内閣府・新着情報

日時

2023年5月26日(金)10:00~11:33

場所

消費者委員会会議室及びテレビ会議

出席者

(構成員)
【会議室】
後藤座長
黒木座長代理
【テレビ会議】
木村委員
(オブザーバー)
【会議室】
中川丈久 神戸大学大学院法学研究科教授
板谷伸彦 特定非営利活動法人消費者機構日本専務理事
【テレビ会議】
大石委員
丸山絵美子 慶應義塾大学法学部教授
川出敏裕 東京大学大学院法学政治学研究科教授
山本和彦 一橋大学法学部教授
(事務局)
小林事務局長、岡本審議官、友行参事官

議事次第

  1. 開会
  2. 報告書骨子案等について
  3. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○友行参事官 本日は、皆様、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

ただいまから、消費者委員会第46回「消費者法分野におけるルール形成の在り方等検討ワーキング・グループ」を開催いたします。

本日は、後藤座長、黒木座長代理、中川委員、板谷委員は会議室にて御出席、その他の皆様はテレビ会議システムにて御出席でございます。

議事に入る前に、配付資料の確認をさせていただきます。お手元の議事次第に配付資料を記載しております。不足等がございましたら、事務局までお知らせください。

報道関係者を除く一般傍聴者の皆様には、オンラインにて傍聴していただいております。議事録については後日公開いたします。

ウェブ会議の御留意事項を申し上げます。ハウリング防止のため、御発言いただく際以外はマイクをミュートの状態にしていただきますようお願いいたします。御発言の際は、あらかじめチャットでお知らせいただき、座長に御確認いただいた後、指名された方はマイクのミュートを解除して、冒頭でお名前をおっしゃっていただき、御発言をお願いいたします。配付資料を参照する場合は、該当ページも併せてお知らせいただけますと幸いです。御発言の際にはカメラのマークをオンにしていただけましたら、お話しになっている方が分かりますので、御協力をお願いいたします。音声が聞き取りづらいなど、そういった場合にはチャットでお知らせください。

会場にて御出席の皆様におかれては、挙手にて御発言をお願いいたします。

それでは、後藤座長、以降の進行をよろしくお願いいたします。


≪2.報告書骨子案等について≫

○後藤座長 座長を務めております後藤です。本日もよろしくお願いいたします。

それでは、本日の議題に入らせていただきます。

本ワーキング・グループにおいて、これまでいわゆる「破綻必至商法」について整理を行うとともに、当該商法による消費者被害を回復するための具体的方策について、当ワーキング・グループの委員を含めた有識者へのヒアリングを行ってきました。

本日は、最終的な報告書の取りまとめに向けて、これまでのヒアリング結果等を踏まえた報告書骨子案について意見交換を行いたいと思います。

議論を整理する観点から、本日の意見交換につきましては、資料1の報告書骨子案の記載順に従って、二つのパートに分けて行いたいと思います。

それでは、まず事務局より、報告書骨子案の「1 本報告書が念頭に置くいわゆる「破綻必至商法」の事案の実態」、「2 制度的手当の必要性」及び「3 制度の対象とすべき「破綻必至商法」について」、以上について御説明をお願いいたします。

○友行参事官 それでは資料1を御覧いただけますでしょうか。1ページ目が骨子案の目次となっております。「消費者法分野におけるルール形成の在り方等検討ワーキング・グループ報告書~いわゆる「破綻必至商法」を市場から排除して消費者被害を救済するために~」ということにしております。

全体の構成は、「はじめに」と「おわりに」を除いて五つの章立てとしております。一つ目が「本報告書が念頭に置くいわゆる「破綻必至商法」事案の実態」、二つ目が「制度的手当の必要性」、三つ目が「制度の対象とすべき「破綻必至商法」について」、四つ目が「破綻必至商法を止めて被害を回復するための具体的方策」、五つ目が「4の方策の実効性を高めるための方策」としております。

それでは、2ページ目に入ります。一つ目の「本報告書が念頭に置くいわゆる「破綻必至商法」事案の実態」でございます。まず、このワーキング・グループが立ち上がったそもそもの問題意識をもう一度確認したいと思います。

悪質な消費者被害が起こっていることを踏まえまして、自主的取組や民事ルールでは対応し切れない悪質商法に関して、実効的な法整備や違法収益の剥奪、財産保全等の制度について検討するため、このワーキング・グループは再開されております。そして、2022年、昨年の8月に中間取りまとめが公表されています。その中間取りまとめの後、引き続いて検討が行われ、それを受けての取りまとめということになります。

最初の1の(1)「近年の事案と行政の対応」です。念頭に置くのは、高配当、高利益が得られるとうたって多数の消費者を誘引し、多額の出資をさせて、多数の消費者の被害回復が困難になっている事案、ジャパンライフやWILL・VISION、ケフィア事業振興会、それからMRIインターナショナルのような事案を念頭に置いています。

今申し上げた四つの事案については、中間取りまとめに整理をしております。詳細な事業の形態などはそちらに記載しております。

二つ目のポツですが、ジャパンライフには複数回の行政処分、具体的には4回、WILL・VISIONには複数回の行政処分、消費者安全法の注意喚起が、具体的には3回出されております。

