外務省・新着情報

令和5年3月3日

 3月3日(現地時間同日)、フィジー共和国の首都スバにおいて、川上文博駐フィジー共和国日本国特命全権大使と、ダーン・デル・リオ国連開発計画在フィジーマルチカントリー事務所常駐代表代理(Ms. Dawn Del Rio, Resident Representative ad-interim of UNDP Fiji Multi-Country Office)との間で、供与額8.32億円の無償資金協力「第二次太平洋島嶼国議会能力向上支援計画(UNDP連携)」に関する書簡の交換が行われました。

  1. 太平洋島嶼国14か国は、国による差異はあるものの、議会及び議会事務局能力が十分でなく、我が国は、平成30年3月から令和4年9月までの4年6か月にわたり、過去のUNDPによる支援実績等から、議会事務局や各委員会の具体的な課題が特定されていた6か国(サモア、ソロモン、バヌアツ、フィジー、マーシャル及びミクロネシア)を対象として支援を実施してきました。
  2. 我が国の支援は、特に新型コロナウイルス感染症が拡大し、議会が多くの新たな課題に対応しなければならない中で、機材供与により、リモートによる議会への参加を可能にするとともに、危機的状況においても、議会の効率的な運営を可能にしたとして高く評価されました。このような背景から、今般、ソロモン、バヌアツ、フィジー及びミクロネシアから支援継続について要望があったほか、キリバス及びパラオから新たに支援の要請があったものです。
  3. 今回の協力では、議会事務局員や議員を対象とした研修や各国議会間の交流、関連機材の供与や、法案や予算案作成のための能力強化支援を行います。これにより、対象6か国の議員及び議会事務局員の能力向上が期待されるとともに、議会の行政監視能力や予算等の重要法案策定能力の強化を通じて、行政の効率化や法制度整備を促進することにより、対象6か国の約221万人の生活の向上及び安定が期待されます。
  4. 我が国は、2021年7月にテレビ会議方式により開催した第9回太平洋・島サミットにおいて、「人的交流・人材育成」を含む支援の重点分野を表明しており、今般の協力は同表明を具現化するものでもあります。
(参考1)第9回太平洋・島サミット

 2021年7月2日、テレビ会議方式により、菅総理大臣(当時)とナタノ・ツバル首相の共同議長の下、第9回太平洋・島サミット(The Ninth Pacific Islands Leaders Meeting: PALM9)が開催され、日本、島嶼14か国(ツバル、クック諸島、フィジー、キリバス、マーシャル、ミクロネシア、ナウル、ニウエ、パラオ、パプアニューギニア、サモア、ソロモン、トンガ、バヌアツ)、豪州、ニュージーランドに加え、ニューカレドニア及び仏領ポリネシアの2地域を含む19か国・地域の首脳等が参加した。
 我が国は、PALM9において、「太平洋のキズナ政策」の下、(1)新型コロナウイルスへの対応と回復、(2)法の支配に基づく持続可能な海洋、(3)気候変動・防災、(4)持続可能で強靱な経済発展の基盤強化、(5)人的交流・人材育成の5つを重点分野とし、今後3年間に、しっかりとした開発協力の継続と5,500人以上の人材交流・人材育成を実施することを表明した。 

(参考2)対象各国基礎データ

 キリバス共和国は、面積730平方キロメートル(対馬とほぼ同じ)、人口約12.8万人(2021年、世界銀行)、一人当たり国民総所得(GNI)2,750米ドル(2021年、世界銀行)。
 ソロモン諸島は、面積28,900平方キロメートル(岩手県の約2倍)、人口約70.7万人(2021年、世界銀行)、一人当たり国民総所得(GNI)2,320米ドル(2021年、世界銀行)。
 バヌアツ共和国は、面積12,190平方キロメートル(新潟県とほぼ同じ)、人口約31.9万人(2021年、世界銀行)、一人当たり国民総所得(GNI)3,240米ドル(2021年、世界銀行)。
 パラオ共和国は、面積488平方キロメートル(屋久島とほぼ同じ)、人口約1.8万人(2021年、世界銀行)、一人当たり国民総所得(GNI)12,790米ドル(2021年、世界銀行)。
 フィジー共和国は、面積18,270平方キロメートル(四国とほぼ同じ)、人口約92.4万人(2021年、世界銀行)、一人当たり国民総所得(GNI)4,500米ドル(2021年、世界銀行)。
 ミクロネシア連邦は、面積約700平方キロメートル(奄美大島とほぼ同じ)、人口約11.3万人(2021年、世界銀行)、一人当たり国民総所得(GNI)3,980米ドル(2021年、世界銀行)。


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