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令和5年3月7日
握手する両首脳 日・ルーマニア首脳会談(写真提供:内閣広報室)
首脳会談の様子 日・ルーマニア首脳会談(写真提供:内閣広報室)
共同記者発表で発言する岸田総理大臣 共同記者発表(写真提供:内閣広報室)

 3月7日、午後6時40分から約80分間、岸田文雄内閣総理大臣は、実務訪問賓客として訪日中のクラウス=ヴェルナー・ヨハニス・ルーマニア大統領(H.E. Mr. Klaus-Werner Iohannis, President of Romania)と首脳会談及び夕食会を行ったところ、概要は以下のとおりです。首脳会談終了後、両首脳は、両国関係を新たに「戦略的パートナーシップ」に格上げする「戦略的パートナーシップの構築に関する日・ルーマニア共同声明」を発出しました。

1 冒頭

  • (1)岸田総理大臣から、ロシアによるウクライナ侵略を受け、国際社会は一層の結束が求められている中、基本的価値を共有するルーマニアとの関係を「戦略的パートナーシップ」に格上げできることをうれしく思う旨言及しました。
  • (2)これに対して、ヨハニス大統領は、両国が戦略的なパートナーとして様々な分野において二国間関係を更に発展させ、国際社会において緊密に連携していきたい旨述べました。

2 二国間関係

  • (1)両首脳は、経済、科学技術・イノベーション、人的交流等の分野で両国間の協力を深化させていくことで一致しました。岸田総理大臣は、特に、日本企業が建設に参画するドナウ川のブライラ橋について、日・EU間の連結性プロジェクトの成功例である旨指摘しつつ、様々な分野で日本の投資が拡大していることを歓迎しました。
  • (2)また、岸田総理大臣から、EUによる日本産食品への輸入規制措置の早期撤廃に向け、改めてルーマニアの協力を求め、科学的知見に基づき協力していくことが確認されました。

3 国際情勢

  • (1)両首脳は、ロシアによるウクライナ侵略のような力による一方的な現状変更の試みは、世界のいかなる場所でも決して許されないとして、強く非難しました。また、岸田総理大臣から、唯一の戦争被爆国として、ロシアによる核の威嚇は断じて受け入れることはできず、ましてやその使用はあってはならない旨述べました。更に、本年、日本が議長を務めるG7について言及しつつ、国際社会が、引き続き結束・連携して対応していくことの重要性を改めて確認しました。
  • (2)また、両首脳は、こうした厳しさを増す安全保障環境を受け、両国間における安全保障分野での対話を強化していくとの方向性で一致しました。
  • (3)岸田総理大臣から、ルーマニアにいるウクライナ避難民支援のため、1300万ドル以上の支援を行っている旨説明し、ヨハニス大統領から謝意が表明されました。両首脳は、ウクライナやその隣国であるモルドバに対する支援において、引き続き連携していくことで一致しました。
  • (4)岸田総理大臣から、厳しい国際安全保障環境の下、我が国が新たな国家安全保障戦略を策定したことについて説明し、ヨハニス大統領から同戦略を力強く支持する旨表明されました。その上で、両首脳は、それぞれの近隣地域の安全保障環境について紹介しました。両首脳は、東シナ海及び南シナ海における力による一方的な現状変更の試みについて連携して対応していくことで一致しました。さらに、両首脳は、北朝鮮の核・ミサイル活動の活発化への深刻な懸念を共有し、拉致問題を含む北朝鮮への対応において、緊密に連携していくことを確認しました。
  • (5)また、両首脳は、経済的威圧を含む経済安全保障上の課題への対応、透明・公正な開発金融の重要性などについて意見交換を行い、引き続き連携していくことを確認しました。
  • (6)両首脳は、安保理改革を含む国連の機能強化が重要であるとの認識で一致しました。両首脳は、日本とルーマニアが、国連をはじめとする国際場裏での協力を一層強化することで一致しました。

4 その他

 両首脳は、「戦略的パートナーシップの構築に関する日・ルーマニア共同声明」に署名した後、「国際協力銀行JBIC、ルーマニア財務省、ルーマニア輸出入銀行の間の協力覚書」及び「大阪大学レーザー科学研究所、株式会社オカモトオプティクス、ルーマニア極限レーザー核物理研究所の間の協力覚書」の文書交換式に立ち会いました。

[参考]戦略的パートナーシップ構築に関する日・ルーマニア共同声明(骨子(PDF)別ウィンドウで開く和文仮訳(PDF)別ウィンドウで開く英文(PDF)別ウィンドウで開く

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