外務省・新着情報

令和5年3月9日

 3月9日(現地時間同日)、バヌアツ共和国の首都ポートビラにおいて、千葉広久駐バヌアツ共和国日本国特命全権大使と、ジョサム・ナパット・バヌアツ共和国外務・国際協力・貿易大臣(Hon. Jotham Napat, Minister of Foreign Affairs, International Cooperation and External Trade of the Republic of Vanuatu)との間で、以下3件の無償資金協力(合計13.64億円)に関する書簡の交換が行われました。

  1. 対象案件の概要はそれぞれ以下のとおりです。
  • (1)保健・医療関連機材の供与(「経済社会開発計画」)【無償資金協力:供与限度額2億円】
     バヌアツでは、新型コロナウイルスに対する水際対策として実施してきた国境閉鎖が、昨年7月に解除され、今後は、観光客等の海外からの渡航者の急増が想定されることから、感染の拡大に備え、保健・医療環境の整備・拡大が急務となっています。また、同国においては、保健・医療サービスへのアクセスが困難な地域への保健・医療体制の強化が喫緊の課題となっています。
     本計画では、日本企業製品を含む保健・医療関連機材(医療回診車、ワクチン保管用冷蔵庫等)を供与することにより、同国の保健・医療サービスの質及び保健・医療アクセスの改善が期待されます。
  • (2)「サント島における水力発電施設建設計画」(追加贈与)【無償資金協力:供与限度額45.43億円(当初の供与限度額39.51億円+追加贈与額5.92億円)】
     この計画は、サント島サラカタ川において、新規流込み式小水力発電施設等を建設することにより、増大する電力需要に対応するとともに、クリーンかつ安定的な電力供給を実現し、輸入化石燃料への依存軽減を図るものです。これにより、産業活動・市民生活レベルの向上及び気候変動対策(緩和)を通じた同国の経済インフラの脆弱性の克服に寄与することが期待されます。
     2022年2月に、本件に係る交換公文等の署名が行われましたが、その後、物価の高騰や為替レートの変動等が発生したため、今般、追加贈与を行うものです。
  • (3)「テオウマ橋災害復興計画」(追加贈与)【無償資金協力:供与限度額22.87億円(当初の供与限度額17.15億円+追加贈与額5.72億円)】
     本計画は、2015年にサイクロン被害に遭ったテオウマ橋の橋長延伸を含む架け替え、同橋付近のテオウマ川河川改修及びアプローチ道路改修を行うことにより、自然災害に強い道路交通の確保を図り、もって同国の自然災害対策の強化に寄与することが期待されます。
     2019年12月に本件に係る交換公文等の署名が行われましたが、その後、物価の高騰や為替レートの変動等が発生したため、今般、追加贈与を行うものです。
  1. 我が国は、2021年7月に、テレビ会議方式により開催した第9回太平洋・島サミットにおいて、「新型コロナウイルスへの対応と回復」、「気候変動・防災」、「持続可能で強靭な経済発展の基盤強化」を含む支援の重点分野を表明しており、上記3つの協力は同表明を具現化するものです。
(参考1)バヌアツ共和国基礎データ

 バヌアツ共和国は約1万2,190平方キロメートル(新潟県とほぼ同じ大きさ)、人口は約31.9万人(2021年、世界銀行)、一人当たり国民総所得(GNI)は3,240米ドル(2021年、世界銀行)。

(参考2)第9回太平洋・島サミット

 2021年7月2日、テレビ会議方式により、菅義偉総理大臣(当時)とナタノ・ツバル首相の共同議長の下、第9回太平洋・島サミット(The Ninth Pacific Islands Leaders Meeting: PALM9)が開催され、日本、島嶼14か国(ツバル、クック諸島、フィジー、キリバス、マーシャル、ミクロネシア、ナウル、ニウエ、パラオ、パプアニューギニア、サモア、ソロモン、トンガ、バヌアツ)、豪州、ニュージーランドに加え、ニューカレドニア及び仏領ポリネシアの2地域を含む19か国・地域の首脳等が参加した。バヌアツからは、ボブ・ロウマン首相(当時)が参加した。
 我が国は、PALM9において、「太平洋のキズナ政策」の下、(1)新型コロナウイルスへの対応と回復、(2)法の支配に基づく持続可能な海洋、(3)気候変動・防災、(4)持続可能で強靱な経済発展の基盤強化、(5)人的交流・人材育成の5つを重点分野とし、今後3年間に、しっかりとした開発協力の継続と5,500人以上の人材交流・人材育成を実施することを表明した。 


発信元サイトへ