経産省・新着情報

2023年5月30日(火曜日)
9時40分~9時50分
於:本館10階記者会見室

冒頭発言

電力料金

おはようございます。私から1点申し上げます。
先日、大手電力7社による電力の規制料金の値上げの認可を行ったところであります。新料金が6月1日から適用されることになります。今回の料金改定の内容や値引き支援などの効果について、需要家の皆様に正確に御理解いただけるようですね、情報提供、丁寧に説明を行ってまいりたいと考えております。
政府としては、こうした値上げによる電気料金の負担増加を軽減する激変緩和策として、標準的な御家庭で月2,800円程度の値引き支援を実施していきます。引き続き実施していくということですね。これに加えて、極めて厳格な査定を行いましたし、23年度のFIT賦課金の低下分、それから燃料費の調整額などを加味して、標準的な御家庭の電気料金を試算しますと、値上げはありますけれども、値上げ後の料金はですね、ほぼ全社でロシアによるウクライナ侵略前であります2022年の2月を下回る水準となります。
なお、先般明らかになりました4月分の貿易統計の速報値、速報値を用いて最新の燃料費調整額を計算しますと、標準的な御家庭で試算した6月の使用分、7月の請求額ですね、これが更に300円から600円程度低下することになります。
中長期的には省エネ対策の徹底に加えて、再エネ、原子力などの脱炭素電源への転換を促進することを通じて、過度な化石燃料源、化石エネルギー源への依存から脱却し、燃料価格高騰にも耐える強靱なエネルギー需給構造への転換を進めてまいりたいと考えております。
省エネ補助金も、家庭用向けも2,800億円用意しておりますし、また企業向けの省エネ補助金、これも3年間で5,000億円確保しておりますので、是非有効に活用していただきながら、少しエネルギー価格、落ち着いていますが、いつ何どきまたいろんな危機が起こるかもしれませんので、状況も急変することもあり得ますので、長い目で見て、そうした危機に強い需給構造を是非作っていきたいと考えております。
私からは以上です。

質疑応答

IPEF

Q: 先日、アメリカのデトロイトで開かれたIPEFの閣僚会合で、供給網の分野で実質合意されてました。発足から1年で大きな成果ということだと思いますけども、一方で残りの3分野というのは各国の温度差であるとか、ちょっと合意がなかなか難航するんじゃないかという見方も出てますけども、今後、日本としてどのようにこの交渉に取り組んでいくのかとか、お考えをお聞かせください。

A: はい。まず、IPEFの閣僚会合では、サプライチェーン協定の実質妥結をすることができました。まさに信頼できるパートナーとの間で強靱なサプライチェーンを構築していくということで、グローバルサウスと言われる国々、大国でありますインドとかインドネシア、あるいは人口1億人と考えればフィリピンなども含めて、これはCPTPPに加入してない、そうしたグローバルサウスの大国も含めて、サプライチェーンの強靱化に向けての合意ができたことは私は非常に大きな意義があったと思っております。
その上で、残りの3分野、貿易、クリーンな経済、そして公正な経済の3つの分野ですけれども、まさに従来の通商協定のスコープを越えて、未来志向で取り組んでいくということが重要だと思っています。
その中で、今回合意されました水素のイニシアチブ、これは日本とシンガポールが主導してまとめましたけれども、まさに先例となり得るものだと思っています。具体的な実利につながるような、そんな取組を、具体的なプロジェクトを組成することによって、新たな課題にも挑戦していくという各国の機運を是非醸成をしていきたいと考えております。
特にクリーンな経済では、日本の技術、あるいは人材育成などの取組、こうした支援も非常に期待されているところが大きいと思いますので、まさに高いレベルのルールと、それから協力による実利、このバランスの取れた、そうした魅力的なパッケージとなるよう、日本としても是非交渉を主導していきたいと思いますし、特にアメリカとも連携しながら交渉を加速していきたいと考えております。

原子力政策

Q: 本日、経産委員会で原発の60年超運転を可能とする脱炭素電源法案、これ採決までいきますけども、恐らく明日、参院の本会議で成立となります。原発の長期運転については多くの不安も寄せられてきましたけども、成立後どのように大臣として国民に理解を求めていくお考えでしょうか。

A: まず、今日この後、内閣委員会との合同審査があり、そして総理入りでの審査が、審議があり、更に委員会での審議が続くということで、しっかりと野党の委員の皆さんからの御質問に答えて、できるだけ丁寧に説明をしていきながら、採決に向けて私としてできることを全力で尽くしていきたいと考えております。
その上で、審議の中でも申し上げてきていることでありますけれども、我々エネルギー政策を進めるに当たって、東京電力福島第一原子力発電所の事故、これの教訓、反省、これはもう一時たりとも頭を離すことなく忘れることなく、常に頭に置きながら進めていかなければならないということであります。そのことを今回、原子力基本法の中にも「安全神話」というこれまで法令で使われたことのない用語を法案で書き込んでおります。法制局とも用語の整理をして書き込んでおります。まさに安全神話に今後とも陥ることなく取り組まなきゃいけない、最善かつ最大の努力をしていかなきゃいけないということを明記したところであります。
その上で、独立した原子力規制委員会による極めて厳しい適合性審査がございます。今回の法案の中では、30年を超えるごとに10年以内ごとに審査がありますので、この審査を通らないと、認可を受けないと運転はできないという、世界で最も厳しいとも言われるこの基準に適合していかないといけないということでありますので、このことは何ら変わっていないということでありますし、40年、20年の運転期間についても、諸外国では例が見られない、主要国では例が見られない中で、上限規制が見られない中で、我々はもう自己抑制的に、利用する側としても40年、20年という原則を維持しながら、ただし、新しい基準に適合するために審査を受けている期間など他律的な要因によって止まっている期間については、そのカウントから除外するということを今回設けております。

そうだとしても2つありまして、原子力発電所が動いている期間は最長60年、これは変わらないということでありますし、仮に60年の、あるいは止まっている期間も含めてそれを超える運転をしようと思っても、規制委員会の基準を満たさないと運転できないということでありますので、ある意味、私ども利用側からも上限を入れて抑制的に制限を加えております。さらに、諸外国と同様に厳しい基準の認可を受けないといけないという規制委員会の認可を受けるということでありますので、ある意味で、私は世界で最も厳しい基準であり、そして自己抑制的に40年、20年の規制も入れておりますので、制限を入れておりますので、そういう意味で、そうした厳しい姿勢で臨んでいく、まさに福島の事故をいっときたりとも忘れることなくそうした姿勢で臨むということを、丁寧にこれからも説明してまいりたいと考えております。

以上

最終更新日:2023年6月12日

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