外務省・新着情報

令和5年5月22日

 武井俊輔外務副大臣は、5月15日から5月19日までジャマイカ及びセントルシアを訪問し、カリブ共同体(カリコム)外交・共同体関係理事会会合(COFCOR:カリコム外相会合)に出席及び各国要人と会談等しました。同訪問の概要は以下のとおりです。

(参考)カリブ共同体(カリコム)加盟14か国
アンティグア・バーブーダ、ガイアナ、グレナダ、ジャマイカ、スリナム、セントクリストファー・ネービス、セントビンセント及びグレナディーン諸島、セントルシア、ドミニカ国、トリニダード・トバゴ、ハイチ、バハマ、バルバドス、ベリーズ

1 ジャマイカ(5月15日~17日)

第26回カリコム外相会合(COFCOR)に出席する武井副大臣の様子
ロゴマークを発表する武井副大臣

(1)武井副大臣は、5月16日及び17日に開催された第26回カリコム外相会合(COFCOR)に域外国として出席するためジャマイカを訪問し、17日に、COFCOR域外国セッションでスピーチを行いました。武井副大臣はスピーチの中で、日本は2014年に発表した対カリコム政策を踏まえ、小島嶼国の脆弱性克服のため、一人当たりの所得水準とは異なる観点からの協力を行ってきていることを述べるとともに、2024年を「日・カリブ交流年」としてカリコム諸国との交流を一層強化していくことを表明し、同交流年のロゴマークを発表しました。また、G7議長国として、気候変動等の地球規模課題に対処するとともに、安保理改革を始め国連の機能強化、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を堅持し強化するためにカリコム諸国と連携していく等述べました。参加外相からは、G7議長国を務める我が国の域外国セッションへの参加を歓迎しつつ、小島嶼国特有の脆弱性克服のための日本からの支援に対する謝意が述べられるとともに、来年の日・カリブ交流年に向けて幅広い交流を強化させていきたい旨の発言がありました。

ジョンソン=スミス外相と握手しながら記念撮影をする武井外務副大臣
武井外務副大臣が、ジョンソン=スミス外相と会談している様子

(2)武井副大臣は、17日にCOFCOR議長国であるジャマイカのジョンソン=スミス外務・貿易大臣(Senator The Hon. Kamina Johnson Smith, Minister of Foreign Affairs and Foreign Trade of Jamaica )と会談を行いました。ジョンソン=スミス外相は、武井副大臣のジャマイカ訪問を歓迎し、COFCOR出席は日本のカリコム重視の表れとして評価する旨述べるとともに、小島嶼国の脆弱性を踏まえた日本からの支援に対し謝意の表明がありました。武井副大臣からは、2024年に外交関係樹立60周年を迎える両国は、「J-J(日・ジャマイカ)パートナーシップ」に基づき、様々な分野で二国間関係を強化していく旨述べるとともに、国際場裡での連携を強化していくことを確認しました。また、双方はウクライナ情勢や東アジア情勢についても意見交換し、引き続き緊密に連携していくことで一致しました。

(3)また、武井副大臣はCOFCOR出席の機会に、カリコム加盟国(全14か国)の内上記ジャマイカを含む9か国の外相(ジャマイカ、ベリーズ、セントルシア、セントクリストファー・ネービス、ハイチ、ドミニカ国、セントビンセント、グレナダ、スリナム)及びカリコム事務局長と個別に会談を行いました。ジャマイカを除く各会談の概要は以下のとおりです。さらに、武井副大臣は、トリニダード・トバゴ及びバルバドスの外相とも昼食会において懇談しました。

