経産省・新着情報

2023年6月2日(金曜日)
10時10分~10時27分
於:本館10階記者会見室

冒頭発言

日本貿易保険(NEXI)

私から4点申し上げます。
1点目、海外事業に挑戦をする企業に対する支援を強化するということで、貿易保険法施行規則の一部を改正する省令を本日公布し7月1日から施行いたします。
国内の企業が国内金融機関から海外事業に必要な資金の融資を受ける際に、日本貿易保険(NEXI)がその融資リスクをカバーすることで資金調達を円滑化するものであります。
具体的には、G7あるいは産業構造審議会において重要性が示されましたサプライチェーンの強靱化であるとか脱炭素への取組、またスタートアップの海外展開など3分野について7月1日からNEXIが商品提供、リスクをカバーするということを開始する予定であります。特に重要鉱物、LNGといった資源の調達、あるいはアジアでの水素のサプライチェーンの構築、こういったことに関連する幅広い海外事業に適用することを想定しております。
スタートアップを含めまして、国内の企業の皆様方におかれては、是非本制度を活用していただいて、積極的にこうした課題に取り組みながら海外事業に挑戦をしていただきたいと期待をしております。
後ほど事務方から説明をさせます。

医療DX推進本部

先ほど官邸で岸田総理の御出席の下、第2回の医療DX推進本部が開催されました。
私からは、国民の皆さんが自らのニーズに応じて自身の健康医療情報、いわゆるPHR、パーソナルヘルスレコード、これを安全安心に活用できる環境整備が重要であること、そのために歩数とか睡眠時間とか、いわゆるライフログデータが医療機関の診療やフィットネスなどの健康関連サービスに活用されるユースケースを創出していくこと、またそれが適切に行われるための標準化、ルール整備など取り組んでいくというお話をさせていただきました。
具体的には、ユースケース創出のための新たな実証事業を行ってまいります。予算を確保しておりますので実証事業を行っていきます。また、大阪関西万博においてもこのPHRを活用して新たな体験を提供したいと考えております。
そして、こうした取組を進めていくために来月PHRサービス事業協会を設立する予定であります。その活動を支援しながら標準化、ルール整備の取組を進めていきたいと思っております。
経済産業省として医療DXの推進を通じて、国民の皆さんの健康寿命の延伸に貢献していきたいと思っております。また、新たな様々なサービスが生まれてくることも期待したいと思いますので、多くの企業の皆様に参加を期待したいと思います。

石川県出張

それから、3点目、明日、6月3日、石川県に出張いたします。
まず、金沢市近郊で北陸地域はものづくりの集積地域でありますので、ものづくりを代表する企業を訪問したいと思っています。白山市で回転寿司のコンベアを作っている会社、かほく市で航空機エンジンの部品を作っている会社を視察したいと思っております。
その後能登半島の珠洲市へ移動しまして、先月地震で被災した地域でありますが、被害を受けました焼酎とか七輪を製造する中小企業を訪問する予定にしております。
最後には珠洲市長、泉谷市長に地元の特産品でもあります珠洲焼の資料館を御案内いただく予定にしております。

