農林水産省・新着情報

プレスリリース

J-クレジットにおいて「水稲栽培による中干し期間の延長」が新たな方法論として承認されました!

令和5年3月1日
農林水産省

 農林水産省は、我が国全体のメタン排出量の約4割を占める水田からのメタン排出の削減を推進しています。
 本日、第29回J-クレジット制度運営委員会において、「水稲栽培による中干し期間の延長」がJ-クレジット制度における新たな方法論として承認されました。

1.水田におけるメタン発生について

 水田から発生するメタン(※1)は、土壌に含まれる有機物や、肥料として与えられた有機物から、嫌気性菌であるメタン生成菌の働きにより生成されます。水田からのメタンの発生を減らすには、落水期間を長くすることが重要で、水稲栽培において通常行われる中干し(※2)期間を7日間延長することにより、メタン発生量を3割削減できることが確認されています。
 水田からのメタン排出は、我が国全体のメタン排出量の約4割を占めており、その排出削減は、みどりの食料システム戦略や政府の地球温暖化対策計画(令和3年10月22日閣議決定)にも位置付けられています。

(※1)メタン:CO2の25倍の温室効果をもつ温室効果ガス。
(※2)中干し:水稲の栽培期間中、出穂前に一度水田の水を抜いて田面を乾かすことで、過剰な分げつ(根元付近からの枝分かれ)を防止し、成長を制御する作業。

2.J-クレジット「水稲栽培における中干し期間の延長」方法論について

 本日、第29回J-クレジット制度運営委員会において、「水稲栽培による中干し期間の延長」が、J-クレジット制度における農業分野で5つ目の方法論(※3)として承認されました。施行は4月中旬の予定です。
 中干し期間を、その水田における直近2か年以上の実施日数の平均より7日間以上延長し、所定の審査を受けると、削減量分の「クレジット」の認証を受けることができます。

(※3)方法論:クレジット認証の対象となる取組について、温室効果ガスの排出削減・吸収に資する技術ごとに、適用条件や排出削減・吸収量を算定する方法、モニタリング方法等を定めたもの。農業分野の方法論は、「牛・豚・ブロイラーへのアミノ酸バランス改善飼料の給餌」、「家畜排せつ物管理方法の変更」、「茶園土壌への硝化抑制剤入り化学肥料又は石灰窒素を含む複合肥料の施肥」、「バイオ炭の農地施用」がある。

3.J-クレジット制度の活用について

 J-クレジット制度は、温室効果ガスの排出削減量を「クレジット」として国が認証し、取引を可能とするものです。農林漁業者等による排出削減量が「見える化」されるとともに、農林漁業者等が、温室効果ガスの削減・吸収の取組により生じるクレジットから販売収入を得ることができるため、農林水産分野での活用が期待されます。

参考資料

農林水産分野のJ-クレジット制度

方法論「水稲栽培における中干し期間の延長」説明資料【第29回運営委員会資料】(PDF : 1,111KB)

方法論「水稲栽培における中干し期間の延長」本文【第29回運営委員会資料】(PDF : 275KB)

(参考動画)Jクレやってみた!(外部リンク)
Jクレやってみた!

お問合せ先

(J-クレジット制度に関すること)
大臣官房みどりの食料システム戦略グループ地球環境対策室
担当者:中島、高津
代表:03-3502-8111(内線3289)
ダイヤルイン:03-6744-2473

(方法論の内容に関すること)
農産局農産政策部農業環境対策課
担当者:奥村、野村
代表:03-3502-8111(内線4760)
ダイヤルイン:03-3593-6495

発信元サイトへ