外務省・新着情報

冒頭発言

【林外務大臣】本日、私は、地方の魅力を世界に発信する「地方を世界へ」プロジェクト第4弾として、ここ秋田に参りました。
 午前には、9名の駐日大使と共に、日本酒の製造工程の視察や東北を代表する祭りの一つである秋田竿燈まつりで使用される竿燈を体験し、歴史ある秋田の魅力を改めて感じたところであります。その後、知事、秋田市副市長及び地元経済界の皆様も交えて、地方の魅力の発信、我が国の外交政策について率直な意見交換を行ったところでございます。
 午後には、秋田洋上風力発電施設を視察しました。洋上風力発電は、先月のG7広島サミットでも議論が行われました脱炭素化に向けた重要な取組でございまして、駐日大使の皆様にもこの分野における我が国の取組を理解いただけたものと思っております。今回の視察は、参加した国々のこの分野における今後の取組の参考になり、ひいては、世界の気候変動の取組に資するものになることを期待しているところでございます。
 また、先ほど、若い方を含め、様々な分野で活躍する秋田の皆様と車座対話を実施しまして、インバウンド拡大、地元産品の海外展開、文化の発信等について有意義な意見交換を行うことができました。秋田の魅力を世界に発信し、地域や世界の課題に取り組もうとされておられる皆様の活動に、私自身大きな刺激を受けたところでございます。
 今回の訪問を通じて伺った地元の方々の御意見や御知見を踏まえ、私自身が先頭に立って、地方の魅力を世界に発信し、インバウンド需要の喚起、そして地域の更なる活性化につなげていきたい、こういう風に思っております。

質疑応答

【記者】今日参加された大使の中には「グローバルサウス」と呼ばれる新興国や途上国に日本の洋上風力発電を視察してもらいました。世界の気候変動対策にどうつながるとお考えでしょうか。気候変動分野でグローバルサウスをどのように支援していきたいか、お伺いします。

【林外務大臣】気候変動は、「気候危機」とも呼ぶべき人類共通の待ったなしの課題であります。この課題にG7だけで対応することは当然できるわけではないので、いわゆるグローバル・サウスと呼ばれる国々を始めとする国際社会全体として協力して対応することが不可欠だと考えております。
 先般のG7広島サミットでも、気候変動について招待国や国際機関を交えて議論を行いまして、G7も、アジアを含む世界の国々と共に世界の脱炭素化に取り組む必要があることを確認しております。
 今回、いわゆるグローバル・サウスの国からも多くの駐日大使に参加いただいたわけですが、駐日大使に我が国の洋上風力発電施設をじっくりと視察いただいたことで、各国が脱炭素化に向けた取組を今後更に進める上での参考になり、ひいては世界の気候変動の取組に資するものになることを期待しております。
 世界の脱炭素化を進めていく上では、各国それぞれの事情に応じて、あらゆる技術やエネルギー源を活用する多様な道筋の下で、ネット・ゼロという共通のゴールを目指していくことが必要になります。我が国は、「公正なエネルギー移行パートナーシップ」や「アジア・ゼロエミッション共同体」構想の実現等を通じてですね、いわゆるグローバル・サウスを含む各国の事情を踏まえながら、経済成長を損なうことなく、エネルギー移行を支援していきたいと考えております。

【記者】明日から北京で米中外相会談が開かれます。台湾海峡やウクライナ問題などについて議論が行われると思いますが、日本としてはこの議論、どのように注目されていますでしょうか。また、来週から欧州、ロンドンやパリを訪問されると思いますが、G7外相会合の必要性についてはどのようにお考えでしょうか。

【林外務大臣】ブリンケン米国務長官がですね、6月18日から19日まで訪中する旨、米中両政府が発表されたと承知しております。
 第三国間のやり取りについてコメントすることは差し控えたいと思いますが、その上で申し上げますと、米中両国の関係の安定は、国際社会にとっても極めて重要であると考えております。日本としては、引き続き同盟国たる米国との強固な信頼関係の下で、様々な協力を進めながら、中国に対して大国としての責任を果たしていくよう働きかけていきたいと考えております。
 なお、G7議長国として、引き続きG7間の緊密な連携を確保していく考えでありますが、ロンドンにおけるG7外相会合の開催につきましては、何らまだ決まっていないということでございます。

【記者】洋上風力についてお聞きします。本日、セリオンから稼働している洋上風力発電施設を実際にご覧になられたご感想と、各国大使の反応を教えてください。また、脱炭素化の切り札とされる洋上風力の最前線を走っている秋田を、外務省としてどう世界に発信していくお考えかをお願いします。

【林外務大臣】先ほど訪問した洋上風力発電施設ですが、今年1月にですね、秋田港にて運転が始まったばかりの日本国内初のですね、商業ベースでの大型事業でして、私自身も大変興味深く見させていただきました。共に視察した駐日大使の皆さんもですね、大きな関心を持って関係者の説明を聞いた上で、積極的に質問をされておられました。本日の経験も活用しつつですね、私自身先頭に立って、食・文化、そして観光といった秋田の多様な魅力に加えましてですね、クリーンエネルギーを推進するといった秋田の率先した取組、これも今後もしっかりと世界に発信していきたいと思っております。

【記者】視察を終えて感じた秋田の印象だったり、感想を教えてください。

【林外務大臣】今回秋田でですね、様々な視察、そして地方の関係者の皆さんと意見交換致しました。はやり、秋田の多様かつ奥深い魅力に改めて触れることができたと思っております。そして、その素晴らしい魅力をですね、一緒に来ていただいた9名の駐日大使を通じて世界に発信していただく、有意義な機会になった、こういう風に思っております。そして、秋田を拠点に多様な分野で活躍されている6名の皆様からそれぞれの大変興味深い現場での御経験や思いを、直接伺って意見交換することができました。魅力を発信し続けるその姿からですね、秋田の未来というものを確かに感じることができました。秋田の皆様の、時に厳しい自然に育まれた、温かい気持ちに根ざした国際交流や伝統文化振興、インバウンド拡大の取組に大いに共感したところです。
 今回の訪問を通じて伺った地元の皆様の色んな御知見や御意見、これを私自身が先頭に立って、地方の魅力ということで世界に発信して、インバウンド需要の喚起、そして地域の更なる活性化につながるように努力して参りたいと思っております。

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