物流革新に向けた政策パッケージ

先ほど官邸で岸田総理出席の下、第2回我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議が開催されました。その中で物流革新に向けた政策パッケージが決定されたところであります。
物流のいわゆる2024問題、来年に迫っているわけですが、喫緊の課題であります。就業時間の規制が導入されるということで、運べなくなるのではないかということが懸念されておるわけですけれども、これを解決するために、トラックの積載率、実は38%ぐらいで4割弱なのですね。6割のトラックというのは空いたまま平均動いているわけでありまして、この積載率を50%に引き上げていくということでかなり改善されますし、トラック1運行当たり、平均3時間荷待ちや荷役作業があると言われております。これを1時間以上短縮することが必要となってきております。これらを取り組めば対応できるということでありますので、このことを推進したいと思っています。
今回のパッケージの中でも、まさに物流の適正化や生産性向上を確実なものとすべく、荷主企業や物流事業者に対する規制的措置の導入など、法案を次期通常国会に提出することを目指しておりますけれども、これでは2024年に間に合いませんので、経済産業省としては今般規制的措置の導入に関する法案提出に先立ちまして発送側の発荷主企業、それから受取側の着荷主企業、そして物流事業者が早急に取り組むべき事項をまとめましたガイドラインを策定いたしました。
後ほど事務方から説明させますけれども、このガイドラインの中で物流への負担となる商慣行の是正、契約の適正化などを具体的に示しております。特に重要なのは今申し上げた荷待ち、荷役作業における時間の削減でありまして、まずどれだけの時間がかかっているかということを把握してもらった上で、そのような時間を2時間以内とまずしていくこと、1時間以上短縮するということ、さらにそれができた場合はもう一段1時間以内にするという目標に向けてさらなる時間短縮に努めるということを荷主企業に求めていきたいと思っております。
また、2023年中、本年中を目途に業界団体や複数の企業の共同によって、業界やあるいは分野の特性に配慮した物流改善のための自主行動計画を作成、公表いただくことも併せてお願いしていくことにしております。
例えばバラ積み、バラ降ろしですと2、3時間かかる荷役の作業も標準パレットとフォークリフトを活用すれば、20~30分短縮できるわけでありますし、バース予約システムを利用すれば荷待ち時間を大幅に短縮できますので、こうした取組を積極的に後押ししていきたいと思っております。
そして、中長期的にはフィジカルインターネットと呼ばれているのですけれども、インターネットのような取組を実際に物流の世界でやっていくわけですが、企業がさっき申し上げたように空きスペースがトラックには結構あるわけですし、倉庫が空いているのもあるわけですね。それを業種を超えて共同輸配送を可能とする。つまりその情報をプラットフォームの中でネット上でAIなどが調整していく、そして業種を超えて共同輸配送していく、こういう仕組みの構築に向けて、標準化とかデジタル化とかプラットフォームを構築していくという取組を進めていきたいと思っております。
いずれにしても今後人手不足と言われる中で、国民生活や経済活動を支える重要な社会インフラである物流を維持していくために、荷主企業が意識を変えてこれまでの商慣行を是正していくことが必要であります。是非荷主企業の皆様にはこの考え方を御理解頂いて、ガイドラインを遵守していただけるようにお願いしたいと考えております。
後ほど事務方から説明をさせます。
もちろん自動配送でロボットが配送していく仕組みであるとか、別途ドローンでの航路を作っていくとか、様々な取組は進めていきたいと考えております。是非御理解を頂きたいと思っております。
私から以上です。

質疑応答

電力需給

Q: この夏の電力需給見通しについて伺います。
5月30日の電力・ガス基本政策小委員会で7、8月の予備率が特に厳しい東京電力管内では数値目標を設けない形で節電要請を出す方針が示されました。ほかの地域も春に出された需給見通しに比べおおむね予備率が悪化していますが、全国のこの夏の電力需給に対する大臣の現状認識と併せて経済産業省としての対応などがあればお聞かせください。

以上です。

A: この夏の電力需給見通しにつきましては、全エリアで安定供給に最低限必要となります予備率3%以上を確保できる見通しとなっております。特に西日本中心におおむね10%程度の予備率を確保しております。
ただ、東京エリアについては追加の供給力公募を実施しましたけれども、一部電源の補修期間の延長も発生しておりまして、7月の予備率は現時点で3.1%と引き続き厳しい見通しであります。
こうした状況を踏まえまして、まず供給面では発電事業者に対しまして事故、トラブルの未然防止を呼びかけるとともに、試運転期の状況の確認、あるいは保守点検時期等の調整を行うなど、引き続き供給力の確保に努めていきたいと思っております。また、需要面におきましても、東京エリアにおいては7月、8月の2か月間に限り無理のない範囲での節電をお願いしたく、是非御協力いただきたいと考えております。
今日も雨が降って蒸し暑い感じですけれども、具体的にはエアコンを早めに点検していただいて掃除をしていただくなど、かなりこれで効率が変わりますので、事前の準備をお願いをしたいと思いますし、日頃から使っていない照明を消すとか冷蔵庫を冷やし過ぎないとかちょっとした工夫の心がけを是非お願いをしたいと思います。
ただ、無理のない範囲でお願いをしたいと思いますので、少しずつできる範囲でやっていただければ、積み重なれば大きな効果が出ますので、是非お願いをしたいと物流革新に向けた政策パッケージ思っております。

石川県出張

Q: 石川県の出張の件で、珠洲市の被災地も視察されるということですけれども、この視察を通して国の施策にどうつなげていきたいかとか、大臣の思いをちょっと改めて聞かせてください。

A: 既に中小企業の皆様には相談窓口を設置しておりますし、様々な支援策を講じております。また、災害に向けての補助の仕組みもありますので、県と連携をしながら対応していきたいと思っておりますが、先般馳知事からも要望を受けておりますので、現地を視察して支援策が十分であるかどうか、それもしっかり見たいと思いますし、何より厳しい状況にある皆さん方、なりわいを継続していけるようにしっかりと支援を行っていきたい、万全を期していきたいと考えております。

以上

最終更新日:2023年6月12日

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