外務省・新着情報

令和5年5月9日

 5月2日から6日まで、武井俊輔外務副大臣は、フィジー共和国及びツバルを訪問しました。本訪問の概要は以下のとおりです。

I フィジー(5月3日~5月4日)

1 フィジー警察の警備艇視察

 3日、武井副大臣は、フィジー海上警察の基地を訪問し、ショーマス海上警察司令官他から、日本の無償資金協力によって供与された警備艇、救難艇などの活用を含めた任務の実施状況や課題について説明を受けました。
 多数の離島や広大な排他的経済水域を抱えるフィジーでは、サイクロン等の自然災害による遭難事案への対応、IUU漁業や麻薬密輸等に対する監視取締りなど、海上保安協力の向上が急務となっています。今回の視察では、先方から日本政府・国民からの支援への謝意が示されるとともに、これらの機材が適切に管理・活用され、フィジーの海上保安能力を支えていることが確認できました。

II ツバル(5月4日~6日)

1 政府要人等との面会

(1)サイモン・コフェ法務・通信・外務大臣への表敬

サイモン・コフェ法務・通信・外務大臣と懇談する武井外務副大臣

 4日、武井副大臣は、サイモン・コフェ法務・通信・外務大臣(Hon. Simon KOFE, Minister of Justice, Communication and Foreign Affairs of Tuvalu)を表敬しました。武井副大臣から、ツバルを含む太平洋島嶼国は、自由で開かれたインド太平洋(FOIP)実現のために重要な地域であり、ツバルとの協力を極めて重視している旨述べました。また、日本は、第9回太平洋・島サミット(PALM9)で発表した「太平洋のキズナ政策」の下、引き続きツバルを支えていく旨述べるとともに、双方は、本年初めて太平洋島嶼国で開催予定のPALM中間閣僚会合に向けて協力していくことを確認しました。さらに、双方は、二国間関係、地域情勢や気候変動等を中心に意見交換を行いました。加えて、ALPS処理水の海洋放出に関し、日本は環境及び人の健康に害がないことをしっかり確保した上で行う旨説明しました。
 これに対し、コフェ大臣から、日本政府・国民からの長年の支援に対する謝意を表明するとともに、PALM中間閣僚会合への意欲を述べました。また、ALPS処理水の海洋放出に関し、安全性に関する科学的な根拠の重要性を指摘するとともに、今般の副大臣からの説明や日本の透明性への評価が示されました。

(2)カウセア・ナタノ首相への表敬

表敬を前に、カウセア・ナタノ首相と握手する武井外務副大臣

 4日、武井副大臣は、カウセア・ナタノ首相(Hon. Kausea NATANO, Prime Minister of Tuvalu)を表敬しました。
 武井副大臣から、ツバルは、太平洋で結ばれた大切な友人であり、基本的な価値を共有する重要なパートナーである旨述べるとともに、太平洋島嶼国は、FOIP実現のために重要な地域であり、ツバルとの協力を極めて重視している旨述べました。また、日本は「ブルーパシフィック大陸のための2050年戦略(2050年戦略)」に基づき、太平洋島嶼国自身のアジェンダを尊重し、日本の強みを活かした協力を実施していく旨述べるとともに、安全保障等においてはまずは地域で対処するという太平洋諸島フォーラム(PIF)の「Family First」の原則に対する強い支持を表明しました。さらに、ALPS処理水の海洋放出に関し、日本は環境及び人の健康に害がないことをしっかり確保した上で行う旨説明するとともに、日本の立場を示した岸田総理大臣からの親書を手交しました。
 これに対し、ナタノ首相から、ツバルへの訪問を歓迎し、日本政府・国民からの長年の支援に対する謝意を表明しました。ALPS処理水の海洋放出に関し、安全性に関する科学的な根拠の重要性を指摘するとともに、今般の副大臣からの説明や日本の透明性への評価が示されました。両者は、気候変動や地域情勢を中心に意見交換を行うとともに、引き続き二国間の関係を強化し、PALM中間閣僚会合及びPALM10の成功に向け緊密に連携していくことで一致しました。

(3)イサイア・ターペ保健・社会厚生・ジェンダー大臣への表敬

イサイア・ターペ保健・社会厚生・ジェンダー大臣と懇談している武井外務副大臣

 イサイア・ターペ保健・社会厚生・ジェンダー大臣(Hon. Isaia TAAPE, Minister of Health, Social Welfare and Gender Affairs of Tuvalu)を表敬しました。
 武井副大臣から、ツバルを含む太平洋島嶼国は、FOIP実現のために重要な地域であり、ツバルとの協力を極めて重視している旨述べました。また、日本は、PALM9で発表した「太平洋のキズナ政策」の下、ツバルに対する支援を行ってきており、引き続き、ツバルのニーズに寄り添って協力を進めていく旨述べました。
 さらに、保健分野や気候変動、地域情勢等について、意見交換するとともに、武井副大臣から、ALPS処理水の海洋放出に関し、日本は環境及び人の健康に害がないことをしっかり確保した上で行う旨説明しました。
 これに対し、ターペ大臣から、日本のツバルに対するこれまでの協力に感謝する旨述べました。ALPS処理水の海洋放出に関し、安全性に関する科学的な根拠の重要性を指摘するとともに、今般の副大臣からの説明や日本の透明性への評価が示されました。

2 気候変動関連フナフティ島北端視察

フナフティ島北端を視察する武井外務副大臣

 5日、武井副大臣は、ツバルにおける気候変動の影響を象徴する場所として知られるフナフティ島北端(COP26で公開されたコフェ外務大臣のスピーチ動画が撮影された場所)を視察しました。

3 無償資金協力案件視察

(1)フナフティ港埠頭及び貨客船(マヌファラオ号・ニバンガIII号)視察

ニバンガIII号の視察で船に乗り込む武井外務副大臣

 5日、武井副大臣は、日本の無償資金協力によって整備されたフナフティ港埠頭及び日本が供与した貨客船(マヌファラオ号・ニバンガIII号)を視察し、ツバル国内外を結ぶ貴重なインフラとして、しっかり維持管理・活用されていることを確認しました。

(2)プリンセス・マーガレット病院視察

プリンセス・マーガレット病院の前で記念写真を撮る武井外務副大臣

 6日、武井副大臣は、日本の無償資金協力によって整備されたプリンセス・マーガレット病院を訪れ、施設や機材がしっかり維持・管理されていることに加え、同病院が、ツバルにおける唯一の総合病院として、同国の保健医療サービスを支えるために機能を果たしていることを確認しました。

4 懇談会等

(1)コフェ外務大臣主催レセプション

コフェ外務大臣が主催するレセプションに出席している様子

 4日、武井副大臣は、コフェ外務大臣主催の歓迎レセプションに参加しました。

(2)コフェ外務大臣との夕食会

コフェ外務大臣が主催するレセプションに出席している様子

 5日、武井副大臣は、前日に行われたコフェ外務大臣主催レセプションへの答礼としてコフェ外務大臣、ターペ保健・社会厚生・ジェンダー大臣及びティアファ地方政府・農業大臣を招き、夕食会を実施しました。


発信元サイトへ