外務省・新着情報

冒頭発言 領事手続のデジタル化

【林外務大臣】私(林大臣)から1件。
 3月27日から、パスポート・ビザ・各種証明のオンライン申請が始まり、これらの手数料をクレジットカードによって、オンラインでお支払いいただけるサービスも一部先行して開始いたします。
 これまでは、平日の昼間に窓口に来て、申請を行っていただく必要がありましたが、今後は、申請の内容に応じて、夜間、休日問わず、いつでもオンラインで申請を行っていただけることとなりまして、利便性が大きく向上するものというふうに考えております。
 今後、領事手続の更なるデジタル化に向けまして、順次、御利用いただける場面を拡大していきたいというふうに考えております。
 また、デジタル化のハブとして、4月1日に、領事デジタル化推進室を新設する予定になっております。
 以上、詳細については、事務方に照会いただければと思います。
 私(林大臣)からは以上です。

岸田総理大臣のウクライナ訪問(贈呈品)

【時事通信 田中記者】先日の、岸田総理大臣とゼレンスキー大統領の会談について、お尋ねします。岸田総理大臣が、会談の際に、ゼレンスキー大統領に、広島の必勝しゃもじを贈呈したというふうに政府が発表しましたが、その必勝しゃもじは、一般的には、現在、スポーツですとか、受験とか選挙のお守りとして使われていると思うんですが、これをロシアの侵略を受ける戦争当事国に、贈り物をするのは不適切だ、というような指摘があります。この必勝しゃもじを選定した経緯と、不適切だという指摘に対する政府の見解をお願いします。

【林外務大臣】今般、岸田総理は、ウクライナ訪問にあたりまして、ゼレンスキー大統領に贈呈品を持参したところでございます。
 内容は、広島の必勝しゃもじに加え、「平和を祈願する」意味合いを込めて、「宮島お砂焼」による、折り鶴をモチーフとしたランプというふうに承知しております。
 贈呈品選定の理由でございますが、ロシアによるウクライナ侵略に立ち向かうゼレンスキー大統領への激励と、平和を祈念する思い、これを伝達するためと承知しておりまして、不適切という指摘は当たらないというふうに考えております。

岸田総理大臣のウクライナ訪問と習近平・国家主席の訪露の対比

【毎日新聞 竹内記者】岸田首相のキーウ訪問に関連して伺います。岸田首相がキーウを訪問し、ゼレンスキー大統領と会談した同時期に、中国の習近平(しゅう・きんぺい)国家主席がモスクワを訪問し、中露首脳会談を行いました。欧米メディアでは、この二つの動きを並べて報じるなど、ロシアによるウクライナ侵略に対する日中両国の考えの違いが鮮明になったと思います。そのことをどのように受け止めていますでしょうか。また、中国から招請を受けている大臣訪中を含め、日中両国の外交への影響についてどのようにお考えか教えてください。

【林外務大臣】岸田総理のウクライナ訪問では、ロシアによるウクライナ侵略は、国際秩序の根幹を揺るがす暴挙であり、ウクライナはもちろん、世界のいかなる場所においても、力による一方的な現状変更、これを許してはならないということを、改めて世界に発信することができた、というふうに考えております。
 一方、習近平国家主席の訪露では、共同記者発表などの場において、中露首脳から、ロシアのウクライナ領土からの即時撤兵等についての言及はなかった、というふうに承知しております。
 ロシアは、ウクライナに対する攻撃、これを現在も続けているほか、プーチン大統領も、併合したウクライナの一部地域は交渉の対象ではない旨述べるなど、和平に向けて歩み寄ろうとする兆しが、一切見られないわけでございます。
 そもそも、国際法違反の侵略を行っているのはロシアでありまして、いかなる解決策もこの前提を踏まえなければならないと考えます。
 我が国として、ウクライナ情勢をめぐるものを含むロシアと中国の動向を、引き続き、注視しております。同時に、中国に対しては、様々な機会を通じて、引き続き、責任ある対応、これを強く求めてまいります。
 そして、この私(林大臣)の訪中についてでございますが、そもそも日中関係については、日中両国、様々な可能性と共に、数多くの課題や懸案に直面しております。同時に、国際社会の情勢の変化の中で、日中両国は、地域と世界の平和と繁栄に対して、大きな責任を有しておるわけでございます。
 中国との間では、昨年11月の日中首脳会談で得られた前向きなモメンタム、これを維持しながら、主張すべきは主張し、責任ある行動を強く求めつつ、諸懸案を含めて、首脳間を始めとする対話をしっかりと重ねて、共通の課題については協力を考えていく、「建設的かつ安定的な関係」を日中双方の努力で構築していくということが重要であると考えております。
 私(林大臣)の訪中について、秦剛(しん・ごう)部長及び王毅(おう・き)主任から、改めて招待があったところでございます。引き続き、様々な状況を踏まえつつ、具体的な時期を調整してまいります。

