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令和5年5月21日
正面を向き、握手を交わす、両首脳の様子 日ウクライナ首脳会談(写真提供:内閣広報室)
テーブルにつき、会談を行う、両首脳の様子 日ウクライナ首脳会談(写真提供:内閣広報室)

 5月21日18時20分過ぎから約50分間、岸田文雄内閣総理大臣は、G7広島サミットの一部セッションに参加するため訪日中のヴォロディミル・ゼレンスキー・ウクライナ大統領(H.E. Mr. Volodymyr ZELENSKYY, President of Ukraine)と首脳会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。

1 G7広島サミットの成果

  • (1)岸田総理大臣から、戦時下の困難な状況の中、ゼレンスキー大統領に広島までお越し頂いたこと、及び、G7広島サミットに参加いただいたことを心から感謝し、歓迎したいとし、平和記念公園の慰霊碑への献花と平和記念資料館訪問に謝意を示しました。その上で、岸田総理から、ロシアの核兵器による威嚇、ましてやその使用はあってはならない、核兵器のない世界に向けて取り組む上でも、ゼレンスキー大統領と共に平和記念公園の慰霊碑で献花を行ったことは重要な意義を有する旨述べました。これに対し、ゼレンスキー大統領から、岸田総理と共に平和記念公園の慰霊碑に献花ができたことは大変光栄であるとの発言があり、その上で、献花及び資料館訪問を通じて、戦争や核兵器のもたらす被害の甚大さへの認識を深めた、戦争が許されないことを再確認したとの発言がありました。
  • (2)3月の岸田総理大臣のウクライナ訪問に際し、ウクライナ側から頂いた全面的な支援と、戦下にもかかわらず温かく迎えてくれたゼレンスキー大統領に改めて感謝申し上げる旨述べました。これに対し、ゼレンスキー大統領からは、3月に岸田総理大臣が戦時下にもかかわらずウクライナを訪問してくれたことに改めて謝意を表明した上で、今回のG7広島サミットに自分(ゼレンスキー大統領)を初めて対面での参加につき招待いただいたことに感謝すると述べました。
  • (3)その上で、岸田総理大臣から、今回のG7広島サミットにおいて、G7がこれまで以上に結束し、あらゆる側面からウクライナを力強く支援するとともに、厳しい対露制裁を継続していくことが不可欠であることを改めて確認した、また、G7以外の招待国との間でも、世界のどこであっても、力による一方的な現状変更の試みは許されず、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持することが重要であることを確認した旨述べました。
  • (4)これに対し、ゼレンスキー大統領からは、広島サミットにおける岸田総理大臣のウクライナに対する支援にお礼申し上げるとともに、そのリーダーシップ、特にグローバルサウスを招待したことを高く評価するとの発言があり、さらに、発出された首脳声明は大変良い内容のものになったと思う、日本と更に協力を進めていきたい旨述べました。

2 ウクライナ支援

  • (1)岸田総理大臣から、ウクライナ側の要請を踏まえ、今般新たに100台規模のトラック等の自衛隊車両及び約3万食の非常用糧食を提供することを伝達した上で、ウクライナ負傷兵を自衛隊中央病院に初めて受け入れることを決定したこと、また、ウクライナ避難民支援のためポーランドが発行するサムライ債にJBICが930億円規模の保証を行うことになったことを紹介し、こういった多面的な支援を積極的に進めていきたい旨述べました。
  • (2)また、岸田総理大臣から、これまでに日本が表明した総計76億ドルの支援を着実に実施していく、先日立ち上げたウクライナ経済復興推進準備会議も活用し、日本の官民を挙げてウクライナの復旧・復興を力強く後押ししていきたい旨述べました。
  • (3)これに対し、ゼレンスキー大統領より、日本からのこれまでの強力なウクライナ支援及び新たな支援に深く感謝すると述べ、両首脳は、今後のウクライナ支援及び復旧・復興のあり方について意見交換を行いました。

3 今後の連携・協力

  • (1)岸田総理大臣から、3月のウクライナ訪問の際に発表した「特別なグローバル・パートナーシップに関する共同声明」を踏まえ、ウクライナとの協力を一層拡大・深化させていきたい、今後も、G7広島サミット及び本日のゼレンスキー大統領との会談の成果を踏まえ、G7議長国としてリーダーシップを発揮していく旨述べました。
  • (2)これに対し、ゼレンスキー大統領から、改めてサミットへの招待とこれまでの支援に対する感謝の意が示され、両首脳は更に緊密に連携していくことで一致しました。

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