外務省・新着情報

令和5年4月5日

 4月4日及び5日、「核兵器のない世界」に向けた国際賢人会議第2回会合が東京において開催されました。会合には、白石隆座長(熊本県立大学理事長)を含む日本人委員3名の他、核兵器国、非核兵器国等からの外国人委員6名の合計9名の委員が対面参加し、5名の外国人委員がオンラインで参加しました。

  1. 4日に行われた最初のセッションでは、林芳正外務大臣が冒頭にビデオ・メッセージを寄せる形で参加しました。同ビデオ・メッセージにおいて、林大臣は、核軍縮をめぐる状況が一層厳しさを増す中、「核兵器のない世界」に向けた歩みを止めてはならず、現実的かつ実践的な取組を着実に進める必要がある旨述べるとともに、今次会合においても、自由で忌憚のない議論を期待する旨述べました。
  2. 今次会合では、本年7月末から開催されるNPT運用検討会議第1回準備委員会により始まる次期NPT運用検討プロセスに対する積極的な貢献も念頭に、現下の非常に厳しい安全保障環境を踏まえたNPT体制の維持・強化の重要性や、新STARTを巡る状況等について、率直かつ突っ込んだ議論が行われました。
  3. こうした中で、第1回準備委員会へのインプットを念頭に今次会合の議論の内容を具体的なメッセージの形で取りまとめることは意義があるとの点で委員の間で見解が一致しました。その上で、委員間で非常に活発な議論が行われた結果、メッセージの基本的な柱を(1)規範の維持・強化、(2)具体的な核軍縮・軍備管理・信頼醸成措置、(3)NPT運用検討プロセス強化のための措置とし、具体的文言等については議論を継続することとなりました。
  4. また、今次会合に対面で参加した委員は、4日に岸田文雄内閣総理大臣を表敬するとともに、同日夜には武井俊輔外務副大臣主催の夕食会に出席しました。さらに、同4日には、対面で参加した委員と軍縮関連の国会議員連盟との意見交換も行われました。
(参考1)別添PDF

(参考2)「核兵器のない世界」に向けた国際賢人会議

  • (1)経緯及び目的
     2022年1月、岸田総理大臣が施政方針演説で、核兵器国と非核兵器国、さらには、核兵器禁止条約の参加国と非参加国からの参加者が、それぞれの国の立場を超えて、知恵を出し合い、「核兵器のない世界」の実現に向けた具体的な道筋について、自由闊達な議論を行う場として表明。2022年12月10日及び11日には広島で1回会合が開催され、11日午後の閉会セッションに岸田内閣総理大臣が出席した。
  • (2)「核兵器のない世界」に向けた国際賢人会議委員(15名)
  • (対面参加)
  • 白石 隆(座長) 熊本県立大学理事長
  • アンゲラ・ケイン 元国連事務次長兼国連軍縮担当上級代表
  • 高見澤 將林 東京大学公共政策大学院客員教授
  • イアン・アンソニー ストックホルム国際平和研究所(SIPRI) ヨーロッパ安全保障プログラムディレクター
  • ブルーノ・テルトレ 仏戦略研究所副所長
  • マンプリート・セティ 印空軍力研究センター(CAPS)フェロー
  • 秋山 信将 一橋大学国際・公共政策大学院院長
  • アントン・フロプコフ 露エネルギー・安全保障研究センター(CENESS)センター長
  • 趙 通(ジャオ・トン) 米カーネギー国際平和財団シニアフェロー/ プリンストン大学客員研究員
  • (オンライン参加)
  • ローズ・ゴッテメラー 元米国務次官(軍備管理・国際安全保障担当)
  • ジョージ・パーコビッチ 米カーネギー国際平和財団副会長
  • グスタヴォ・スラウビネン 第10回NPT運用検討会議議長
  • ディナ・カワール 駐米ヨルダン大使
  • ターニャ・オグルビー・ホワイト 核軍縮・不拡散アジア太平洋リーダーシップ・ネットワーク(APLN)リサーチディレクター
  • (欠席)
  • マルティ・ナタレガワ 元インドネシア外務大臣

発信元サイトへ