外務省・新着情報

令和5年6月13日

 6月13日(現地時間同日)、バングラデシュ人民共和国の首都ダッカにおいて、岩間公典駐バングラデシュ人民共和国日本国特命全権大使と、ドム・スカルペリ国連世界食糧計画(WFP)バングラデシュ事務所長(Mr. Dom Scalpelli, Resident Representative and Country Director of WFP Bangladesh Office)との間で、供与額5.84億円の対バングラデシュ無償資金協力「コックスバザール県及びバシャンチャール島におけるミャンマーからの避難民に対する救命用食料支援計画(WFP連携)」に関する交換公文の署名が行われました。

  1. バングラデシュでは、ミャンマーから逃れてきた約100万人の避難民(南東部コックスバザール県の避難民キャンプ:約93万人、ノアカリ県バシャンチャール島:約3万人)が、帰還の目途が立たない中で、国際社会からの人道支援に依存せざるを得ない生活を続けています。避難民への食料は、Eバウチャー等を通じて配布されていますが、昨年からの世界的な食料危機の影響で支援割当が不足し、避難民キャンプでは、今年に入り既に2度(3月と6月)、やむなくバウチャー額の段階的引下げが行われており、避難民は食料不足による人道危機に瀕しています。特に、子どもの栄養不良の割合や女性の貧血率等は深刻なレベルに達しており、避難民に対する早急な食料・栄養支援と、その支援を脆弱層に確実かつ効率的に届けるための仕組みの構築が喫緊の課題となっています。
  2. 本協力では、WFPとの連携の下、コックスバザール県の避難民キャンプ及びバシャンチャール島において、脆弱層に配慮した分配システム(脆弱世帯への食料配送サービス等)の構築と栄養価の高い地元の食材へのアクセス改善(地産の葉物野菜や肉魚類を提供するフレッシュ・コーナーの整備・運営等)を通じた包括的な食料支援(鶏肉、野菜、果物、乾物等)を行います。この協力により、避難民の栄養状況の改善が図られ、もってバングラデシュの社会脆弱性の克服に寄与することが期待されます。
(参考1)バングラデシュ人民共和国基礎データ

 バングラデシュ人民共和国は、面積約14.7万平方キロメートル(日本の約4割)、人口1億6,936万人 (2021年、世界銀行)、人口1人当たりの国民総所得(GNI)2,570米ドル(2021年、世界銀行)。

(参考2)Eバウチャー

 生体情報を含む裨益者の情報をカードに登録し、同カード内に月毎に定められた金額をWFPが入金し、裨益者がWFPと提携した地域小売店から特定の食材を購入することを可能にするシステム。


発信元サイトへ