外務省・新着情報

令和5年5月7日
首脳会談を前に、ユン・ソンニョル大統領と握手する岸田総理大臣 日韓首脳会談(写真提供:内閣広報室)
日韓首脳会談が行われている様子 日韓首脳会談(写真提供:内閣広報室)
共同記者会見で、発言している岸田総理大臣 日韓共同記者会見(写真提供:内閣広報室)

 現地時間5月7日午後3時50分から計約1時間45分間(日本時間同じ)、韓国・ソウルを訪問中の岸田文雄内閣総理大臣は、尹錫悦(ユン・ソンニョル)韓国大統領と日韓首脳会談を行ったところ、概要は以下のとおりです(少人数会合:午後3時50分から約40分間、全体会合:午後4時35分から約65分間)。

  1. 冒頭、岸田総理大臣から、3月に尹大統領を東京にお迎えしてから、かくも早くにソウルを訪問し、「シャトル外交」を本格化できることを嬉しく思う旨述べました。また、先般のスーダンにおける邦人退避に際する韓国からの多大な協力に改めて謝意を表明しました。
  2. 両首脳は、3月の会談で示した方向性に沿って、財務相会談、日韓安全保障対話の再開や日韓経済安全保障協議の開催を始め多岐にわたる分野において両政府間の対話と協力が動き出していること、輸出管理分野においても一層の進展があったことを歓迎しました。また、日韓中プロセスについては、岸田総理から、議長国である韓国の取組を支持する旨伝達しました。
  3. 両首脳は、両国間の経済界の交流が力強く復活してきており、民間交流や議員交流も引き続き活発であることを歓迎しました。岸田総理大臣から、日本政府として、韓国との間で対日理解促進交流プログラム(JENESYS)による対面での青少年交流の全面再開と交流人数の昨年度比倍増を決定した旨伝達しました。
  4. ALPS処理水に関し、岸田総理から、IAEAのレビューを受けつつ高い透明性をもって科学的根拠に基づく説明を誠実に行っていく旨述べました。その上で、両首脳は、韓国国内における理解を深める観点から、東電福島第一原発へ韓国専門家で構成される現地視察団を5月中に派遣することについて一致しました。岸田総理大臣は、日本の総理として、自国民及び韓国国民の健康や、海洋環境に悪影響を与えるような形での放出を認めることはない旨述べました。
  5. 両首脳は、地域情勢についても意見交換を行い、特に北朝鮮の挑発行為が継続する中、日米同盟、韓米同盟、日韓・日韓米の安全保障協力により抑止力・対処力を強化することの重要性について一致するとともに、G7広島サミットの際に日韓米首脳会合を開催し、更に議論を深めることとしました。拉致問題については、尹大統領から改めて支持を得ました。また、岸田総理大臣から、尹大統領の先の国賓訪米の成功に対する祝意を述べました。さらに、両首脳は、尹大統領がG7広島サミットに参加することも念頭に、自由で開かれたインド太平洋の推進やウクライナ情勢等国際社会が直面する諸課題についても意見交換し、緊密に協力していくことで一致しました。
  6. 両首脳は、日韓関係改善の動きが軌道に乗ったことを確認し、近く開催されるG7広島サミットの機会を含め、引き続き「シャトル外交」を通じて信頼関係を深め、日韓関係を一層発展させていくこととしました。この関連で、両首脳は、被爆地・広島において、平和記念公園を訪問し、韓国人原爆犠牲者慰霊碑にも一緒に祈りを捧げることで一致しました。

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