外務省・新着情報

冒頭発言

G7長野県軽井沢外相会合

【林外務大臣】私(林大臣)から1件ございます。
 4月16日から18日まで、G7長野県軽井沢外相会合を開催いたします。
 ロシアによるウクライナ侵略が、国際秩序の根幹を揺るがす中、国際社会は歴史的な転換期を迎えています。
 本会合においては、議長国として議論を牽引し、力による一方的な現状変更の試みや、ロシアが行っているような核兵器による威嚇、ましてやその使用を断固として拒否をし、法の支配に基づく国際秩序を守り抜くというG7の強い意志を、力強く世界に示したいと考えております。
 その上で、ウクライナ情勢に関する連携のみならず、アジアで開催するG7外相会合であることを踏まえて、自由で開かれたインド太平洋に関するG7の連携についても、議長国として、しっかり議論をリードしていきたいと考えております。
 私(林大臣)からは以上です。

北朝鮮による弾道ミサイル発射

【NHK 岩澤記者】冒頭のG7外相会合の関連で伺います。北朝鮮は、昨日、ICBM級の可能性があるミサイルを発射し、従来の液体燃料式より迅速に発射できる、固体燃料式のICBM火星18型の初めての発射実験を行ったと、今日発表しました。大臣が議長を務めるG7会合の直前に、こうした発射が行われたことへの受け止めをお願いします。また、G7会合では、北朝鮮の核・ミサイル開発をめぐって、どのように議論を主導して、成果文書をまとめたいお考えでしょうか。

【林外務大臣】昨13日のICBM級弾道ミサイルの可能性がある弾道ミサイル発射に関する北朝鮮側の発表を承知しておりますが、その一つ一つにコメントすることは差し控えたいと思います。
 北朝鮮が、前例のない頻度と態様で、弾道ミサイル発射を繰り返していること、これは、我が国の安全保障にとって、重大かつ差し迫った驚異であるとともに、地域及び国際社会の平和と安全を脅かすものであり、断じて容認できないと考えております。
 我が国としては、安保理理事国、そして本年のG7議長国として、国際社会とも協力をしながら、関連する国連安保理決議の完全な履行を進め、北朝鮮の非核化を目指してまいります。
 G7外相会合に関しまして、成果文書について、現時点で予断を持ってお答えすることは差し控えたいと思いますが、私(林大臣)自身、議長として議論を主導し、G7の連携、これを確認していきたいと考えております。

G7外相会合の開催地に軽井沢を選んだ理由

【読売新聞 阿部記者】G7外相会合についてお尋ねします。前回、日本が議長国だった2016年と比べると、サイドイベント的なものが、かなり今回は少ないのかなというふうに思うんですけれども、そのように構成した狙いと、改めてになりますけれども、会場を軽井沢とした理由についてお聞かせください。

【林外務大臣】今回のG7外相会合、これは広島のG7広島サミットに向けたG7外相の連携を確認する重要な機会となります。外相間の個人的な信頼関係はもちろんでございますが、G7の「チーム」としての信頼関係も一層深める機会にしたいと考えております。
 昨年5月に、ドイツのヴァイセンハウスという自然豊かな保養地でG7外相会合が開催されたわけでございますが、このような環境の中で、G7外相だけで、率直に議論して、外相同士の絆が強まり、雰囲気が大変良かったと、こういう経験をいたしました。こうしたことも念頭にあって、それが軽井沢という場所を選ぶ一つの理由になったわけでございますし、そうしたことから、会場外での行事等の、サイドイベントも予定していないということでございます。前回のドイツ同様、豊かな自然に囲まれた会場の中で、じっくりと外相間の議論を深めたいと考えております。

「核兵器のない世界」に向けた取組

【中国新聞 樋口記者】同じく関連して、G7外相会合について伺います。冒頭も少しあったのですけれども、ロシアによる核の威嚇が繰り返される中での開催となります。唯一の戦争被爆国として、核兵器が実際使われたら大変なことになるという惨禍を改めて各国に発信して、「核兵器のない世界」というのを実際に目指していくかの議論を深める絶好の機会だと思いますけれども、大臣のお考えを伺います。

【林外務大臣】ロシアによるウクライナ侵略等により、国際安全保障環境は、一層厳しくなる中で、核軍縮を巡る国際社会の分断の深まり、そして、ロシアによる核兵器による威嚇などによって、「核兵器のない世界」に向けた道のり、これも一層厳しいものになっております。しかし、こうした中であるからこそ、「核兵器のない世界」の実現に向けて、現実的かつ実践的な取組を着実に進めていく必要があると考えております。
 G7広島サミットでは、広島と長崎に原爆が投下されてから77年間、核兵器が使用されていないという歴史、これをないがしろにすることは決して許されない。こうしたメッセージを、力強く世界に発信したいと考えております。私(林大臣)自身、今月のG7外相会合の機会、これを生かしながら、G7メンバーとの間で、核軍縮の進展に向けて議論を深めていきたいと考えております。

G7の連携

【共同通信 桂田記者】G7外相会合についてお伺いします。軍事活動を活発化させている中国へのアプローチをめぐっては、各国の中でも温度差があるように思いますが、今回の外相会合では、G7の連携を保つために、どのような点に留意したいとお考えかお聞かせください。

【林外務大臣】中国の軍事動向は、我が国と国際社会の深刻な懸念事項であり、我が国及び国際社会の平和と安定を確保し、法の支配に基づく国際秩序を強化する上で、これまでにない最大の戦略的な挑戦であります。我が国の総合的な国力と、同盟国・同志国との連携により対応すべきものであると考えております。
 また、台湾海峡の平和と安定は、我が国の安全保障はもとより、国際社会全体の安全と繁栄にとっても不可欠であります。我が国の従来からの一貫した立場は、台湾をめぐる問題が、対話により平和的に解決されることを期待するというものであります。この点については、これまでも米国やG7との間で、台湾海峡の平和と安定の重要性については一致しておるところでございます。
 その上で、4月の16日から18日かけて開催される外相会合における、具体的な議題、これはまだ最終調整中でございますが、国際社会が直面する喫緊の外交課題について、G7の外相間で、率直かつ踏み込んだ意見交換を行う機会にしたいと考えております。
 いずれにいたしましても、アジアで開催するG7外相会合であるということも踏まえて、「自由で開かれたインド太平洋」に関するG7の連携についても、議長国として、議論をしっかりとリードしたいと思っております。

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