを募集(例:AI、センシング技術等)。

チャレンジオーナー

伊藤忠商事

チャレンジ概要

①ASEANの医師向け支援プラットフォームの共創

ASEANの医師向けに臨床知識の共有・習得等を支援するプラットフォーム(伊藤忠商事が関連会社を通じて運営中)に対し、当該プラットフォームの価値を高め、よりユニークなものにできるサービスを提供するパートナーを募集。

②DTx企業との協業

伊藤忠商事の保有するCRO会社(従業員数1,000名以上、20年以上にわたり国内を中心にDTx(Digital Therapeutics)を含む治験サービスを提供)等によるNDA(新薬申請)・販売・マーケティングの支援も活用しながら日本での事業拡大を企図するDTx関連企業を募集。

チャレンジオーナー

Janssen Pharmaceuticals, Inc.

チャレンジ概要

血液悪性腫瘍(B細胞悪性腫瘍、形質細胞悪性腫瘍、骨髄性悪性腫瘍等)及び固形腫瘍(前立腺がん、非小細胞肺がん、膀胱がん、大腸がん等)に関する科学及び治療法で、新薬臨床試験開始申請(IND)まで1年程度又はよりレイター段階を研究開発中のスタートアップを募集。

チャレンジオーナー

パナソニック

チャレンジ概要

パナソニックは高齢者介護事業を20年以上も展開してきた実績により、介護対象の状態を如何にして短くするか、介護対象にならないよう如何にして予防するかが重要であるかを改めて実感している。ついては、高齢者の身体機能や食生活を改善・支援するためのソリューションを、先進的・ユニークな取組みを進めるパートナーを募集。

チャレンジオーナー

Pfizer

チャレンジ概要

①感染力の強い疾患(特に呼吸器系)に関して、人々の認知・免疫力の構築・維持に向けた官民の医療専門家との協力方法又はタイムリーな診断・治療へのアクセス方法を募集。
②希少疾患に対する治療の効果を適切に監視・測定し、患者の経験を価値評価に組み込み、医療費の償還決定を支援する方法を募集。

③AI又は自然言語処理を用いてヘルスケア・製薬業界関連の書類に関する質問への回答及び原典参照が可能なデジタル・アシスタントを構築する方法を募集。

チャレンジオーナー

Roquette

チャレンジ概要

①植物由来の代替肉について、味・食感・色を改善する技術的解決策を募集。
②肥満や糖尿病等を懸念する消費者のニーズに応える低糖・減糖・無糖の飲料に関する提案を募集。

③食品・製薬の実験室における使い捨てプラスチック容器・資材・白衣等の廃棄物を削減し、実験・処理をより持続可能なものとする解決策。

チャレンジオーナー

竹中工務店

チャレンジ概要

少子高齢化を背景に、世界中で健康なまちづくり・環境づくりが進められている。日本をはじめ、先進諸国では高齢化による労働世代の社会保障費の負担増が共通の社会課題であり、個人や企業のみならず、国や自治体においても健康への関心は高まっている。
WHOは「身体的健康」「精神的健康」「社会的健康」を3つの健康の指標として定義しており、センシング技術を用いた人の健康モニタリングが進んでいる。歩数や心拍変動などセンシングによる身体的健康・精神的健康の評価技術の事例は多いが、社会的健康の評価は今だ少ない。
竹中工務店では、社会的健康の指標として、建物やまちの中の人と人の関係性や交流行動のセンシング、健康への影響評価、さらにそれらの技術の社会実装に挑戦している。将来的に、当社発の評価指標・モニタリング手法が世界における健康な建物やまちづくりにおけるデファクトスタンダードへとなること、更にはそれらの普及がESG投資への呼び水となり不動産価値の向上に貢献することを期待している。

建物内にいる人の数・密度・方向・動き等から空間内の人の行為を推定し、人と人の距離・位置等からその関係性を推定し、また表情や話し声等から感情を推定するといった、建物の利用者間における関係性を測ることのできるセンシング技術やセンシングシステムを募集。

※チャレンジ概要は仮訳・要約のため、各チャレンジに関する検討・提案に際しては、必ずJETRO特設ウェブサイト掲載の各チャレンジステートメント英文を参照ください。チャレンジ概要の内容に関連して、不利益を被る事態が生じた場合でも、経済産業省は一切の責任を負いませんのでご了承ください。

4.後援


担当

通商政策局アジア大洋州課長 福地
担当者: 加畑、下井、坪原、高岡
電話:03-3501-1511(内線 3102)

03-3501-1953(直通)

メール:bzl-ne-tsusei-ataika★meti.go.jp
※[★]を[@]に置き換えてください。

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