外務省・新着情報

冒頭発言

林外務大臣のウクライナに関する国連総会緊急特別会合及び安保理閣僚級討論出席

【林外務大臣】私(林大臣)から1件、御報告がございます。
 諸般の事情が許せば、2月22日から25日まで、米国ニューヨークを訪問いたしまして、ロシアによるウクライナ侵略から1年の節目に開催されます、国連総会の緊急特別会合及び安保理の閣僚級討論に参加いたします。
 国連総会では、ウクライナが提出した平和を求める決議案が採決に付される予定でございまして、日本も共同提案国に加わっております。私(林大臣)は、総会の場で決議案に賛成するよう、各国に呼びかける考えでございます。平和は、単に敵対行為が停止すれば良いというものではなくて、国連憲章に基づく平和でなければなりません。こうした点につき、各国と認識を共有したいと思います。
 安保理は、国際の平和と安全の維持に責任を負い、中でも常任理事国には、最も重い責任が伴います。その常任理事国であるロシアによるウクライナ侵略、これは決して許されるものではありません。私(林大臣)は、安保理において、非常任理事国の外務大臣として、このような日本の基本的立場を改めて明確にする考えであります。
 また、この機会に、広く各国と会談をし、ウクライナ情勢をはじめ、国際社会の諸課題について、意見交換を行うべく調整中であります。
 こうした、国連の場を活用した精力的な取組を通じまして、法の支配に基づく国際秩序を守り抜くとの国際世論の形成に努めたいと思います。
 私(林大臣)からは以上です。

旧朝鮮半島出身労働者問題

【東亜日報 李記者】18日、ドイツのミュンヘンで、大臣は、韓国の朴振(パク・チン)外交部長官と会談しました。徴用工問題を取り上げたとされる中で、朴長官は、現地のインタビューで、「岸田総理の判断と決断が必要だ」というふうに言及したと報道されました。これに関する日本政府の議論とか立場を聞きたいと思います。お願いします。

【林外務大臣】韓国側の発言に一つ一つコメントすることは、差し控えたいと思います。
 朴振長官との間では、日韓関係を健全な関係に戻すべく、問題の早期解決に向けて、両国間の協議を継続していくことで一致をいたしました。
 いずれにいたしましても、1965年の国交正常化以来続いてきた友好協力関係の基盤に基づいて、日韓関係を健全な形に戻し、更に発展させていくため、韓国政府と緊密に意思疎通していきたいと考えております。

G7広島サミットの準備状況

【中国新聞 樋口記者】広島サミットまで3か月を切りまして、いろいろ地元でも、準備が進んでいるんですけれども、外務省として、これから、どういうふうに機運を高めていかれるか、というところとか、いろいろ首脳とか、国内外のメディアが、多く訪れてくると思うので、受入れ体制をどのように整えていかれるか、そのあたりのお考えをお願いします。

【林外務大臣】このサミットの具体的日程については、種々検討を行っておるところでございます。
 若者の参加について、G7サミットに関する理解、これを深めるとともに、国際感覚やチャレンジ精神を身につけてもらうということを目的として、外務省職員が、G7サミットや、外務省の仕事・役割等について、地元中高生等に説明する「サミット塾」を実施しております。
 引き続き、様々な形で若者が、サミットに何らかの形で参画できるように、広島サミット県民会議ともよく連携しながら、いろいろな機会を提供していきたいと考えております。
 また、地元広島の産品等の活用については、様々な御提案・御要望をいただいております。そうした御提案も踏まえて、県内各地の産品等を積極的に活用し、各国に対して、我が国と広島の素晴らしさ、これを発信できるように、検討・準備を行っているところでございます。

日中外交当局間協議・日中安保対話

【毎日新聞 竹内記者】日中関係についてお伺いします。林外相は、先日の王毅(おう・き)政治局委員との会談で、日中安保対話や日中外交当局間協議などの開催で合意しました。米中両国は、偵察気球の問題をめぐって対立していますが、その中で、日本政府として、今回の安保対話などを開催する目的や狙いについて、教えてください。

【林外務大臣】日中関係は、尖閣諸島めぐる情勢を含む東シナ海、また、ロシアとの連携を含む、我が国周辺での軍事活動の活発化、過去に、我が国領空内で確認されていた、特定気球型の飛行物体等、多くの課題や懸案に直面しております。
 こうした課題や懸案については、主張すべきは主張していくとともに、課題や懸案があるからこそ、率直な対話を重ねていくということが重要になります。日中間でも、昨年11月の首脳会談を含めて、対話の必要性で一致してきております。
 こうした流れの中で、今般、2019年の2月以降開催されてこなかった日中外交当局間協議及び日中安保対話、これは改めて再開させることとなりました。
 今、お話のあった件も含めて、協議の具体的内容につきまして、事前に予断をもってお答えすることは差し控えたいと思いますが、我が国としては、課題や懸案について、我が国の立場に基づいて、しっかりと対応していきたいと考えております。

