外務省・新着情報

冒頭発言

(1)「核兵器のない世界」に向けた国際賢人会議第2回会合の日程の決定及びユース非核リーダー基金設立のための国連への資金拠出

【林外務大臣】冒頭4件ございます。
 まず、今般、「核兵器のない世界」に向けた国際賢人会議、これの第2回会合を、4月4日及び5日に東京で開催することを決定いたしました。
 今次会合には、現時点で、白石隆座長を含む日本人3名のほか、核兵器国と非核兵器国等からの外国人委員6名が対面参加し、5名の外国人委員がオンラインで参加する予定であります。
 そして、岸田総理が立上げを発表した「ユース非核リーダー基金」について、今般、国連側との調整が整ったことから、近く国連に対して、1,000万ドルを拠出いたします。
 同「基金」は、核兵器国と非核兵器国の双方から、未来のリーダーを日本に招いて、広島及び長崎にて被爆の実相に触れてもらい、我が国を含め、核廃絶に向けた若い世代のグローバルなネットワーク、これを作ることを目的とするものであります。同「基金」を通じた取組の効果、これを最大限発揮できるように、国連と、引き続き、緊密に連携してまいります。

(2)2022年版開発協力白書の公表

【林外務大臣】それから次に、本日の閣議におきまして、「2022年版開発協力白書」の公表について発言をいたしました。
 この白書は、昨年一年間の我が国の開発協力に関する動きを紹介するものであります。今回の白書では、冒頭第I部の「特集」として、ウクライナ情勢を受けた日本の取組について紹介し、ウクライナ及び周辺国に対する緊急・人道支援、またウクライナの安定と復興のための支援などについて記載しております。
 ODAは、外交における最も重要なツールでありまして、世界が歴史の転換期にある中で、その重要性は増しております。こうしたODAをより一層拡充して、戦略的・効果的に活用していく考えでございまして、開発協力大綱の改定に向けた議論が進む中で、この白書を通じて、開発協力に対する国民の皆様の一層の理解と支持を得つつ、SDGsの達成、また、FOIPの理念の実現、こうしたことに向けた取組、これを引き続き、積極的に推進してまいります。

(3)トルコ地震(NATOによる支援活動への自衛隊輸送機の派遣)

【林外務大臣】三つ目でございますが、本日14日、トルコ南東部を震源とする地震被害に対しまして、国際緊急援助法に基づいて、パキスタンに所在するテントを始めとするトルコ向けの緊急援助物資を輸送するため、自衛隊機をパキスタンに向け、派遣をいたしました。
 当該輸送は、今般、NATOの加盟国であるトルコ及びNATOから、NATOのパートナー国である我が国に対して、自衛隊機による輸送協力の要請があったことを受けまして、NATOと連携して実施する、初めての国際緊急援助活動となります。
 我が国としては、引き続き、NATOや国際機関等とも協力の上で、地震国としてのこれまでの経験や知見、これも活用しながら、必要な支援を行っていく考えでございます。

(4)AUKUS首脳共同声明

【林外務大臣】四件目でございますが、現地時間の13日に、米国にて、豪州、英国及び米国の首脳が、AUKUS首脳共同声明、これを発出し、豪州の通常兵器搭載型原子力潜水艦、この取得等に向けた計画を発表しました。また、声明では、今回の計画は、3か国としての核不拡散上のコミットメントに基づくものであり、引き続き、IAEAと関連の協議を行うこととされております。
 国際秩序の根幹が揺らぎ、地域の安全保障環境が一層厳しさを増す中、AUKUSの取組、これはインド太平洋地域の平和と安定に資するものであり、日本は、一貫して支持しております。本日の、日豪首脳電話会談でも、岸田総理からアルバニージー首相に、このことを伝達いたしました。
 「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、同盟国である米国、安全保障・防衛面での様々な協力が進む同志国であります豪州、英国との間で、引き続き、様々な形で連携を強化してまいります。
 私(林大臣)からは以上です。

北朝鮮によるミサイル発射

【共同通信 植田記者】北朝鮮のミサイル発射についてお伺いします。北朝鮮が、今朝、日本海側に短距離弾道ミサイル2発を発射しました。米韓両軍が13日開始した、大規模な合同軍事演習に対抗し、軍事力を誇示する狙いがあると見られますが、日本政府の受け止めをお伺いします。また、今週は、日韓首脳会談が予定されていますが、北朝鮮対応に向けた連携も、改めて確認する見通しなのかお伺いします。

