外務省・新着情報

令和5年5月11日

 5月2日から5日まで、吉川ゆうみ外務大臣政務官はコーカサス3か国(アルメニア、ジョージア、アゼルバイジャン)を訪問しました。この訪問の概要は以下のとおりです。

1 アルメニア(5月2日~3日)

テーブルにつき、会談を行う、吉川政務官とゲヴォルギャン経済次官の様子 ゲヴォルギャン経済次官との会談
  • (1)5月2日、吉川外務大臣政務官は、アルメニアの首都エレバンでゲヴォルギャン経済次官と会談しました。ゲヴォルギャン次官は、これまでの日本の支援に謝意を表するとともに、中小企業支援等経済分野における日本からの更なる支援に期待を表明しました。吉川政務官は、2025年大阪関西万博へのアルメニアの参加を歓迎した上で、アルメニアの青少年向けのIT教育機関であるTUMOセンターと日本の自治体との協力について触れ、日本でも注目されているIT教育の分野で両国の協力が深まっていくことへの期待を述べました。双方は、経済分野における二国間関係を強化していくことで一致しました。
正面を向き、握手を交わす、吉川政務官とシモニャン議長の様子 シモニャン議長との会談
  • (2)続いて、吉川政務官は、シモニャン国民議会議長と会談しました。シモニャン議長は、救急車供与を始めとする保健医療分野や経済社会開発分野におけるこれまでの日本の支援に謝意を表した上で、議員間交流を促進していきたい旨述べました。吉川政務官は、昨年9月のアルシャキャン副議長の訪日及び松本剛明日・アルメニア友好議連会長代行との会談について触れ、議員間交流も含めた両国間の関係深化への期待を述べました。
国立農業大学の関係者から説明を受ける、吉川政務官の様子 国立農業大学訪問
  • (3)会談の後、吉川政務官は草の根・人間の安全保障無償資金供与による支援を受けた国立農業大学を訪問し日本からの支援で建設された温室を視察するとともに、関係者との意見交換を行いました。関係者からは、日本の支援により、アルメニアにとって重要な産業である農業分野での人材育成が効果的に行えるようになったとして感謝の意が示されました。
  • (4)同日夕刻、吉川政務官は、アルメニアで日本語・日本文化の普及促進に取り組む関係者との意見交換に出席しました。参加者からは、アルメニアにおける日本文化への関心の高さや、自らの活動などについて紹介がありました。吉川政務官からは、日本とアルメニアの架け橋として活動している関係者に謝意を表した上で、今後の更なる活躍に期待を述べました。
エチミアジン市立第13幼稚園で歓迎を受ける、吉川政務官の様子 エチミアジン市立第13幼稚園訪問
アルメニア使徒教会付属博物館における、吉川政務官とカラペチャン館長らによる集合写真 アルメニア使徒教会付属博物館視察
  • (5)5月3日、吉川政務官は、日本の支援によって校舎が改修されたエチミアジン市立第13幼稚園を訪れ、ガスパリャン・エチミアジン市長、ソゴモニャン同幼稚園園長、教職員及び子供たちからの歓迎を受けるとともに、学習環境が改善された中で子供たちが元気に学ぶ姿を視察しました。その後、アルメニア使徒教会の総本山であるエチミアジン大聖堂を訪れ、カラペチャン教会付属博物館長の案内で、日本の専門家がその保存・修復に協力してきており、3月からは文化遺産の保存・修復機材の整備のための日本政府による草の根文化無償資金協力が実施されている教会付属博物館を視察しました。
テーブルにつき、会談を行う、吉川政務官とサファリャン外務次官の様子 サファリャン外務次官との会談
  • (6)同日、吉川政務官はサファリャン外務次官と会談及びワーキングランチを行い、二国間関係及び地域情勢について意見交換を行いました。サファリャン次官は、吉川政務官の訪問は両国の友好関係に弾みを与えるものであると歓迎し、今後も二国間及び多国間の分野で協力を推進していきたい旨述べました。吉川政務官は、アルメニアは法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の強化に向けて協力できる重要なパートナーである旨述べ、昨年9月のアルシャキャン国民議会副議長の訪日や本年1月の日・アルメニア外相電話会談を念頭に両国のハイレベルの交流が深まっていることを歓迎しました。また、吉川政務官は、ロシアによるウクライナ侵略は国際法の深刻な違反であるとして強く非難し、アルメニアが国際社会と足並みを揃えて対処していくことを期待する旨述べました。また、サファリャン外務次官からは、ナゴルノ・カラバフ情勢を中心とする地域情勢についても説明があり、吉川政務官からは、地域全体の平和と安全及び発展に向けたアルメニア・アゼルバイジャン間の対話が進むことを期待する旨述べました。双方は、両国間の関係強化に向けて引き続き緊密に連携していくことで一致しました。
子供たちがIT学習に励む様子を視察する、吉川政務官の様子 TUMOセンター視察
  • (7)同日午後、吉川政務官は、2011年に設立された青少年向けに無料でIT教育を提供するTUMOセンターを訪問し、子供たちがIT学習に励んでいる様子を視察しました。

2 ジョージア(5月4日)

