外務省・新着情報

令和5年5月19日
セッション1を前に記念撮影を行うG7首脳
セッション1において発言を行う岸田総理大臣

 5月19日午後1時45分頃から約80分間、G7広島サミットのセッション1(ワーキング・ランチ)「分断と対立ではなく協調の国際社会へ/世界経済」が開催され、世界経済、貿易等についての議論が行われたところ、概要以下のとおりです。

  1. 岸田総理から、今回のサミット全体を通じての大きなテーマは、分断と対立ではなく協調の国際社会の実現に向けたG7の結束の確認と役割の強化であり、そのための積極的かつ具体的な貢献を打ち出すことである旨述べました。また、岸田総理から、そのため、第一に法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を守り抜くこと、第二にG7を超えた国際的なパートナーとの関与を強化することという二つの視点を柱とし、G7として明確に打ち出したい旨述べました。議論の結果、G7首脳は、これら二つの視点の重要性について一致しました。
  2. 世界経済について、岸田総理から、「新しい資本主義」を掲げ、持続的な経済成長のため供給サイドの改革を進め、賃上げとともに「人への投資」の強化と国内投資の拡大を重視し、成長と分配の好循環を推進してきた旨述べました。また、G7首脳は、クリーンエネルギー経済への移行に向けた取組、特定国への依存の低減、信頼性あるサプライチェーンの構築に向け、G7間で緊密に連携するとともに、国際的なパートナーと協力していくことの重要性について一致しました。
  3. デジタルについて、G7首脳は、G7の価値に沿った生成系AIや没入型技術のガバナンスの必要性を確認するとともに、特に生成系AIについては、「広島AIプロセス」として担当閣僚のもとで速やかに議論させ、本年中に結果を報告させることとなりました。また、岸田総理から、「人間中心の信頼できるAI」を構築するためにも、「信頼性のある自由なデータ流通(DFFT)」を具体化させるべく、閣僚レベルの合意に基づき、国際枠組の早期設立に向けて協力を得たい旨述べました。これを受け、岸田総理は、議長国として相応の拠出も含め、貢献していく旨述べました。
  4. 貿易について、岸田総理は、WTOを中心とするルールに基づく自由で公正な貿易体制は、世界の成長及び安定の基盤である旨述べました。議論の結果、G7首脳は、WTO改革を含め、自由で公正な貿易体制の維持・強化に取り組んでいく必要性について一致しました。

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