外務省・新着情報

令和5年2月22日
 山田賢司外務副大臣は、2月5日から11日にかけて、鉱物資源安全保障パートナーシップ(Mineral Security Partnership: MSP)副大臣級会合出席等のため、南アフリカ共和国及びアンゴラ共和国を訪問したところ、概要は以下のとおりです。

1 南アフリカ共和国への訪問

(1)鉱物資源安全保障パートナーシップ(MSP)副大臣級会合

会合で発言する山田外務副大臣

 山田副大臣は、2月7日、ケープタウンにおいて開催されたMSP副大臣級会合に参加しました。同会合には、アフリカの資源国も参加しました。 山田副大臣から、現在、重要鉱物資源のサプライチェーンが少数国により寡占されており、MSPの取組がこの現状打開に重要な役割を果たす旨強調しました。また、ESG基準の強化が資源産出国自身も裨益する旨述べました(MSPにおいてESGに関する原則)が発出)。

(2)各国要人との会談

ア セドリック・フローリック・南アフリカ国民議会議長代行(Mr. Cedric FROLICK, National Assembly House Chairperson)(6日)

フローリック・南アフリカ国民議会議長代行と握手する山田外務副大臣

 山田副大臣から、引き続き南アフリカとの協力を深化させたい旨述べたのに対し、フローリック議長から、南アフリカにとって日本は非常に重要なパートナーである旨応答しました。

イ アドルフ・ンドゥングル・タンザニア鉱物省次官(Mr. Adolf Ndunguru, Permanent Secretary, Ministry of Mineral)(6日)

ドゥングル・タンザニア鉱物省次官と写真撮影する山田外務副大臣

 山田副大臣から、重要鉱物資源のサプライチェーンの諸課題をMSPなどを通して打開したい旨強調したのに対して、ンドゥングル次官からMSPの活動を歓迎するとともに日本の協力に期待している旨の発言がありました。

ウ キャンディス・マシェゴ=ドラミニ・南アフリカ国際関係・協力省副大臣(Ms. Candith MASHEGO-DLAMINI, Deputy Minister of International Relations and Cooperation)(7日)

マシェゴ=ドラミニ副大臣と握手する山田外務副大臣

 山田副大臣から、ESGの水準を高めることは資源国やその住民も裨益するものである旨強調しました。これに対し、マシェゴ=ドラミニ副大臣から賛同する旨の発言がありました。

エ ヌスラット・ガーニー英産業・投資安全保障大臣(Ms. Nusrat Ul-Ghani, Minister of State (Minister for Industry and Investment Security)(7日)

ガーニー英産業・投資安全保障大臣と写真撮影する山田外務副大臣

 山田副大臣から、MSPに限らずあらゆる分野で日英協力が進んでおり、重要鉱物資源分野においても緊密に連携していく旨強調しました。これに対し、ガーニー大臣から、サプライチェーン強じん化に向けて引き続き連携していきたい旨の発言がありました。

オ ホセ・フェルナンデス米国務次官(Mr. Jose Fernandez, Under Secretary of State)(7日)

フェルナンデス米国務次官と写真撮影する山田外務副大臣

 山田副大臣から、サプライチェーン強じん化に向けて米国と緊密に連携しながら着実に進めていきたい旨述べました。これに対し、フェルナンデス次官から、重要鉱物資源を取り巻く諸課題に対する具体的な取組を加速していく必要がある旨の発言がありました。

カ ディアマンティーノ・アゼベド・アンゴラ鉱物資源・石油・ガス大臣(Mr. Diamantino Azevedo, Minister of Mineral Resources, Petrol and Gas)(7日)

アゼベド・アンゴラ鉱物資源・石油・ガス大臣と握手する山田外務副大臣

 山田副大臣から、アンゴラからのMSP会合への出席を歓迎したのに対し、アゼベド大臣から、ESG基準の強化を通して国内外からの投資を促進したい旨の発言がありました。

キ ニコラス・カザディ・コンゴ民主共和国財務大臣(Mr. Nicolas Kazadi, Ministère des Finances)(7日)

カザディ・コンゴ民主共和国財務大臣と写真撮影する山田外務副大臣

 山田副大臣から、高いESG基準を用いることが持続可能な発展及び投資の呼び込みにつながる旨言及したのに対し、カザディ財務大臣から、ESG基準を重視している旨述べるとともに、鉱業セクターに係る現状や課題につき説明がありました。 

2 アンゴラへの訪問

(1)政府要人との会談

ア セバスティアオ・マルティンス・アンゴラ国営石油会社(Mr. Sebastiao Martins, Managing Director, Sonangol)(9日)

マルティンス総裁と握手する山田外務副大臣

 山田副大臣から、ESG基準を高めることは地域に裨益することに繋がる旨述べたのに対し、マルティンス総裁から、高い技術水準を有する日本と連携していきたい旨の発言がありました。

イ ドミンゴス・ロペス・アンゴラ外務副大臣(Mr. Domingos Lopes, State Secretary of Foreign Affairs)(9日)

ロペス・アンゴラ外務副大臣と写真撮影する山田外務副大臣

 山田副大臣から、資源分野において引き続き支援を行っていきたい旨強調したのに対し、ロペス副大臣から、技術協力や人材・能力開発において日本の支援を期待する旨の発言がありました。

ウ ジョゼ・バローゾ・アンゴラ鉱物資源・石油・ガス副大臣(Mr. José Barroso, Minister of Mineral Resources, Petroleum and Gas)(9日)

バローゾ・アンゴラ鉱物資源・石油・ガス副大臣と握手する山田外務副大臣

 山田副大臣から、アンゴラは大きなポテンシャルを有しており、注目している旨述べたのに対し、バローゾ副大臣から、日本から人材・能力開発及び技術の支援に期待する旨の発言がありました。

(2)日本企業関係者との意見交換

日本企業関係者との懇談の様子

ア 9日山田副大臣は、アンゴラに駐在する日本企業関係者と懇談を行い、日本企業のニーズや経済交流を一層促進するための課題や、二国間経済関係の更なる発展のための方途等につき意見交換を行いました。

トヨタ・アカデミー訪問の様子

イ 10日、山田副大臣はトヨタ・アカデミーを訪問し、職業訓練や人材育成の重要性に関して、アカデミー関係者と意見交換をするとともに、実技研修所の視察を行いました。

[参考]鉱物資源安全保障パートナーシップ(MSP)

 MSPは、クリーンなエネルギー転換に不可欠な重要鉱物資源(ニッケル、コバルト、レアアース等)のサプライチェーンの強靭化を確保するため、米国の主導により2022年6月に立ち上がった。MSPには、G7に加えEU、豪、フィンランド、ノルウェー、スウェーデン、韓国、日本の13か国が参加し、「情報共有と協力」、「投資ネットワーク」、「ESG基準の引き上げ」、「リサイクルとリユース」という4つの柱の下で具体的な活動を行っている。

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