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令和5年4月21日

 今般、「核兵器のない世界」に向けた国際賢人会議から、本年7月末から開催されるNPT運用検討会議第1回準備委員会へのインプットを念頭に置いたメッセージが発出されました。

  1. 4月4日及び5日に開催された「核兵器のない世界」に向けた国際賢人会議第2回会合においては、第1回準備委員会へのインプットを念頭に、同会合での議論を具体的なメッセージの形で取りまとめることで一致し、その後、委員の間で当該メッセージの具体的文言等について議論が重ねられ、今般、同メッセージが発出されました。
  2. 政府としては、今般のメッセージを含め、国際賢人会議の議論も参考にしつつ、現実的かつ実践的な取組を着実に進め、「核兵器のない世界」の実現に向け、引き続き取組んでまいります。国際賢人会議においては、2026年NPT運用検討会議を見据えて引き続き議論が行われるところ、有益な成果が得られることを期待します。
(参考1)別添PDF

 今般発出されたメッセージは、我が国を含む国際社会に向けられたものとして、国際社会が重大かつ前例のない核の課題に直面しているとした上で、現在の危機を特にNPTの維持・強化によって核不拡散体制を強化する機会に変えなければならないとの認識の下、本年7月末から開催される第1回準備委員会により始まる次期NPT運用検討サイクルで優先されるべき措置として、(1)核兵器の使用・威嚇の禁止を含む「規範の強化・拡大」、(2)新たな軍備管理体制の確立に向けた対話を含む「具体的な施策の実施」、(3)「NPT運用検討プロセスの活性化・強化」に取り組むこと等を要請している。

(参考2)「核兵器のない世界」に向けた国際賢人会議第2回会合

  • (1)経緯
     岸田総理大臣が2022年1月の施政方針演説で、核兵器国と非核兵器国の双方からの参加者が、それぞれの国の立場を超えて知恵を出し合い、また、各国の現職・元職の政治リーダーの関与も得て、「核兵器のない世界」の実現に向けた具体的な道筋について自由闊達な議論を行う場として立上げを表明。2022年12月10~11日に広島で第1回会合を開催し、閉会セッションに岸田総理大臣が出席した。
  • (2)結果概要
     2023年4月4日及び5日、「核兵器のない世界」に向けた国際賢人会議第2回会合が東京において開催された。同会合には、白石隆座長(熊本県立大学理事長)を含む日本人委員3名の他、核兵器国、非核兵器国等からの外国人委員6名の合計9名の委員が対面参加し、5名の外国人委員がオンラインで参加した。
  • (3)「核兵器のない世界」に向けた国際賢人会議委員(15名)
  • (対面参加)
  • 白石 隆(座長) 熊本県立大学理事長
  • アンゲラ・ケイン 元国連事務次長兼国連軍縮担当上級代表
  • 高見澤 將林 東京大学公共政策大学院客員教授
  • イアン・アンソニー ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)ヨーロッパ安全保障プログラムディレクター
  • ブルーノ・テルトレ 仏戦略研究所副所長
  • マンプリート・セティ 印空軍力研究センター(CAPS)フェロー
  • 秋山 信将 一橋大学国際・公共政策大学院院長
  • アントン・フロプコフ 露エネルギー・安全保障研究センター(CENESS)センター長
  • 趙 通(ジャオ・トン) 米カーネギー国際平和財団シニアフェロー/プリンストン大学客員研究員
  • (オンライン参加)
  • ローズ・ゴッテメラー 元米国務次官(軍備管理・国際安全保障担当)
  • ジョージ・パーコビッチ 米カーネギー国際平和財団副会長
  • グスタヴォ・スラウビネン 第10回NPT運用検討会議議長
  • ディナ・カワール 駐米ヨルダン大使
  • ターニャ・オグルビー・ホワイト 核軍縮・不拡散アジア太平洋リーダーシップ・ネットワーク(APLN)リサーチディレクター
  • (欠席)
  • マルティ・ナタレガワ 元インドネシア外務大臣

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