ベリーズ

コートニー大臣と握手しながら記念撮影をする武井外務副大臣
武井外務副大臣が、コートニー大臣と会談している様子

 武井副大臣は16日、コートニー外務・貿易・出入国管理担当大臣(Senetor Hon. Eamon Courtenay, Minister of Foreign Affairs, Foreign Trade and Immigration of Belize)と会談を行いました。武井副大臣から、ベリーズはカリコムと中米統合機構(SICA)に属する唯一の国であり、また本年前半はSICA議長国として、国際場裡で重要な役割を担う同国の貢献を評価する旨述べるとともに、カリブ諸国に対しては、小島嶼国特有の脆弱性克服の観点から持続的発展に向けた協力を実施していることを説明しました。コートニー大臣からは、日本からの支援への謝意とともに、小島嶼国の脆弱性克服に向けた支援の継続及び国際社会での引き続きの協力の要請がありました。また、双方はウクライナ情勢や東アジア情勢について意見交換し、二国間、カリコム及びSICAと引き続き連携していくことを確認しました。

セントルシア

バプティスト大臣と握手しながら記念撮影をする武井外務副大臣
武井外務副大臣が、バプティスト大臣と会談している様子

 武井副大臣は16日、バプティスト外務・国際貿易・民間航空・海外移住者大臣(The Hon. Alva Romanus BAPTISTE, Minister for External Affairs, International Trade, Civil Aviation and Diaspora Affairs of Saint Lucia)と会談を行いました。武井副大臣からは、東カリブの主要国であるセントルシアは、価値や原則を共有する重要なパートナーであり、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化に向けて連携していきたい旨述べました。また、武井副大臣から、カリブ諸国に対しては、小島嶼国特有の脆弱性克服の観点から持続的発展に向けた協力を実施していることを説明しました。バプティスト大臣からはセントルシアを含む小島嶼国の脆弱性克服のための日本の支援に謝意が表明されるとともに、引き続きの協力要請がありました。また、この後予定されている武井副大臣のセントルシア訪問を歓迎する旨述べました。双方はウクライナ情勢や東アジア情勢についても意見交換し、二国間及び東カリブ諸国機構(OECS)を通して引き続き連携していくことを確認しました。

セントクリストファー・ネービス

ダグラス大臣と握手しながら記念撮影をする武井外務副大臣
武井外務副大臣が、ダグラス大臣と会談している様子

 武井副大臣は16日、ダグラス外務・国際貿易・産業・商業及び消費者問題・経済開発・投資大臣(The Right Hon. Dr. Denzil Llewellyn DOUGLAS, Minister of Foreign Affairs, International Trade, Industry, Commerce and Consumer Affairs, Economic Development and Investment of the Federation of Saint Christopher and Nevis)と二国間会談を行いました。武井副大臣から、セントクリストファー・ネービスは、価値や原則を共有する重要なパートナーであり、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化に向けて連携していきたい旨述べるとともに、カリブ諸国に対しては、小島嶼国特有の脆弱性克服の観点から持続的発展に向けた協力を実施していることを説明しました。ダグラス大臣からはセントクリストファー・ネービスを含む小島嶼国の脆弱性克服のための日本の支援に謝意が表明されるとともに、この問題について国際社会において議論を進めていく上で、日本の協力を得たい旨述べました。双方はウクライナ情勢や北朝鮮を含む東アジア地域情勢についても意見交換し、引き続き緊密に連携していくことで一致しました。

ハイチ

ジェネウス大臣と握手しながら記念撮影をする武井外務副大臣
武井外務副大臣が、ジェネウス大臣と会談している様子

 武井副大臣は17日、ジェネウス外務・宗務大臣(H.E. Jean Victor GÉNÉUS, Minister for Foreign Affairs and Worship of Haiti)と会談を行いました。武井副大臣から、ハイチは価値や原則を共有する重要なパートナーであり、最近の治安情勢・人道状況の悪化を懸念するとともにハイチの安定化に向けて引き続き国際社会とも連携しつつ、貢献していく旨述べました。ジェネウス大臣からは、ハイチが置かれた困難な状況、今後の政治プロセスについて説明があるとともに、日本からの支援への謝意の表明、引き続きの協力の要請がありました。双方は、ウクライナ情勢及び東アジア情勢、安保理改革等の国際社会における課題についても意見交換し、国際場裡でも協力していくことを確認しました。

