外務省・新着情報

令和5年3月13日
握手する両首脳 日・アンゴラ首脳会談(写真提供:内閣広報室)
首脳会談の様子 日・アンゴラ首脳会談(写真提供:内閣広報室)
共同記者発表に臨む両首脳 共同記者発表(写真提供:内閣広報室)

 3月13日、午後6時10分から約50分間、岸田文雄内閣総理大臣は、実務訪問賓客として訪日中のジョアン・マヌエル・ゴンサルヴェス・ロウレンソ・アンゴラ共和国大統領(H.E. Mr. João Manuel Gonçalves LOURENÇO, President of the Republic of Angola)と首脳会談を行い、共同記者発表を実施した後、午後7時20分から約60分間、ワーキング・ディナーを行ったところ、概要は以下のとおりです。

1 冒頭

 岸田総理大臣から、日本は、法の支配に基づく国際秩序の維持・強化に向けて、地域の安定に貢献しているアンゴラとの連携を重視していると述べた上で、本年TICAD30周年を迎える中、民主的な選挙を経て再選されたロウレンソ大統領の協力を得て、TICAD8の成果を着実に実施していきたい旨述べました。 これに対し、ロウレンソ大統領から、今回の公式訪問にかかる日本側の歓迎に対する謝意が示され、TICADはアンゴラの発展に寄与する重要なプロセスであり、フォローアップを通じて日・アンゴラ関係を一層強化していきたい旨述べました。

2 二国間関係

(1)ビジネス関係の強化

 岸田総理大臣から、アンゴラはアフリカ屈指の産油量を誇るとともに、豊富な鉱物資源を有する経済的潜在力の高い国であり、日本としても、ロウレンソ大統領が推進する財政・金融改革、経済改革を支援するとともに、エネルギー・経済安全保障の観点から、日本企業によるアンゴラへの投資を後押ししていく旨述べました。これに対し、ロウレンソ大統領から、多くの分野に対する日本からの投資の促進への期待が示されました。
 両首脳は、アンゴラ南部の約700億円規模の港湾開発といった具体的な取組を通じ、協力を強化していくとともに、円借款候補案件「南部送電系統増強計画」を本年中に具体化すべく、必要な調整を加速化していくことを確認しました。また、首脳会談に先立って開催された日・アンゴラ・ビジネスフォーラム等を通じて、ビジネス分野の具体的な協力を確認するとともに、政府としてもこの動きを後押しするため、投資協定交渉の実質合意を歓迎しつつ、通信、宇宙といった分野で更なる取組を行うことを確認しました。

(2)開発協力の促進

 岸田総理大臣から、日本は「人への投資」を重視しており、農業、再生エネルギー、鉱物資源や保健等の幅広い分野において、アンゴラの未来を支える人材を育成していく旨述べました。また、地雷除去機のアタッチメント等の供与等により、アンゴラによる地雷ゼロの取組に貢献していく旨を伝達しました。これに対し、ロウレンソ大統領から、これまでの日本の支援に対して謝意が表明されるとともに、インフラ・金融等の分野での協力への期待が示されました。

3 国際場裡での協力

 岸田総理大臣から、ロシアによるウクライナ侵略は、国際秩序の根幹を揺るがす暴挙であると述べた上で、国際秩序の基本的な原則がないがしろにされれば、大国が小国を飲み込むような事態が起きることを改めて強調しました。これに対し、ロウレンソ大統領は、ロシアによるウクライナ侵略は許されないとした上で、食料やエネルギー価格の高騰が生じていることへの懸念の表明がありました。その上で、両首脳は、核の威嚇は受け入れられず、ましてや核兵器の使用はあってはならないとの考えで一致し、国際社会が結束して対応していくことの重要性について確認しました。
 また、両首脳は、透明で公正な開発金融の重要性を確認し、両国で協力していくことを確認しました。北朝鮮への対応を含む東アジア情勢、アフリカ地域情勢、安保理改革を含む国連の機能強化についても議論し、両国が緊密に協力していくことで一致しました。


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