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令和5年5月21日
会談を前に、チン首相と握手をする岸田総理大臣 日・ベトナム首脳会談(写真提供:内閣広報室)
日・ベトナム首脳会談が行われている様子 日・ベトナム首脳会談(写真提供:内閣広報室)

 5月21日、午後5時から約30分間、岸田文雄内閣総理大臣は、G7広島サミットに参加するため訪日中のファム・ミン・チン・ベトナム社会主義共和国首相(H.E.Mr. PHAM Minh Chinh, Prime Minister of the Socialist Republic of Viet Nam)と首脳会談を実施したところ、概要は以下のとおりです。これに先立ち、同日、ODA案件3件(注)の署名が行われました。

1 冒頭

 岸田総理大臣は、日・ベトナム外交関係樹立50周年という両国の歴史的な節目となる年に、チン首相を広島にお迎えすることができ喜ばしい、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」を実現していく上で重要なパートナーであるベトナムと緊密に連携していきたい旨述べました。これに対し、チン首相は、G7サミットの成功に祝意を表すとともに、G7広島サミットにアウトリーチ国として参加できたことを嬉しく思う、二国間、地域・国際場裏において両国の協力を更に促進していく旨述べました。

2 地域・国際情勢

 岸田総理大臣から、ロシアによるウクライナ侵略への対応について、主権や領土一体性といった国連憲章の原則を守ること、世界中のどこであれ力による一方的な現状変更は認められないことに言及し、チン首相から、サミットにおいて世界の平和と安定のため有意義な議論ができたことを歓迎する旨述べました。また、両首脳は、東シナ海・南シナ海情勢、核・ミサイル問題や拉致問題を含む北朝鮮への対応において、引き続き、連携していくことを確認しました。

3 二国間関係

  1. 岸田総理大臣から、今般、財政支援借款を含む3件(注)の署名ができたことは喜ばしい、今後も、日本の技術と知見を活かせる分野において、ODAを活用し積極的に支援していきたい旨述べました。これに対しチン首相から、ベトナムにとって日本は第1位のODA供与国であり、ベトナムの社会経済発展のためにODAを活用していきたい旨述べました。
  2. 岸田総理大臣から、多くの日本企業はベトナムを重視しており、投資環境整備に向けた取組の継続を期待する、本年3月に発表したFOIPの新プランの下、デジタル分野を含む高度人材の育成、工業近代化、スマートシティ等の推進に取り組んでいく旨述べました。チン首相から、日本は重要な経済パートナーである旨発言があり、日本企業からのベトナムへの更なる投資に期待が表明されました。また、チン首相からインフラ分野、デジタル分野、人材育成分野等において日本との協力を更に強化していきたい旨発言がありました。
  3. 岸田総理大臣から、ネット・ゼロの実現に向け、アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)構想の推進を含め、ベトナムと一層連携していきたい旨述べました。チン首相から、ベトナムは2050年にカーボンニュートラル達成を目指しており、日本を含む国際社会と連携していきたい旨述べました。
  4. また、両首脳は、技能実習生や日越大学についても連携していくことを確認しました。

4 結語

 両首脳は、両国関係を更なる高みに引き上げ、共に日越関係を発展させていくことで一致しました。また、岸田総理大臣は、日・ASEAN友好協力50周年特別首脳会議でチン首相を日本にお迎えすることを楽しみにしている旨述べました。

(注)円借款「新型コロナウイルス感染症対応支援借款」、円借款「ビンズオン省公共交通インフラ改善計画」、円借款「ラムドン省農業開発インフラ改善計画(フェーズ1)」)


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