外務省・新着情報

令和5年6月15日

 6月15日(現地時間同日)、バングラデシュ人民共和国の首都ダッカにおいて、岩間公典駐バングラデシュ人民共和国日本国特命全権大使と、ヨハネス・ヴァン・デル・クラウー国際連合難民高等弁務官事務所(UNHCR)在バングラデシュ事務所代表(Mr. Johannes van der Klaauw, UNHCR (United Nations High Commissioner for Refugees) Representative in Bangladesh)との間で、供与額3.91億円の対バングラデシュ無償資金協力「コックスバザール県及びバシャンチャール島におけるミャンマーからの避難民のための人道的保護計画(UNHCR連携)」に関する交換公文の署名が行われました。

  1.  バングラデシュのコックスバザール県では、93万人を超えるミャンマーからの避難民が、過密なキャンプで生活していますが、2017年の大規模流入から約6年が経過した今も、一時滞在を前提とした仮設住宅(シェルター)での居住を余儀なくされています。竹やビニール等の簡易素材で作られたシェルターは脆弱で、乾季の火災、雨季の洪水や地滑り、季節の変わり目のサイクロンによる風水害等、一年を通して頻発する様々な災害の度に焼失や倒壊・損壊等の甚大な被害(今年3月の火災では9,500軒以上、5月のサイクロン「モカ」では7,500軒以上が被災)を受けるため、避難民は避難先においても人道上の危機に晒されています。人間の安全保障の観点から、従来よりも丈夫な資材でシェルターを再建・修繕する必要があります。
     バシャンチャール島には、避難民キャンプから移り住んだ約3万人の避難民が暮らしています。同島は地理的に、サイクロンや高潮等の自然災害に脆弱であることから、シェルターは、災害対策が必要であることに加え、避難民人口の過半数を占める子供と女性にとって、防犯やプライバシー保護の点で不備が見られます。また、島内用地の整備も不十分で、高齢者や障がい者の島内移動やシェルターへのアクセスに支障が出ています。避難民が、滞在中に安全で安心した生活を送るには、シェルター及び周辺用地の増改築・再整備、定期的な維持管理、災害対応訓練等が急がれています。
  2.  本協力は、避難民の保護を目的に、コックスバザール県の避難民キャンプ及びバシャンチャール島において、シェルターの再建・改修や避難用地の整備・開発等を行うものです。これにより、避難民の安全な住環境の確保を図り、もってバングラデシュの社会脆弱性の克服に寄与することが期待されます。また、本協力によりバングラデシュの社会脆弱性の克服及び社会経済の安定に寄与することは、南アジア及び東南アジア間の連結性の強化と今後の貿易・投資などの経済関係の拡大、さらには「自由で開かれたインド太平洋」の推進にもつながることが期待されます。
(参考)バングラデシュ人民共和国基礎データ

 バングラデシュ人民共和国は、面積約14.7万平方キロメートル(日本の約4割)、人口1億6,936万人(2021年、世界銀行)、人口1人当たりの国民総所得(GNI)2,570米ドル(2021年、世界銀行)。


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