外務省・新着情報

令和5年5月8日
プレッジング会合において流れた山田外務大臣のビデオメッセージの映像

 5月4日、山田賢司外務副大臣は、英国、オランダ王国及び国連の共催によりオンラインで開催されたイエメンのサーフィル号問題に関するプレッジング会合において、ビデオメッセージの形でステートメントを実施したところ、同会合の概要は以下のとおりです。

  1. 冒頭、デイビッド・グレスリー国連イエメン常駐人道調整官をはじめとする主催者から、世界最大級の油濁事故発生のリスクを有する、イエメンにおける「サーフィル号問題」の現状について説明があり、国連が策定した「サーフィル号問題救難作戦計画(SSOP)」に対する国際社会からの支援の重要性が呼びかけられました。
  2. 山田外務副大臣は、ステートメント(英語)(PDF)別ウィンドウで開くの中で、日本は、国際社会の責任あるメンバーとして、長期化する紛争が「世界最悪の人道危機」を引き起こしているイエメンにおいて、2015年以降、食料、教育、保健、避難民支援等の分野で、総額約4億3,000万ドルの人道支援を実施してきており、2023年には、少なくとも約2,400万ドルの追加的な人道支援を供与することをすでに決定した旨述べました。
  3. また、山田外務副大臣は、イエメンが直面している様々な課題の中でも、サーフィル号の問題は国際社会が最も緊急に取り組まなければいけない重要な課題である旨述べるとともに、日本は、昨年12月にSSOPに100万ドルの拠出を決定した後、既に全額の拠出を完了しており、この問題の重要性に照らして、今後もこの計画の進展に向け、国際社会に協力していくとの決意を表明しました。
(参考)サーフィル(セイファー)号問題概要

  1. 「サーフィル号」は、イエメン西岸沖の紅海上(ホデイダ港から北方約60km)に係留され、推定約114万バレルの軽質原油を貯蔵している浮体式原油貯蔵積出施設(FSO)。
  2. イエメン紛争が激化した2015年以降、イエメン西部を掌握したホーシー派がサーフィル号への立入りを禁止。保守・管理ができず、急激に劣化が進行し、タンクの腐敗や爆発により、大量の原油(1989年に米国史上最大の石油流出事故を引き起こしたエクソン・バルディーズ号の約4倍の貯蔵量)が流出し得る危機的な状況にある。
  3. 汚濁事故が起きれば、周辺海域で甚大な環境被害が発生するほか、イエメンの物流の最大拠点の一つであるホデイダ港の閉鎖により、イエメンへの物流が途絶え、劣悪な人道状況下にある同国民に食料・支援物資が届かなくなることが懸念されている。

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