経産省・新着情報

2023年4月14日

経済産業省では、地域企業・産業のDXの実現に向けて、ビジネスの現場における課題解決の実践を通じた能力を磨くため、デジタル推進人材育成プログラム「マナビDX Quest」において活用した、データ付きケーススタディ教材について、教育機関・企業等に対する提供を開始します。

1.デジタル推進人材育成プログラム「マナビDX Quest」について

経済産業省では、地域企業・産業のDXの実現に向け、ビジネスの現場における課題解決の実践を通じた能力を磨くため、学生・社会人を対象にデジタル推進人材育成プログラム「マナビDX Quest」を実施しました。

マナビDX Questで使用するデータ付きケーススタディ教材として、AIの実装を通じたDXプロジェクトの疑似体験を通じてAIモデルの構築・検証と、組織への展開方法を学べる教材(教材①)及びデータ駆動型の変革推進の疑似体験を通じてデータ分析による課題特定方法と、技術検証・組織への展開方法を学べる教材(教材②)を作成しました。

また、これらの教材を課題として提示し、講師を置かず、コミュニティ内で参加者同士が学び合う形でケーススタディ教育プログラムを実施し、2022年度は2,134名がオンラインで参加しました。

2.データ付きケーススタディ教材の提供について

データ付きケーススタディ教材は、実践的なスキルを持つ人材を育成するため、実際の企業のAI実装を疑似体験学習できる内容や、データ駆動型の変革推進の疑似体験を行うため課題・目的の設定・絞込みから解決の仕方までを学べる教材としています。

データ付きケーススタディ教材で学んだプログラム参加者からは、
「DXの技術を学ぶ講座をいくつか受講しましたが、ほとんどの講座はモデル作成のみでした。受注から納品までの流れで学べる本講座は、初心者には大変ありがたかったです。」
「PBLでは実際の企業の例をシナリオとしているためリアリティがあった。そのため、提供されたデータ以外にも一般的なデータや該当企業の業務について調べてみるといった事ができ、より深くデータ分析やDX実現に向けたスキルを学ぶことができた。」
「ビジネス課題の抽出からスコープマネジメント、データ分析、解決策の提案まで一気通貫で学ぶことができ、実務でも生かすことができました。また、転職活動でも評価していただき、自分の市場価値を高めることができたと感じています。」

といった声がありました。

2022年度のマナビDX Questでは、以下のような企業における実際の課題をもとにしたデータ付きケーススタディ教材を9種類作成しました。
なお、昨年度の教材提供では、18の教育機関、民間企業等で約380名が教材を利用されました。

主な教材活用先

芝浦工業大学

さいたま市内のものづくり企業および同大学システム理工学部の学生を対象としたワークショップを開催し、10名が参加。データ分析コンペを含む教材の全プロセスを1グループ5名の2グループに分かれて利用

広島大学(AI・データイノベーション教育研究センター)

本教材を活用し、企業向けオンライン講座を2コース(データサイエンス、深層学習)、計80名の定員で実施

データ付きケーススタディ教材の概要

教材①:AI導入プロジェクトを一気通貫で疑似体験

テーマ1:製造業における工数予測
印刷業者で、生産部門担当者が生産計画作成のために手作業で行っている工数予測を、AIで代替するための検討を実施
テーマ2:小売業における需要予測・在庫最適化
ゲーム機・ソフト等販売業者で、調達部門が経験ベースで行っている需要予測を、AIで代替するための検討を実施
テーマ3:製造業における加工内容の図面解析による自動見積
樹脂加工業者で、営業担当者が行っている見積り作成業務を、AIで代替するための検討を実施
テーマ4:製造業における不良個所自動検出(※不良品入手可能な場合)
電子基板製造業者で、製造部門の出荷検査担当が目視で行っている外観検査による不良判定をAIで代替するための検討を実施
テーマ5:製造業における不良個所自動検出(※不良品入手困難な場合)
木材製造業者で、製造部門の加工後の検査担当者が行う目視での外観検査の不良判定を、AIで代替するための検討を実施

教材②:データドリブンなDX推進を一気通貫で疑似体験

テーマ1:サービス業における収益改善
文化資産(日本庭園等)の展示を中心に店舗運営事業を行う企業における、来客数減少等の課題について検討を実施
テーマ2:製造業における業務最適化
家電用のプラスチック部品等の製造・販売業者における、運搬用トラックの契約に無駄が生じている等の課題について検討を実施
テーマ3:製造業における欠品率軽減に向けた業務改善
ねじ・ファスナー製造業者における、欠品や納期遅延の発生回数が増加傾向にある等の課題について検討を実施
テーマ4:製造業における業務最適化
建築用ハンドツール製品の企画開発・製造販売業者における、受発注プロセスが非効率である、海外ニーズを把握できていない等の課題について検討を実施

教材と補助教材、必要に応じて初学者ガイドを用いることにより、以下の項目について、企業情報・データを基に、主要課題の特定・デジタル技術を用いた解決策を検証し、DX推進施策の展開や組織変革の検討アプローチを体験できる構成となっています。

  • 現状把握・問題整理
    ビジネスを理解し、企業の”真の課題” を確認・特定できる能力を身に付ける
  • 取り組む問題の特定・打ち手の検討
    手元データを使った主要な問題の特定プロセス、および「ビジネス課題をデジタルで解決する」ことの具体的な設計方法を学ぶ
  • データ/デジタル技術の利活用による実現性検証
    「ビジネス課題をデジタルで解決する」ことの具体的な活用イメージを獲得する
  • 意思決定者へのプレゼン
    企業・組織を真に変革していくために重要な勘所を知り、関連部門の巻き込み方を含めて具体的に設計する
    経営者を説得するために有効な、定量的な根拠を用いたプレゼン作成方法を学ぶ
  • 全社的なDX推進に向けた理解醸成
    DXプロジェクト実行における課題への対応力を身に着ける

教育機関・企業等において、データ付きケーススタディ教材を活用したデジタル推進人材育成に御関心をお持ちの方は、下記担当までお問い合わせください。

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担当

商務情報政策局 情報技術利用促進課長 内田
担当者:金杉、上出

電話:03-3501-1511(内線3971~3976)
03-3501-2646(直通)

メール:bzl-digital★meti.go.jp
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