外務省・新着情報

令和5年3月3日
外相会合を前に、記念撮影に応じる日米豪印各国の外相

 現地時間3月3日午前8時10分(日本時間同日午前11時40分)から約1時間、 インド・ニューデリーで日米豪印外相会合が開催されたところ、概要は以下のとおり です。同会合には、同地を訪問中の林芳正外務大臣のほか、アントニー・ブリンケン 米国務長官(The Honorable Antony Blinken, Secretary of State of the United States of America)、ペニー・ウォン豪外務大臣(Senator the Hon Penny Wong, Minister for Foreign Affairs of the Commonwealth of Australia)、スブラマニ ヤム・ジャイシャンカル印外務大臣(H.E. Dr. Subrahmanyam Jaishankar, External Affairs Minister of India)が出席し、会合後、共同声明を発出しました。

  1. 林大臣から、日米豪印は、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の実現のため地域に貢献するべきである旨述べました。四大臣は、包摂的かつ強靱な、自由で開かれたインド太平洋への強固なコミットメントを改めて確認しました。同地域との協力に関し、林大臣から、ASEANを含む地域の取組を支え、彼らのニーズに的確に応えることのできる支援を着実に実施することが重要である旨述べ、四大臣は、南アジアを含む地域情勢について意見交換をした上で、ASEAN一体性・ 中心性、インド太平洋に関するASEAN・アウトルック(AOIP)への支持や、PIFの「2050 年戦略」に則した太平洋島嶼国への支援へのコミットメントを確認しました。また、四大臣は、日米豪印テロ対策作業部会の立ち上げを発表し、テロ対策、人道支援・災害救援(HADR)、海洋状況把握(MDA)分野における取組の進展を歓迎しました。
  2. 四大臣は、国連憲章への揺るぎない支持と、国連及び国際システムを毀損する試みに立ち向かうことを確認し、また、安保理常任・非常任理事国議席の拡大を含む国連改革を通じた多国間システム強化へのコミットメントを強調しました。
  3. 林大臣から、日米豪印の連携を通じて、いかなる場所でも力による一方的な現状変更を許さず、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を守り抜く決意を示していくことが一層重要である旨述べました。その上で、四大臣は、国連憲章を含 む国際法に従ったウクライナの包括的で公正かつ恒久的な平和の必要性とともに、ルールに基づく国際秩序は、主権、領土一体性、透明性、紛争の平和的解決を尊重すべき旨を強調し、また、核兵器の使用又はその威嚇は許されないとの認識で一致しました。
  4. 北朝鮮に関し、四大臣は、我が国 EEZ内に落下した2月18日の ICBM 級弾道ミサイルを含め、国連安保理決議に違反し、不安定化をもたらす北朝鮮の弾道ミサイルの発射を非難し、朝鮮半島の完全な非核化へのコミットメントを再確認しました。また、日本側から拉致問題の即時解決に向けた各国の理解と協力を求め、各国から支持を得ました。
  5. 東シナ海・南シナ海について、林大臣から、力を背景とした一方的な現状変更の試みへの深刻な懸念を表明し、四大臣は、東シナ・南シナ海を含め、ルールに基づく海洋秩序への挑戦に対する国際法の遵守の重要性を強調し、現状変更や緊張を高める一方的な試みに強く反対することを再確認しました。
  6. 四大臣は、日本議長下の G7、インド議長下の G20、米国議長下のAPECと整合的かつ補完的な形で、日米豪印の議論を進めるよう緊密に連携することを確認しました。

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