中国によるロシア支援への懸念

【ロイター通信 ムラカミ記者】
(以下は英語にて発言)
 先週、ブリンケン米国務長官は、中国がロシアに武器供与を検討しているとの懸念を表明し、ウクライナ戦争に及ぼす影響について警告しました。
 中国は、これらを否定していますが、中国がウクライナ戦争において、ロシアへこの支援を実施した場合、日本として何らかの措置を採るのかにつき、ご説明をお願いいたします。
 また、この問題は、本日予定されている孫衛東(そん・えいとう)中国外交部副部長とのハイレベル外交協議において、取り上げられる予定でしょうか。

【林外務大臣】ブリンケン米国務長官は、2月18日に、ミュンヘンで行われました王毅中国共産党中央外事弁公室主任との会談において、中国がロシアに対して、殺傷性のある支援の提供を検討していることに関する懸念、これを中国側に伝達した旨述べたと承知しております。
 私(林大臣)も、先般のミュンヘンにおける王毅主任との会談で、同主任とウクライナ情勢について意見交換を行いまして、責任ある対応を強く求めたところでございます。
 仮定の質問にお答えすることは差し控えたいと思いますが、先日のG7外相会合の議長声明でも、第三者に対しまして、ロシア軍等への支援を停止するように求めたところでございます。我が国としては、引き続き、関連情報の収集・分析を行うとともに、G7を始めとする関係国と緊密に連携しつつ、適切に対応してまいります。
 また、日中外交当局間協議及び日中安保対話の具体的な内容について、事前に予断をもってお答えすることは差し控えたいと思いますが、我が国としては、課題や懸案について、我が国の立場に基づき、しっかり対応していきたいと考えております。

北朝鮮による弾道ミサイル発射に関する国連安保理緊急会合

【NHK 岩澤記者】今朝、北朝鮮による弾道ミサイル発射を受けて開かれた、国連安保理の緊急会合の関連で伺います。会合では、中国やロシアが、米国が朝鮮半島周辺の緊張を高めていると主張して、安保理として一致した姿勢を示すことができませんでした。今回の会合の結果の受け止めと、安保理改革に向けた大臣の考えを改めて伺います。

【林外務大臣】18日の北朝鮮によるICBM級弾道ミサイル発射等を受けまして、日米韓等の要請により、日本時間21日早朝、国連安保理の公開会合が、開催をされました。
 この会合では、大多数の理事国が、今般我が国のEEZ内に着弾したICBM級弾道ミサイルを含め、北朝鮮による度重なる挑発活動を非難し、安保理決議違反を指摘するとともに、核・ミサイル開発への懸念を表明したところでございます。一方、中露は、従来同様、米韓軍事演習等を批判し、制裁緩和を求める等の独自の主張を行ったということであります。
 日本からは、石兼(いしかね)国連代表部大使が出席の上で、北朝鮮による度重なる挑発行為と安保理決議違反、これを強く非難するとともに、安保理が、国際の平和と安全に対する本来の責任を果たす重要性を強調いたしました。
 また、会合後には、日米韓を含めた有志国が、北朝鮮による弾道ミサイル発射を強く非難し、安保理の行動の必要性を強調する趣旨の内容の、プレス向けの共同発言を行ったところでございます。
 北朝鮮による核・ミサイル開発は、我が国及び国際社会の平和と安全を脅かすものであり、断じて容認できないわけであります。
 安保理が、一部の国々の消極的な姿勢によって、北朝鮮による深刻な挑発行動と、度重なる決議違反に対して行動できていない、ということは大変遺憾であります。
 政府として、米国を始めとする他の理事国と、緊密に意思疎通を行いつつ、安保理が、本来の役割を果たせるよう、引き続き、尽力していきたいと考えております。

グローバル・サウスへの関与の強化

【産経新聞 岡田記者】グローバル・サウスについて伺います。大臣、これまでグローバル・サウスの国々に対して、関与を強化する考えを示してこられたと思うんですけれども、この国々に対しては、中国、ロシアが影響力拡大を図ろうとしているところもあります。日本として、これまで、このグローバル・サウスに対して、どういう働きかけを行ってこられたか、どういう形で関与を強化されてきたか、最近の事例がありましたら教えてください。

【林外務大臣】日本は、戦後一貫して、平和国家としての道を歩む中で、アジア太平洋の一員として、多様性と包摂性を重視する、きめ細やかな外交を進めてきました。対話において、共通の課題を見いだし、相手国の立場を尊重しつつ、相手が真に必要とする支援を行う、地道な外交展開してきたところでございます。
 今年のG7議長国としまして、法の支配に基づく国際秩序を堅持していくというG7の意思を示していく。それと同時に、気候変動、エネルギー、食料、保健、開発、こういったグローバルな諸課題への、積極的な貢献を通じた、グローバル・サウスへの関与の強化を主導していきたいと考えております。

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