外務省・新着情報

冒頭発言

対ミャンマー無償供与船舶の軍事利用

【小野外務報道官】初めに、私(小野外務報道官)から一点申し上げます。
 昨年報道がございました、我が国がミャンマーに供与した船舶の軍事利用の可能性についてです。
 昨年9月、我が国が、平成28年度、無償資金協力でミャンマーに対し供与した船舶が、ミャンマー側によって軍事利用された疑いがあるとの現地報道がございました。これを受けまして、在ミャンマー日本国大使館を通じて、ミャンマー側に対し、累次の事実確認を行ってまいりました。
 その結果、これまでにミャンマー側から得た回答等を踏まえ、日本政府としては、ラカイン州当局が、昨年秋の一時期に、兵士や武器の輸送のために、我が国が供与した船舶を使用したとの判断に至りました。
 今般のミャンマー側による船舶の不適正利用に対しては、日本政府からミャンマー側に対して、抗議をするとともに、適正利用と再発防止の徹底を申し入れました。これに対してミャンマー側からは、こうした事態の発生に対する遺憾の意の表明、及び再発防止を徹底する旨の回答がございました。
 日本政府としても、再発防止の徹底を確保すべく、引き続き、状況の確認と適正利用の働きかけに努めていく方針です。
 私(小野外務報道官)からは以上です。

スーダン(新たな邦人1名の退避)

【読売新聞 横堀記者】スーダンの関係ですが、スーダンの首都ハルツームから、新たに邦人が1人退避したとの一部情報がありますが、その事実関係と、もしそれが事実であれば、どのように対処したか教えてください。よろしくお願いします。

【小野外務報道官】25日、新たに邦人1名が、スーダン国外に退避をしたと承知しています。これ以上の詳細につきましては、安全上の観点から、お答えは差し控えます。
 我が国としては、引き続き、ジブチに立ち上げた臨時事務所において、関係各国とも緊密に連携しつつ、新たに退避を希望される方が出てこられる可能性も踏まえ、スーダンに在留されている邦人への支援に、全力を尽くしてまいる所存です。

対ミャンマー無償供与船舶の軍事利用

【毎日新聞 青木記者】冒頭ご説明を頂いたミャンマーの話ですけれども、これは武器や兵士の輸送に使用したという判断ということですが、いつ頃使われたのかということ、あと、その辺は、回答以外に、何か日本としても、証拠というものをつかんで、このように判断したのかどうかをお聞かせください。

【小野外務報道官】まず、本件ですが、ミャンマーの水上交通輸送の能力向上のために、ミャンマー内陸水運公社に対して、旅客船、中古2隻と、新造1隻を供与した案件です。
 2016年に、日・ミャンマー政府間で、交換公文、いわゆるE/Nを締結し、2017年に2隻の中古船、2019年に1隻の新造船をミャンマー側に引き渡し、ミャンマー側において通勤等の交通に利用してきたというものです。
 この船舶が、ミャンマー国軍の兵士や武器の輸送に利用されているという報道が、昨年9月に、現地でなされたことを受けまして、我が方としては、在ミャンマー日本国大使館を通じて、ミャンマー側に対して、累次、事実関係の確認を行ってきたところです。
 その結果として、今般ミャンマー側から回答があり、それを踏まえて、先ほど申し上げた判断に至ったというものです。

【毎日新聞 青木記者】いつ頃、その、何というか、いつからいつの間に、それに使われていて、現在は使われてないということでしょうか。

【小野外務報道官】先ほど申し上げましたとおり、本件のその報道については、昨年の9月でしたけれども、その後、その供与された船舶は3隻とも、いずれもラカイン州のシットウェ港に停泊したままとなっておりました。このうちの2隻については、4月5日から、商用の運航を再開したという旨をミャンマー側から連絡を受けているところです。
 これが、どのように使われてきているかというところについては、累次のミャンマー側とのやり取りを踏まえて、先ほど申し上げたような形で、判断をしたというものです。
 昨年9月の報道ですので、我々としては、恐らくそういったことに使われたのは、その時期というように、ミャンマーとのやり取りを基に判断をしたというものです。

【TBS 中島記者】今のミャンマーの件に関連しまして、今回の事案を受けて、ミャンマーに対する輸出の在り方の見直しですとか、何かそういったものがあるのか、あと、今、与党で、武器輸出の在り方についての検討が、また始まっていますが、それに与える影響は、どのような感じになられていますでしょうか。

【小野外務報道官】ミャンマーに対するODAですが、昨今のミャンマー情勢に鑑みまして、国軍が主導する体制との間で、新規のODAは行っておりません。同時に、ミャンマー国民に直接裨益するような国際機関やNGO等を経由した人道支援については積極的に行っていくというような考えです。
 今般の事例につきましては、先ほど申し上げたとおり、我々としても大変遺憾に考えておりまして、ミャンマー側に対して抗議をするとともに、適正利用と再発防止の徹底を申し入れたというところです。
 引き続き、我が国としましても、こういった事例の再発を防ぐために、それを徹底させることを確保すべく、引き続き、関連する状況の確認と適正利用の働きかけを努めていくという方針であります。
 現在、ご指摘の部分も含め、ODAの在り方、また新しい支援等の議論がなされていますけれども、それらに対する影響について、現時点で、私からは予断を持って申し上げることは差し控えたいと思います。

【産経新聞 廣池記者】今のミャンマーの関連で、抗議を申し入れしたのは、いつになるんでしょうか。

【小野外務報道官】昨年9月の報道を踏まえて、繰り返し事実確認をミャンマー側に行ってきたところ、先ほど申し上げたような事実確認に至りました。
 他方で、ミャンマー側とのやり取りにつきましては、外交上のやり取りになりますので、詳細は控えたいと思います。
 いずれにしても、在ミャンマー大使館から、運輸・通信省、投資・対外経済関係省、外務省といったハイレベル等と、やり取りを行ってまいりまして、そういった回答を踏まえて、今般、先ほど申し上げた、ミャンマー側による不適正な使用が、残念ながらあったと判断をしたというものです。

チャットGPTの活用

【朝日新聞 長﨑記者】ちょっと話題変わりまして、対話型のAIのチャットGPTについてですが、霞が関でも、経産省とか農林水産省とか、業務の効率化のために活用しようという動きが目立ってきていますけれども、外務省としての検討状況ありましたら、教えてください。

【小野外務報道官】チャットGPTをはじめ、高精度な言語AIツールは、その性能の更なる向上によって、コンサルタントや検索サービスなど、言葉を使う仕事を抜本的に変える可能性があると認識しています。
 行政での利用につきましては、著作権やセキュリティの確保も重要な課題となります。政府機関などのサイバーセキュリティ対策のための統一基準に基づきまして、業務上の必要性や関連するリスクを十分に踏まえた上で、利用の可否を判断する必要性があると考えています。
 外務省としても、今後、関係府省庁とも連携をしながら、職員の業務負担を軽減させるための活用の可能性については、追求してまいりたいと考えています。

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