ドミニカ国

ヘンダーソン大臣と記念撮影をする武井外務副大臣
武井外務副大臣が、ヘンダーソン大臣と会談している様子

 武井副大臣は17日、ヘンダーソン外務・国際ビジネス・貿易・エネルギー大臣(Hon. Dr. Vince HENDERSON, Minister for Foreign Affairs, International Business, Trade and Energy of the Commonwealth of Dominica)と会談を行いました。武井副大臣から、本年後半にカリブ共同体(カリコム)議長国を務める予定のドミニカ国とは、防災や気候変動、水産分野などで二国間のみならずカリコムとも協力を深化させたい旨述べるとともに、カリブ諸国に対しては、小島嶼国特有の脆弱性克服の観点から持続的発展に向けた協力を実施していることを説明しました。ヘンダーソン大臣からはカリブの小島嶼国の脆弱性克服のための日本の支援に謝意と支援の継続への期待が表明されるとともに、地域における水産業の重要性につき説明がありました。双方はウクライナ情勢や東アジア情勢について意見交換し、二国間及びカリコム、さらにOECS(東カリブ諸国機構)を通して引き続き連携していくことを確認しました。

セントビンセント及びグレナディーン諸島

ピーターズ外務大臣と握手しながら記念撮影をする武井外務副大臣
武井外務副大臣が、ピーターズ外務大臣と会談している様子

 武井副大臣は17日、ピーターズ外務大臣(Senator The Hon. Keisal M. Peters, Minister of Foreign Affairs of Saint Vincent and the Grenadines)と会談を行いました。武井副大臣から、セントビンセントは日本と同じ海洋国家であり、価値や原則を共有する重要なパートナーであるとともに、現在、ラテンアメリカ・カリブ諸国共同体(CELAC)議長国の同国と、引き続き法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化のために連携したい旨述べるとともに、カリブ諸国に対しては、小島嶼国特有の脆弱性克服の観点から持続的発展に向けた協力を実施していることを説明しました。ピーターズ大臣からはスフリエール火山噴火時の緊急援助にも言及しつつ、セントビンセントを含む小島嶼国の脆弱性克服のための日本の支援に謝意が表明されるとともに、今後とも草の根レベルの交流を含め二国間関係を強化していきたい旨述べました。双方はウクライナ情勢や東アジア情勢についても意見交換し、引き続き緊密に連携していくことで一致しました。

グレナダ

アンドール大臣と握手しながら記念撮影をする武井外務副大臣
武井外務副大臣が、アンドール大臣と会談している様子

 武井副大臣は17日、アンドール外務・貿易・輸出開発大臣(The Hon. Joseph ANDALL, Minister for Foreign Affairs, Trade & Export Development of Grenada)と会談を行いました。武井副大臣から、グレナダは、価値や原則を共有する重要なパートナーであり、防災や気候変動、水産分野などで二国間のみならずカリコムとも協力を深化させたい旨述べるとともに、カリブ諸国に対しては、小島嶼国特有の脆弱性克服の観点から持続的発展に向けた協力を実施していることを説明しました。アンドール大臣からはグレナダを含む小島嶼国の脆弱性克服のための日本の支援に謝意が表明されるとともに、気候変動や防災、水産分野等での引き続きの協力を要請しました。双方はウクライナ情勢や東アジア情勢について意見交換し、引き続き緊密に連携していくことで一致しました。

スリナム

ラムディン大臣と握手しながら記念撮影をする武井外務副大臣
武井外務副大臣が、ラムディン大臣と会談している様子

 武井副大臣は17日、ラムディン外務・国際商業・国際協力大臣(His Excellency Albert R. RAMDIN, Minister of Foreign Affairs, international Business and International Cooperation of Suriname)と会談を行いました。武井副大臣から、昨年9月の国連総会の機会における日・スリナム外相会談に引き続いての二国間会談を歓迎しつつ、価値や原則を共有する重要なパートナーであるスリナムとの間で、防災や気候変動、水産分野など二国間のみならずカリコムとも協力を深化させたい旨述べました。また、双方はウクライナ情勢や東アジア情勢について意見交換し、引き続き緊密に連携していくことで一致しました。

