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2023年6月15日

事業用変圧器の新たな省エネ基準に関する報告書を取りまとめました。2026年度を目標とする新たな基準注1を用いた「全損失」は444.1W/台注2であり、2019年度の501.1W/台と比較し、約11.4%の向上が見込まれます。

1.概要

2050年カーボンニュートラルの実現に向け、徹底した省エネルギーによるエネルギー消費効率の改善が重要性を増している中、資源エネルギー庁の省エネ基準に関する審議会注3において、省エネ法注4におけるトップランナー制度に基づく事業用変圧器の新たなエネルギー消費効率(省エネ基準)に関する審議を令和4年9月より行ってきました。その結果、令和5年5月30日の審議会を経て、本日「事業用変圧器の新たな省エネ基準に関する報告書注5」を取りまとめました。

報告書には、対象となる事業用変圧器の範囲、目標年度、区分、目標基準値等について記載するほか、目標年度におけるエネルギー消費効率の改善率についても試算しており、一定程度の向上が見込まれます。

2.目標年度におけるエネルギー消費効率の改善率

事業用変圧器のエネルギー消費効率は「全損失」を指標としていますが、目標年度である2026年度において、対象となる事業用変圧器の「全損失」は、平均すると444.1W/台です。一方、2019年度の「全損失」は501.1W/台であるため、エネルギー消費効率は約11.4%の向上が見込まれます。

3.報告書の概要

(1)対象となる事業用変圧器の範囲

変圧器のうち、定格一次電圧が600Vを超え、7,000V以下のものであって、かつ、交流の電路に使用されるもの。

(2)目標年度

2026年度

(3)区分

種別、相数、定格周波数、定格容量、仕様の5つの要素を踏まえた全24区分を設定

(4)目標基準値

事業用変圧器の次期目標基準値は以下の表注6のとおり。

区分 基準エネルギー消費効率の
目標基準値算定式
種別 相数 定格
周波数
定格容量 仕様
油入 単相 50Hz 500kVA以下 標準仕様 E= 9.34・(kVA)0.737
油入 単相 60Hz 500kVA以下 標準仕様 E= 8.60・(kVA)0.744
油入 三相 50Hz 500kVA以下 標準仕様 E= 14.5・(kVA)0.694
油入 三相 50Hz 500kVA超 標準仕様 E= 10.6・(kVA)0.797
油入 三相 60Hz 500kVA以下 標準仕様 E= 14.4・(kVA)0.681
油入 三相 60Hz 500kVA超 標準仕様 E= 8.00・(kVA)0.825
モールド 単相 50Hz 500kVA以下 標準仕様 E= 14.1・(kVA)0.685
モールド 単相 60Hz 500kVA以下 標準仕様 E= 13.3・(kVA)0.692
モールド 三相 50Hz 500kVA以下 標準仕様 E= 16.9・(kVA)0.699
モールド 三相 50Hz 500kVA超 標準仕様 E= 31.2・(kVA)0.659
モールド 三相 60Hz 500kVA以下 標準仕様 E= 16.2・(kVA)0.702
モールド 三相 60Hz 500kVA超 標準仕様 E= 17.4・(kVA)0.742
油入 単相 50Hz 500kVA以下 準標準仕様 E=(9.34・(kVA)0.737)・1.10
油入 単相 60Hz 500kVA以下 準標準仕様 E=(8.60・(kVA)0.744)・1.10
油入 三相 50Hz 500kVA以下 準標準仕様 E=(14.5・(kVA)0.694)・1.10
油入 三相 50Hz 500kVA超 準標準仕様 E=(10.6・(kVA)0.797)・1.10
油入 三相 60Hz 500kVA以下 準標準仕様 E=(14.4・(kVA)0.681)・1.10
油入 三相 60Hz 500kVA超 準標準仕様 E=(8.00・(kVA)0.825)・1.10
モールド 単相 50Hz 500kVA以下 準標準仕様 E=(14.1・(kVA)0.685)・1.05
モールド 単相 60Hz 500kVA以下 準標準仕様 E=(13.3・(kVA)0.692)・1.05
モールド 三相 50Hz 500kVA以下 準標準仕様 E=(16.9・(kVA)0.699)・1.05
モールド 三相 50Hz 500kVA超 準標準仕様 E=(31.2・(kVA)0.659)・1.05
モールド 三相 60Hz 500kVA以下 準標準仕様 E=(16.2・(kVA)0.702)・1.05
モールド 三相 60Hz 500kVA超 準標準仕様 E=(17.4・(kVA)0.742)・1.05

(5)目標年度におけるエネルギー消費効率の改善率

次期目標基準値については、基準年度(2019年度)の実績出荷台数についての区分及び定格容量ごとの構成に変化がないとの前提で、基準年度の実績値に対して、約11.4%向上することが見込まれます。

注1 新たな基準は特定の数値ではなく、算定式で標記される。
注2 標準仕様の変圧器に限る。
注3 総合資源エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会 省エネルギー小委員会 変圧器判断基準ワーキンググループ
注4 エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律
注5 総合資源エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会 省エネルギー小委員会 変圧器判断基準ワーキンググループ 事業用変圧器のとりまとめ
注6 E:変圧器の基準エネルギー消費効率(単位:W)

関連資料

担当

資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部
省エネルギー課長 稲邑
担当者:井澤、宮原 
電話:03-3501-1511(内線 4541~6)
メール:bzl-toprunner-shoene★meti.go.jp
※ [★]を[@]に置き換えてください。

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