外務省・新着情報

冒頭発言

(1)林外務大臣の中国訪問

【林外務大臣】私(林大臣)から2件ございます。
 まず、1件目ですが、明4月1日から2日にかけまして、中国・北京を訪問いたします。
 昨年11月の日中首脳会談におきまして、両首脳は「建設的かつ安定的な日中関係」、この構築という方向性で改めて一致をいたしました。
 現在、日中関係は、様々な可能性と共に、数多くの課題や懸案に直面しております。そうした中、中国との間では、主張すべきは主張し、責任ある行動を求めつつ、諸懸案も含め、対話をしっかりと重ね、共通の課題については協力する、「建設的かつ安定的な関係」、これを構築していくことの重要性は増しております。
 今次訪問においては、秦剛(しん・ごう)国務委員兼外交部長等との間で会談を行い、「建設的かつ安定的な関係」の構築に向けて、率直かつ突っ込んだ意見交換を行います。

(2)林外務大臣のNATO外相会合等出席

【林外務大臣】それからもう1件ですが、4月3日から6日まで、NATO外相会合等に出席するため、ベルギーのブリュッセルを訪問いたします。
 昨年4月に引き続きまして、NATO外相会合に他のパートナー国・機関と共に出席いたします。今回の会合では、国際社会が歴史の岐路に立つ中で、ロシアのウクライナ侵略を始めとする喫緊の課題について、重要な役割を果たすNATOとの間での連携、これを確認するとともに、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の実現を含む、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序、これの維持・強化に向けた日・NATO間の連携強化を確認する予定でございます。
 また、我が国は、本年のG7議長国として、オンライン形式にて「G7貿易大臣会合」の第1回会合を主催いたしまして、これにブリュッセルから出席をする予定です。共同議長を務める西村経済産業大臣と共に、自由で公正な貿易体制の維持・強化、これへのコミットメントを確認するとともに、経済安全保障への取組につき、G7各国等との間で、議論をする予定であります。
 さらに、この機会に、ヴァルディス・ドムブロウスキス欧州委員会上級副委員長との間で、日EU経済連携協定に基づき設置されました合同委員会の第4回会合、これをブリュッセルで開催する予定です。今回の会合では、日EU・EPAの適正かつ効果的な運用、これを確保するための議論を行います。また、同上級副委員長とは、国際経済における諸課題についても、意見交換を行う予定にしております。
 加えて、この機会を捉えて、関係国・機関の外相と個別に会談を行いまして、連携強化を図る考えでございます。
 私(林大臣)からは以上です。

林外務大臣の中国訪問

【NHK 森田記者】冒頭の中国訪問に関連してお伺いします。今回の訪問、およそ3年3か月ぶりとなりますが、この後、軽井沢の外相会合ですとか、G7広島サミットを前にしたタイミングでの訪問となりますが、今のタイミングで訪問される意義について、改めてお伺いさせてください。また、両国間の懸案として、最近では、邦人の拘束事案ですとか、中露首脳会談の中で、ALPS処理水が深刻な懸念とされるなどありましたけれども、こうした問題については、どのように日本の立場を説明するお考えでしょうか。

【林外務大臣】今回の訪中でございますが、昨年11月の日中首脳会談において、両首脳は、「建設的かつ安定的な日中関係」の構築という方向性で、改めて一致をしたところでありまして、これを受けて、諸懸案を含めて、あらゆるレベルでしっかりと対話を重ねるという取組、この一環として訪中を行うものでございます。
 その上で、G7長野県軽井沢外相会合及びG7広島サミットにおいて、中国を含むインド太平洋地域の様々な課題について議論する考えでございまして、今回の私(林大臣)の訪中も踏まえて、議長国として、G7における議論、これを主導していきたいと考えております。
 また、今、お話のありました邦人拘束、ALPS処理水につきましては、これまでも中国側に対して、日本側の厳正な立場、これを申し入れてきておるところでございます。今回の訪中に当たっても、こうした問題を含めて、一連の課題について、我が国の立場をしっかりと説明していくことになると考えております。

【読売新聞 阿部記者】関連で中国との関係についてなんですけれども、大臣、これまでも、主張すべきは主張すると言う一方で、協力できる分野は協力するというお考えも示されていたと思いますけれども、具体的に、今後、中国とどういった分野での協力をしていくお考えでしょうか。

【林外務大臣】昨年11月の日中首脳会談におきまして、両首脳の間で、経済、それから国民交流といった具体的分野で、互恵的協力が可能であることで一致しております。今回の訪中においても、こうした点を踏まえて、率直な議論、これを行っていきたいと考えております。

【毎日新聞 竹内記者】関連してお伺いします。大臣訪中に関連してですが、そのテーマについてなんですけれども、対中国の水際対策や、中国国内での人権問題、また台湾をめぐる問題、また安全保障面で沖縄県尖閣諸島周辺での中国の軍事活動の活発化や、防衛当局間での海空連絡メカニズムなど、その件については、お話しされる予定があるか教えてください。

【林外務大臣】会談の内容につきまして、現時点で予断をもってお答えするということは差し控えたいと思います。

日韓関係(関係改善に向けた動き)

【韓国朝鮮日報 ソン記者】日韓関係について伺いたいと思います。3月16日の日韓首脳会談以来、韓国のG7アウトリーチ国家招待など、関係改善に向けた動きが加速化していると思っております。また、メディアの報道では、日韓安保対話再開の動き、日米韓の対潜水艦訓練など、両国間の安保協力の動きも伝えられております。こうした関係改善の機運を、両国間で、具体的にどのように実現していくかということが最大の課題だとは思うんですけれども、大臣が、今年、重点的に取り組んでいきたい具体的なプランについて、今後の展望も含めて伺いたいと思います。よろしくお願いします。

【林外務大臣】先般、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が訪日をされまして、岸田総理との間で、日韓関係正常化にとって大きな一歩となる前向きな会談が行われたところでございます。私(林大臣)も会談に同席をいたしましたが、日韓が極めて重要な隣国同士であり、国際社会の様々な問題や課題に、パートナーとして共に協力していくポテンシャルが高い、ということを改めて実感する機会となりました。
 今回、両首脳は、「シャトル外交」の再開で一致するとともに、政治・経済・文化など多岐にわたる分野で、政府間の意思疎通を活性化していくことで一致をいたしました。その一環として、安保対話や次官戦略対話の再開などを進めていくことにしておりまして、こうした対話の早期実施に向け、調整を加速化したいと考えております。
 また、私(林大臣)としては、様々な政策分野における各省庁による日韓対話、これを積極的に後押ししていく考えでございます。こうした取組によりまして、具体的な協力に向けた環境、これを醸成して、日韓関係の前向きな機運を確かなものにしていきたいと考えております。
 引き続き、様々な分野で、一つ一つ具体的な結果を出すべく、朴振(パク・チン)外交部長官との間での緊密なやり取り等も通じまして、外交を預かる立場から、最善を尽くしてまいりたいと考えております。

トランプ米国前大統領の起訴

【共同通信 植田記者】米国のトランプ前大統領の起訴についてお伺いします。米国・ニューヨーク州の大陪審は、不倫相手に口止め料を支払って、もみ消しを図った疑惑をめぐりまして、トランプ前大統領を起訴しました。米国の大統領経験者が、起訴されるのは初めてとなりますが、日本政府しての受け止めをお伺いします。

【林外務大臣】御指摘の報道につきましては承知しておりますが、他国の内政に関わる事項でございますので、コメントすることは差し控えたいと思います。

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