権寧世・韓国統一部長官の訪日

【共同通信 植田記者】日韓関係についてお伺いします。昨日、大臣は、韓国の権寧世(クォン・ヨンセ)統一相と会談されました。この統一相は、その後の松野官房長官との会談の中で、拉致問題なども含め、人権問題を扱う定期協議の窓口設置を提案されたとのことですが、日本政府として、どのように対応する考えかお伺いします。

【林外務大臣】権寧世・韓国統一部長官、昨日、私(林大臣)自身の他、松野官房長官とも面会したと承知しております。権(クォン)長官からは、北朝鮮情勢に関して、日韓の事務レベルで協議したいという意向が示されまして、引き続き、緊密に意思疎通していくことで、意見が一致したところでございます。
 いずれにせよ、我が国としては、拉致問題の即時解決に向けまして、引き続き、韓国を始めとする関係国と、緊密に意思疎通していく考えであります。

岸田総理大臣のウクライナ訪問(ロシア外務省報道官の見解)

【NHK 岩澤記者】少し話が戻るんですけど、岸田総理のウクライナ訪問に関連して伺います。ロシアの外務省の報道官は、今回、このロシアと中国の首脳会談から焦点をそらす狙いがあったのではないかと、総理のキーウ訪問について見解を示していますが、こうしたロシア側の主張に対する大臣のお考えをお願いします。

【林外務大臣】岸田総理のウクライナ訪問では、ロシアによるウクライナ侵略は、国際秩序の根幹を揺るがす暴挙であり、ウクライナもちろん、世界のいかなる場所においても、力による一方的な現状変更を許してはならないということを改めて世界に発信をすることができたと考えております。
 一方で、習近平・国家主席の訪露では、共同記者発表などの場において、中露首脳から、ロシアのウクライナ領土からの即時撤兵等についての言及はなかったと承知しております。
 我が国としては、ウクライナ情勢をめぐるものを含む、ロシアと中国の動向、これは引き続き注視しております。同時に、中国に対しては、様々な機会を通じて、引き続き、責任ある対応を強く求めていきたいと考えております。

岸田総理大臣のウクライナ訪問(中露首脳会談)

【朝日新聞 高橋記者】先ほどの毎日さんの質問とも関連しますけれども、今回、日・ウクライナ首脳会談と同じ日に、中露首脳会談行われまして、対立の構図、改めて鮮明になりましたが、大臣の訪中を含めて、日中関係の改善の動きに滞りが生じるかどうか、その見通しについて、大臣ご自身どのようにお考えでしょうか。

【林外務大臣】先ほども申し上げましたが、日中関係については、日中両国は様々な可能性と共に、数多くの課題や懸案に直面しております。同時に、国際社会の情勢の変化の中で、日中両国、これは地域と世界の平和と繁栄に対して大きな責任を有しておるわけでございます。
 まさに、先ほど申し上げました「建設的かつ安定的な関係」、これは日中双方の努力で構築していくことが重要であると考えております旨、先ほど申し上げましたが、それは全く変わっていないということでございます。

ホンジュラスと台湾の断交、中国との外交関係樹立の動き

【産経新聞 田中記者】台湾問題についてお伺いします。台湾と外交関係のある中米のホンジュラスが、中国との国交樹立を目指していまして、今、外務大臣が、北京に向かっていると報道されています。まず、日本政府の受け止めお伺いしたいのと、台湾は、ことほど左様に中国の外交的な圧力を受けて、外交空間が狭まりつつあります。日本政府として、今後の台湾を支援する考えがあるのかどうか、もしあるのであれば、どのような方策がありますでしょうか。

【林外務大臣】ホンジュラス情勢ということですが、日本としても、この両岸関係及び地域の平和と安定の観点から、今後の影響を含めて、大きな関心を持って注視しております。
 台湾は、日本にとって基本的価値を共有し、緊密な経済関係と人的往来、これを有する極めて重要なパートナーであります。大切な友人でもあるわけであります。
 平素から、こうした日本政府の立場に基づいて、関係国とも意見交換してきておりまして、ホンジュラス政府に対しても、累次にわたって、様々なレベルで、我が国の考え方を伝達してきております。
 今回の動きに至る背景については、政府としてコメントすることは差し控えたいと思います。
 まさに、日本政府として、こうした立場に基づいて関係国に対しても、様々なレベルで我が国の考え方を伝達してきたと申し上げたとおりですが、これまでも台湾のWHO総会のオブザーバー参加、これを一貫して支持するなどしてきておりまして、台湾の国際機関への参加について、それぞれの国際機関に、台湾が参加をするということの意義等に照らして、総合的に対応してまいりたいと考えております。

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