農林水産省・新着情報

野村農林水産大臣記者会見概要

日時 令和5年3月28日(火曜日)8時40分~8時52分 於: 参議院議員食堂
主な質疑事項
  • (大臣から)「物価高克服に向けた追加策」に関する予備費使用について
  • 生乳の需給緩和への対応について
  • 北太平洋漁業委員会(NPFC)第7回年次会合について
  • 輸入小麦価格高騰対策について
  • 米国農務長官とのオンライン会談について

冒頭発言

大臣

  本日の閣議におきまして、「物価高克服に向けた追加策」に関する予備費の使用が決定されました。農林水産省としては飼料や小麦の価格高騰への対策や農業水利施設の省エネルギー化の対策として、総額1,310億円を措置しております。予備費からの措置です。今後は、価格高騰による影響の緩和などの効果が速やかに発揮されるよう、事業の着実な実施に努めてまいります。本日の報告は以上です。

質疑応答

  • 生乳の需給緩和への対応について

記者

  生乳の需給状況について伺います。春休みシーズン真っ只中で少しするとゴールデンウィークと、生乳の需給緩和が心配されますが、現状の需給バランスはどうなっていますでしょうか。また農水省として取っている対策などありましたら教えてください。

大臣

  生乳の需給ですけれども、例年、生乳生産は春先になりますと乳牛が元気になりまして、生乳生産が増加する一方で、子供たちの春休みや5月の大型連休には学校給食が停止しますので、消費が落ち込み、需給が緩和する傾向にあります。本年については現在、生産抑制への取組の効果もあり、生産量は前年よりも減少しています。これは自主的な農家の皆さん方の取組等によって減少しているということですが、一方、牛乳・乳製品の値上げによる消費減退の影響もあるため、予断を許さない状況です。こうした状況を踏まえて我が省としては、「給食がない休日はおうちで牛乳を飲もう」という言葉を合言葉に官民が連携して、有名シェフによる「土日ミルク食堂」を展開するなど、牛乳でスマイルプロジェクト等による消費拡大の取組を引き続き進めるとともに、今般の畜産・酪農対策として実施することとした、訪日外国人観光客やこども食堂等への(牛乳・乳製品の)提供など、新たな消費拡大緊急対策の早期実施に努めてまいります。

  • 北太平洋漁業委員会(NPFC)第7回年次会合について

記者

  先週、北太平洋漁業委員会(NPFC)の方でサンマの新しい資源管理措置が採択されましたけれども、大臣の受け止めを教えてください。

大臣

  サンマにつきましては非常に資源が枯渇しつつありまして、先日24日に北太平洋漁業委員会(NPFC)年次会合において(公海の)漁獲枠が決まりました。従来より25%削減することで合意しましたが、資源管理の強化等が議論されました。それで(NPFC条約水域である)公海の漁獲枠(TAC)を従来の19万8,000トンから25%削減の15万トンとすることに合意しました。この措置は2023年と2024年の2年間の適用となります。また小型魚の保護のための措置や、操業期間あるいは操業隻数を制限する措置なども合意されました。なお、日本及びロシア両国は、排他的経済水域での総漁獲量を10万トン以下に抑えることでNPFCの措置に協力することとなりました。今回のこの合意は従来の措置を強化するものであり、一定の前進と考えています。サンマの資源悪化が強く懸念されているところですが、今後とも資源動向を注視しつつ、公海での適切な資源管理がより強化されるよう取り組んでまいりたいと思います。サンマの漁獲量は年々減っていまして、漁獲枠があっても日本(の漁船)では獲れないで、なかなかサンマが水揚げされないという問題も抱えていまして、その中で何とか今年はこういう形で世界的に(漁獲枠を)抑え、資源管理を強化しようということで、日本の提案が通ったということになろうと思っています。

  • 輸入小麦価格高騰対策について

記者

  物価対策で、輸入小麦の急激な高騰分の補填にも311億円が出されていると思いますが、目的としては国産小麦の振興に支障がないようにという説明はあったのですけれども、大臣の期待についてお伺いできればと思います。

大臣

  輸入小麦の価格高騰対策ですけれども、内部でも議論したのが、(令和5年4月期の政府売渡価格は、前回の緊急措置に従って)当たり前(に1年間の買付価格)で算定すると(対前期比)13.1%増。そしてこれを(今期の激変緩和措置で)5.8%まで抑制したのですが、(これについては国会の)委員会でもいろいろ意見が出たのです。(上昇幅を)抑制しないまま、マークアップの分を国産小麦(の生産振興対策)に回した方がいいのではないか。あるいは(政府売渡価格を)下げてしまうと、(製粉企業等から)マークアップが取れないので、国産小麦への振興対策が難しくなるのではないかといった(政府売渡価格を)上げて良し(という意見と)、上げないで良しという両方の意見があったのですが、我々は(その)ちょうど真ん中をとった形だったのです。(輸入小麦を)高く買って安く売るわけですが、差額が出る分については、予備費から充当しますので、(売買収入を財源とする)国産小麦の生産(振興)については、全く支障は来さないと思います。

  • 米国農務長官とのオンライン会談について

記者

  昨晩のアメリカのビルサック農務長官との会談についてお伺いします。G7農相会合などについて議論があったようですけれども、会談の受け止めについて教えていただきたいのと、特にアメリカ向けの牛肉の低関税での輸出について、何か働きかけをしたかどうかもお願いします。

大臣

  ビルサック農務長官と昨日(日本時間の)夜8時に会談をしました。G7宮崎農業大臣会合へのビルサック長官の出席を歓迎したいというのが一つ、もう一つは、長官によるセミナー(での講演)を(開催)しようと思っていまして、今アメリカで取り組んでいるような内容を、G7の各国にもお知らせいただきたいということと、今回のG7のテーマを了解いただいたのですが、食料安全保障とそれに関する持続的な農業の進め方、こういったことをテーマにしながら、今度のG7農業大臣会合をやりたいと申し上げましたら、いいテーマだということで同意をしていただいたということです。
  (米国の複数国向け)牛肉低関税枠については(私から)働きかけました。詳細については、相手のある話でもありますので、コメントは控えさせていただきたいと思います。今までも事務方からいろいろな働きかけをしてきましたが、私の方からも直に長官にお願いをしました。

報道官

  よろしいでしょうか。それでは、これで大臣会見を終わります。

以上

 

発信元サイトへ