外務省・新着情報

令和5年5月3日
正面を向き、笑顔で握手を交わす、両首脳の様子 ウィリアム・サモエイ・ルト大統領による出迎えを受ける
岸田総理
(写真提供:内閣広報室)
テーブルにつき、会談に臨む、両首脳の様子 日・ケニア首脳会談(写真提供:内閣広報室)
演台に立ち、共同記者発表に臨む、両首脳の様子 共同記者発表(写真提供:内閣広報室)

 現地時間5月3日(水曜日)午前10時10分(日本時間午後4時10分)から約100分間、岸田文雄内閣総理大臣は訪問先のケニアにおいて、ウィリアム・サモエイ・ルト・ケニア共和国大統領(H.E. Dr. William Samoei Ruto, President of the Republic of Kenya)と首脳会談を行い、共同記者発表を実施した後、午後12時40分(日本時間午後6時40分)から約50分間、ワーキングランチを実施したところ、概要は以下のとおりです。

1 総論

  • (1)冒頭、ルト大統領から、岸田総理の7年振りのケニア訪問を歓迎した上で、長きにわたって培われた日・ケニアの強固な二国間関係に触れつつ、様々な分野において二国間関係を更に発展させ、国際社会において緊密に連携していきたい、そして、今般、岸田総理がG7議長としてアフリカの声や見方を直接聞いていることに意を強くしている旨述べました。
  • (2)これに対し、岸田総理から、日ケニア関係は、経済・投資を始め様々な分野で飛躍的に発展してきていると述べた上で、国際情勢が一層複雑で厳しいものとなっている中、G7議長国として、地域の安定に貢献しているケニアとの連携を強化していきたい、日ケニア外交関係樹立60周年である本年、2016年ナイロビで提唱された「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」をさらに推進していく契機にしたい旨述べました。

2 二国間関係

  • (1)ルト大統領から、日本の支援により数多くのプロジェクトが進められていることに対する感謝の表明があり、さらに協力を深めたい旨述べました。岸田総理から、東アフリカの一大経済圏の中核をなすケニアでは、社会課題解決に取り組む日本発スタートアップを含め、アフリカ有数の日本企業進出先であり、日本政府としても日本企業のビジネス展開や、ケニアの経済成長・雇用の創出を全面的に後押しし、ビジネス環境整備や人材育成といった支援を進めていく旨述べました。
  • (2)岸田総理から、本年3月に発表したFOIP新プランを具体化する取組として、東アフリカの物流拠点であるモンバサにおける各種事業計画の確実な実施が重要であり、ルト大統領のリーダーシップに期待すると述べた上で、地熱発電開発、太陽光発電やグリーン水素開発分野といったケニアのグリーン成長や、気候変動対応、地域住民の生活向上のための農業分野での支援など引き続き協力したいと述べ、ルト大統領から、日本の支援に対して謝意が示された上で、こうしたプロジェクトをさらに前に進めるべく、両国で緊密に連携していきたい旨述べました。

3 国際場裡における協力

  • (1)岸田総理から、力による一方的な現状変更の試みであるとともに明白な国際法違反であるロシアによるウクライナ侵略は、決して認められないと述べた上で、ロシアによる核の威嚇は断じて受け入れられず、ましてや核兵器の使用はあってはならないと述べ、両首脳は、このような考えの下、法の支配の推進のため連携していくことで一致しました。また、岸田総理から、開発金融に関して、全ての関係国が国際ルール・スタンダードを遵守するよう、国際社会が一致して声を上げることが重要と述べ、両首脳は、透明で公正な開発金融の重要性でも一致しました。
  • (2)岸田総理から、東アフリカの平和と安定にケニアが果たしている役割や貢献を高く評価する旨述べた上で、両国は長年、PKO分野での人材育成やソマリア沖・アデン湾での海賊対処活動など協力関係にあり、今後も同地域の平和と安定のため一層協力していきたいと述べました。ルト大統領から、同地域の平和と安定への日本の貢献、就中、FOIP新プランの下における日本の警備艇や監視船の供与、乗組員の訓練等に対する謝意が述べられました。
  • (3)岸田総理から、スーダンの状況を強く懸念しており、仲介を申し出ているケニアのイニシアティブを高く評価している旨伝達した上で、日本としても、G7議長国・安保理非常任理事国として、アフリカの角大使を通じた参画を含め、即時停戦に向け主体的に働きかけを行っていく旨、また、スーダン国内および周辺国における人道状況の悪化に対応するため、国際社会とともに、緊急人道支援についても早急に検討していきたい旨述べた上で、両首脳は、緊密に連携していくことを確認しました。
  • (4)また、両首脳は、核・ミサイル問題や拉致問題を含む北朝鮮への対応、その他インド太平洋情勢、安保理改革を含む国連の機能強化に向けた取組、気候変動問題等について、引き続き緊密に連携していくことを確認しました。

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