カリコム事務局

バーネット・カリコム事務局長と握手しながら記念撮影をする武井外務副大臣
武井外務副大臣が、バーネット・カリコム事務局長と会談している様子

 武井副大臣は17日、バーネット・カリコム事務局長(Dr. Carla Natalie BARNETT, Secretary-General Caribbean Community)と会談を行い、日・カリコム関係、経済協力、国際場裡での協力等につき意見交換を行いました。武井副大臣より、基本的価値を共有するカリコム諸国は重要なパートナーであり、カリコム事務局の協力も得つつ、2024年の日・カリブ交流年に向けて日・カリコム関係を一層深化していきたい旨述べました。バーネット事務局長は、我が国との長年に亘る協力関係の積み重ねに言及しつつ、小島嶼国の脆弱性を踏まえた日本の支援を高く評価しつつ、こうした考え方に基づき国際社会での議論においても協力していきたい旨述べました。双方は、交流年を機に国際場裡での協力や人的交流を一層活発化させることで認識が一致しました。

道路交通管理センターを視察する武井外務副大臣
JICA海外協力隊員の活動現場である国立競技場を視察する武井外務副大臣

(4)経済協力案件視察
 武井副大臣は16日、キングストン市内において、有償資金協力「エネルギー管理及び効率化計画」の道路交通管理センター及びJICA海外協力隊員の活動現場である国立競技場を視察しました。

JICA海外協力隊員と記念撮影をする武井外務副大臣
現地在留邦人の皆さんと記念撮影をする武井外務副大臣

(5)懇談等
 武井副大臣は16日、JICA海外協力隊員及び現地在留邦人とそれぞれ懇談しました。

2 セントルシア(5月18日~19日)

プロスペー大臣と握手しながら記念撮影をする武井外務副大臣
武井外務副大臣が、プロスペー大臣と会談している様子

(1)武井副大臣は、19日、プロスぺー農業・漁業・食料安全保障・村落開発大臣(Dr. Alfred PROSPER, Minister of Agriculture, Fisheries, Food Security and Rural Development of Saint Lucia)と会談を行いました。両者は対セントルシア支援で重要な役割を果たしている水産関連を含めた経済協力関係について意見交換しました。プロスペー大臣からは、武井副大臣のセントルシア訪問を歓迎するとともに、我が国の水産分野への支援に対する高い評価とともに謝意が述べられました。

橋梁掛け替えに関する経済協力案件の視察を行う武井外務副大臣の様子
キング・セントルシア上級大臣兼インフラ・港湾・国土開発・都市再開発大臣と意見交換をする武井外務副大臣

(2)経済協力案件視察
 武井副大臣は19日、キング・セントルシア上級大臣兼インフラ・港湾・国土開発・都市再開発大臣(Stephenson KING, Senior Minister and Minister for Infrastructure, Ports, Transport, Physical Development and Urban Renewal of Saint Lucia)の同行のもと、橋梁掛け替えに関する経済協力案件の視察を行い、小島嶼国が抱える気候変動や自然災害に対する脆弱性に基づくインフラ関連を含めた経済協力関係について意見交換しました。

フェルディナンド観光・投資・創造産業・文化・情報政務次官と握手しながら記念撮影をする武井外務副大臣

(3)武井副大臣は19日、フェルディナンド観光・投資・創造産業・文化・情報政務次官(The Hon. Guibion Ferdinand, Parliamentary Secretary for Tourism, investment, Creative Industries, Culture and Information of Saint Luciaと、2024年の日・カリブ交流年に向けた交流の強化、観光開発等について意見交換を行いました。

サルガッサム海藻の被害状況を視察する武井外務副大臣

(4)視察・懇談
 武井副大臣は18日、我が国が協力を実施しているサルガッサム海藻の被害状況を視察した他、対カリブ諸国支援で重要な役割を果たすJICAセントルシア事務所の訪問及びJICA専門家・海外協力隊員との懇談を行いました。

JICAセントルシア事務所に訪問し記念撮影をする武井副大臣の様子
JICA専門家・海外協力隊員と記念撮影をする武井外務副大臣

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