【林外務大臣】北朝鮮によるミサイル発射に関する韓国軍当局の発表については承知しております。
 個々の具体的な情報の内容については、事柄の性質上、お答えを差し控えたいと思います。
 いずれにいたしましても、北朝鮮が前例のない頻度と態様で弾道ミサイル発射を繰り返していることは、我が国の安全保障にとって、重大かつ差し迫った脅威であるとともに、地域及び国際社会の平和と安全を脅かすものであり、断じて容認できないと考えております。
 今後とも、日米、日米韓で緊密に連携をいたしまして、国際社会とも協力しながら、関連する国連安保理決議の完全な履行を進め、北朝鮮の非核化を目指してまいります。
 また、尹(ユン)大統領の訪日についてでございますが、3月16日から17日まで、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領及び同令夫人が訪日予定でございますが、その際に行われる日韓首脳会談の内容について、現時点で私(林大臣)から予断をもってお答えをすることは、差し控えたいと思います。

北方四島への墓参

【北海道新聞 荒谷記者】北方領土墓参の再開についてお尋ねします。昨日の予算委で総理が「政府としては、引き続き、特に北方墓参に重点を置いて適切に対応する」と述べられていました。去年、墓参は見送られましたが、政府として、今、墓参の再開をロシア側に要請しているのでしょうか、また、再開に向けた具体的な対応はどんなことを検討しているか、お尋ねします。

【林外務大臣】北方墓参を始めとする四島交流等の事業の再開、これは、今後の日露関係の中でも最優先事項の一つでございます。
 ロシアによるウクライナ侵略を受けた日露関係の悪化や新型コロナの影響によりまして、この3年間実施できておりませんが、1日も早く再開できるような状況となることを強く期待しておりまして、北方墓参を始めとした事業について、相互の大使館等を通じて外交上のやり取りを行っているところでございます。

ブラジルの査免停止

【NHK 岩澤記者】ブラジルの入国措置について伺います。一部の報道で、今年10月以降に、観光目的などで日本からブラジルを訪れる場合、ブラジル政府は、新たにビザの取得を求めることを決めたとされていますが、日本政府が把握している措置の内容や、この措置への受け止めを伺います。また、今後ブラジル政府にどのように働きかけるかも併せてお願いします。

【林外務大臣】今般、ブラジル政府は、2019年以降導入していた、日本、米国、カナダ、及び豪州国籍者がブラジルに入国をするに当たっての短期滞在査証の取得を免除する措置について、相互主義の観点から、取りやめる旨発表したと承知しております。
 新型コロナの感染が収束しつつある中で、今後、日本からブラジルへの観光客の増加や、ビジネス面での利便性の向上など、両国間の交流の一層の発展に寄与することが期待されていたところでございまして、今般の発表に至ったことは、残念だと考えております。
 いずれにいたしましても、我が国としては、引き続き、日・ブラジル間の人的交流、また経済交流の促進に向けて、ブラジル政府と協議を、続けていきたいと考えております。

中国外交

【朝日新聞 上地記者】中国の仲介により、イランとサウジアラビアが、外交関係の正常化で合意しました。また、習近平国家主席がロシアを訪問し、プーチン大統領と会談、更にゼレンスキー大統領との会談も計画されているとの報道もあります。このような中国の働きかけや存在感の表し方、それによる国際政治の力学の変化など、大臣はどのように考えるか御見解を伺います。

【林外務大臣】ご指摘のありました中国と様々な国との関係については、我が国としても、動向を注視しているところでありますが、第三国間のやり取りや、またその関連行動の一つ一つについて、コメントすることは差し控えたいと思います。
 その上で、このイランとサウジアラビアが関係正常化に合意したことにつきましては、我が国として、中東地域の平和と安定化に向けた前向きな動きとして、歓迎をするところでございます。

日印関係(岸田総理大臣のインド訪問)

【毎日新聞 竹内記者】19日から予定する岸田首相のインド訪問についてお伺いします。今回の訪問は、3月初めの林外相のインド訪問から約2週間後という、極めて短い間隔での訪問と感じます。インドは、南半球を中心とした新興国や途上国を指す、グローバル・サウスを主導する動きを強めていますが、日本政府として、インドとの関係の重要性をどのようにお考えか教えてください。

【林外務大臣】国際社会が、大きな危機に立て続けに直面する中で、日本は、本年のG7議長国として、G20議長国であるインドとの協力、これを極めて重視しております。私(林大臣)自身も、インド訪問した際に、ジャイシャンカル外相と会談をいたしまして、G7議長国そしてG20議長国として緊密に連携していくことを確認したところでございます。
 また、日本は、G7議長国として、いわゆる「グローバル・サウス」と呼ばれる国々との関係の強化、これを重視しております。この観点からも、本年1月に「グローバル・サウス・サミット」を主催するなど、リーダーシップを発揮しているインドとの連携、これは一層重要だと考えております。今回の岸田総理の訪印において、そうした点も踏まえて、議論を深めていきたいと考えております。

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