日本人慰霊碑で献花を行う、吉川政務官の様子 日本人慰霊碑への献花
  • (1)5月4日朝、吉川政務官は、ジョージアの首都トビリシで、ヴァソ・ゴジアシヴィリ公園内の日本人慰霊碑を訪れ、第二次世界大戦後にジョージアで抑留され、日本に帰ることなく亡くなられた約50名の日本人抑留者を偲び慰霊碑への献花を行いました。
テーブルにつき、会談を行う、吉川政務官とダルサリア外務第一次官の様子 ダルサリア外務第一次官との会談
  • (2)同日、吉川政務官は、ダルサリア外務第一次官と会談し、二国間関係や地域情勢等について意見交換を行いました。吉川政務官は、ジョージアが日本にとって基本的価値を共有し、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を共に構築する上でのパートナーであり、ジョージアの主権及び領土一体性を一貫して支持している旨述べました。ダルサリア第一次官は、吉川政務官のジョージア訪問を歓迎するとともに、日本は重要なパートナーであり、引き続き二国間関係や国際場裡での協力を進めていきたいと述べました。また、ウクライナ情勢に関し、吉川政務官はロシアによる侵略を強く非難しつつ日本の立場について説明し、双方は引き続き緊密に連携していくことで一致しました。また、ダルサリア外務第一次官からは、EU加盟に向けた動き等について説明があり、吉川政務官からは日本としてもEU加盟に向けたジョージアの取り組みを支持し注視していく旨述べました。
イリア国立大学における、吉川政務官、日本語を学ぶ学生、および教職員たちによる集合写真 イリア国立大学訪問
  • (3)会談の後、吉川政務官は、草の根文化無償資金協力による支援を受けたイリア国立大学を訪れ、日本から供与された機材を用いて日本語を学ぶ学生や教職員たちとの交流を行い、学生たちを激励しました。
  • (4)同日、吉川政務官はジョージアのビジネス関係者と、ジョージアにおけるビジネス環境の現状や、連結性やエネルギー・脱炭素分野を中心に日本・ジョージア間のビジネス関係発展に向けた方策などにつき意見交換を行いました。
テーブルにつき、会談を行う、吉川政務官とダヴィタシヴィリ副首相の様子 ダヴィタシヴィリ副首相兼経済・持続的発展大臣との会談
  • (5)同日午後、吉川政務官はダヴィタシヴィリ副首相兼経済・持続的発展大臣と会談を行いました。ダヴィタシヴィリ副首相からは、黒海海底ケーブル・プロジェクトやアナクリア深海港プロジェクト等、現在計画されている重要プロジェクトについて説明があり、日本企業の積極的な関与を期待する旨述べました。吉川政務官からは、昨年9月に署名された二国間クレジット制度(JCM)や、カスピ海ルート(中央回廊)を念頭においた連結性向上に向けた協力の潜在性について触れ、双方は、近年両国間の経済関係が発展していることを歓迎するとともに、脱炭素分野を含む気候変動分野での協力や再生可能エネルギー分野での協力も進めていくことで一致しました。また、ダヴィタシヴィリ副首相は、今後ジョージアに進出する日本企業を支援していくと述べました。

3 アゼルバイジャン(5月5日)

テーブルにつき、会談を行う、吉川政務官とルザエフ外務次官の様子 ルザエフ外務次官との会談
  • (1)5月5日、吉川外務大臣政務官は、アゼルバイジャンの首都バクーでルザエフ外務次官と会談しました。吉川政務官は日本とアゼルバイジャンの外交関係樹立以来、政治、経済分野を始めとする人的交流を積み重ねて着実に友好関係を深化させてきたと述べ、双方は経済分野等で協力関係を強化していくことで一致しました。ルザエフ外務次官は、最近のナゴルノ・カラバフ情勢を中心とする地域情勢についても説明し、吉川政務官からは、地域全体の平和と安全及び発展に向けたアゼルバイジャン・アルメニア間の対話が進むことを期待する旨述べました。
テーブルにつき、会談を行う、吉川政務官とバキロフ委員長の様子 バキロフ国家税関委員会委員長との会談
  • (2)同日、吉川政務官は、バキロフ国家税関委員会委員長と会談しました。吉川政務官からは、3月に行われた地域の連結性強化を目指したシンポジウム「中央アジア+日本」対話・第12回東京対話「中央アジア・コーカサスとの連結性」におけるアゼルバイジャンからの協力に感謝を述べるとともに、ロシアによるウクライナ侵略は断じて容認できず、アゼルバイジャンとも協力していきたい旨述べました。バキロフ委員長からは、バクーの物流のハブとしての重要性について説明があり、地域の連結性強化に向けた協力関係への期待が述べられ、両者は引き続き更なる協力の深化に向けて取り組んでいくことで一致しました。
アゼルバイジャン言語大学における、吉川政務官、日本語を学ぶ学生、および教職員らによる集合写真 学生たちとの交流の様子
  • (3)同日、吉川政務官はアゼルバイジャン言語大学を訪問し、アブドゥラ・アゼルバイジャン言語大学長と会談を行いました。吉川政務官からは、日本語・日本文化の普及促進に向けた取り組みへの謝意を表明するとともに、今後も日本語を学び、二国間の架け橋となる人材が出てくることを期待する旨を述べ、アブドゥラ学長からは草の根文化無償資金協力案件「アゼルバイジャン言語大学日本語学科機材整備計画」における学習機材供与に対しての謝意が述べられました。また、吉川政務官は供与された学習機材が設置された日本語学科の教室を視察するとともに、日本語を学ぶ学生等との交流を行いました。
  • (4)同日夕刻、吉川政務官はババエフ・アゼルバイジャン環境天然資源大臣(アゼルバイジャン日本経済協力国家委員会議長)とのワーキングディナーを行いました。吉川政務官は、アゼルバイジャンは国際的なエネルギー安全保障や地域の安定と発展の鍵を握る重要な国であり、日本の大切なパートナーであると述べました。ババエフ環境天然資源大臣からは、長年に渡る日本との関わりに触れつつ、二国間クレジット制度(JCM)の活用を含め、脱炭素分野をはじめとする様々な分野で二国間の協力関係を更に深化させていきたいとの意向が示され、両者は二国間関係の深化に向けて協力していくことで一致しました。

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