外務省・新着情報

令和5年4月26日
署名式の様子
署名が行われている様子

 4月26日(現地時間同日)、スリランカ民主社会主義共和国のコロンボ市において、水越英明スリランカ民主社会主義共和国駐箚日本国特命全権大使と、K.M.M.シリワルダナ・スリランカ民主社会主義共和国財務・経済安定・国家政策省次官(Mr. K.M.M. Siriwardana, Secretary to the Treasury, Ministry of Finance, Economic Stabilization and National Policies, the Democratic Socialist Republic of Sri Lanka)との間で、供与限度額5.03億円の対スリランカ無償資金協力「感染性廃棄物管理改善計画」に関する書簡の交換が行われました。

  1. スリランカの多くの医療機関では、新型コロナウイルス感染症への対応で急増している感染性廃棄物(注射筒・針、マスクやガウンなどの個人防護具等)を適切かつ十分に廃棄処理するための設備が不足しており、敷地内や近隣での一時保管、老朽化した焼却炉での処理、野焼き・埋め立て等の対応を余儀なくされています。この結果、感染性病原体が再度拡散してしまうことによる被害やリスクのほか、不適切な焼却による黒煙や悪臭、ダイオキシン等による近隣住民への健康被害や周辺環境への負荷が懸念されています。
  2. 本協力は、医療機関の感染性廃棄物処理設備を改善するもので、具体的には、対象となる15の病院に対する温度管理及び排ガス処理装置のある医療廃棄物焼却炉の供与と同機材の運営・維持管理に関する研修を通じ、適切に処理される医療廃棄物の量を現在の3倍以上に引き上げる効果を見込んでいます。これにより、新型コロナウイルス感染症への対応で生じた感染性廃棄物等の適切な処理及び滅菌が可能となり、同国の新型コロナウイルス感染症対策の強化が期待されます。同国の保健・医療分野における脆弱性の軽減に寄与することが期待され、同国における在留邦人の生活環境の改善にもつながります。
  3. さらに、本協力は、我が国が77か国・地域を対象にワクチンを接種現場まで届けるためのコールド・チェーン体制等の整備を実施した「ラスト・ワン・マイル支援」の後継であり、2022年5月に林外務大臣が発表した「途上国に対する経済再活性化・人的往来再開支援」の3本柱の一つ(感染性廃棄物処理)を、シーレーン上の要衝に位置し、我が国が推進する「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」を実現するための重要なパートナーであるスリランカにおいて、具体化するものです。

[参考1]スリランカ民主社会主義共和国基礎データ
 スリランカ民主社会主義共和国は、面積6.6万平方キロメートル(北海道の約0.8倍の大きさ)、人口約2,216万人(2021年、世界銀行)、1人当たり国民総所得(GNI)は、4,030ドル(2021年、世界銀行)。

[参考2]別添(PDF)別ウィンドウで開く

  • 「感染性廃棄物管理改善計画」対象15病院位置図
  • 現地の廃棄物の現状(写真)

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