ジャパンライフは当初の預託取引と本質は変わらない商法を、形式上、形を変えて行政処分を潜脱して営業しておりました。

ジャパンライフの状況であります。最初に行政処分を受けたのは2016年であります。その後、2017年には銀行の取引停止が行われるという状態になり、事実上の倒産となりました。その後、2018年の頭にジャパンライフの被害弁護団が破産申立てを行いました。その結果、破産手続が開始されております。そういうわけで、ジャパンライフは団体としては現在存在しておりません。最終的に、最後の債権者集会なども行われておりまして、被害弁済の状況なども分かっております。僅かなパーセントですが、被害者に財産が配当されているというような状況になっています。

その次のWILLの件でございます。WILLは行政処分の対象事業をVISIONに承継させて事業を継続するなど、営業を行っておりました。

WILL・VISIONの現在の状況でありますけれども、今年の1月に関係者の役員が逮捕されております。業務停止中でありましたが、この団体の役員が逮捕されております。団体自体は今どのような状態になっているかは分かりません。もしかすると、存続しているかも分からないです。したがって、被害者救済は進んでいないように思われます。

この二つの団体について少し補足して申し上げます。まず、ジャパンライフでございますけれども、ジャパンライフは4回行政処分を受けました。2回目の行政処分のときに消費者庁が公表した資料の中に、次のような記載があります。

ジャパンライフ、同社に対して認定した違反行為は以下のとおりですということで、少なくとも平成27年3月から平成28年12月までの間、預託取引の目的物となる本件商品の数に比して大幅に不足して、約定どおり顧客に割り当てる本件商品が存在しないにもかかわらず、複数の顧客に対しその旨を故意に告げず、顧客の判断に影響を及ぼすこととなる重要な事項である預託等取引契約の目的とするために購入させる本件商品の保有状況について、故意に事実を告げていませんでしたとあります。同社が保有する本件商品の数が、預託等取引契約の目的物となる本件商品の数に比して大幅に不足し、約定どおり顧客に割り当てる本件商品が存在しない状況が続いていたことが分かりましたというような記載があります。2回目の行政処分の際には、そのようなことが分かっておりました。

WILLについても同様の記載があります。WILLは3回行政処分を受けています。いずれの回におきましても、同じような事柄が公表資料に書いてあります。いずれの会計年度においても、WILLの総売上高の99パーセントを本件の商品の販売による売上げが占めており、実際には本件商品の賃借料のほとんど全てを本件商品の売上収入から支払い、本件商品の運用事業により得られた収益から本件商品の賃借料を支払っているわけではないにもかかわらず、あたかも本件商品の運用事業により得られた収益からの本件役務提供契約に基づく本件商品の賃借料が支払えるかのように不実のことを告げているというような記載があります。すなわち、行政処分の状況のときには、こういった事実を行政処分を下した行政庁は分かっておりました。

本報告書が念頭に置くいわゆる破綻必至商法の事案の実態ですが、一つは、何回も行政処分が繰り返し行われているという事案であります。もう一つの特徴としては、行政処分の段階で今申し上げたようなことが分かっているのではないかということです。すなわち、多数の消費者に金銭、すなわち事業が約束した配当を賄うだけの実体を有していないということや、事業スキーム自体が新たな消費者を勧誘して金銭出資等をさせ、当該金銭出資等を原資として先行の出資者への配当を行わざるを得ない状態になっているのではないかということは、今回念頭に置くいわゆる破綻必至商法の事案の実態でございます。

次に、(2)の「消費者の被害実態」にまいります。これはもう既に公表されております消費者委員会がかつて出した建議の中に、こういった情報は盛り込まれております。いずれも、何千人、何万人という規模の被害者がおり、被害総額は何千億円といった規模になっているということでございます。報道ベースから取っておりますので、必ずしも全く正確というわけではないかもしれませんが、このような報道がなされているものを整理したものであります。

矢印のところでありますが、破綻必至商法は今日に至るまで多数・多額の消費者被害を出し続けていることが分かります。刑事裁判で認定される被害額は、それよりもぐっと少なくなっております。

二つ目として、「制度的手当の必要性」であります。(1)は、「設置法附則の検討条項」です。皆さん御承知のとおりと思いますが、消費者庁及び消費者委員会設置法附則の6項で、「多数の消費者に被害を生じさせた者の不当な収益をはく奪し、被害者を救済するための制度」について、法施行後3年を目途に検討を加えて必要な措置を講ずると規定されております。こういった規定に基づいて、景品表示法の課徴金制度や消費者裁判手続特例法の被害回復制度など、適切に導入されたと考えられます。

(2)として、「横断的・一元的な対応の必要性」です。既存の個別法には、業務停止命令、刑事罰の規定はございます。ただ、法人格を消滅させて事業を完全に止めるための規定はありません。既存の個別法が対象としない新たな業態のものも含めて、破綻必至商法については横断的・一元的に対応する必要があると考えます。

例えば、預託法については物や権利が介在しないと適用になりません。物は全て対象になりますが、権利については特定権利といって限定列挙されています。また、無限連鎖講、いわゆるねずみ講は禁止されておりますが、無限連鎖講という定義の配当組織の形をなしていなければ、この法律の対象にはなりません。出資法についても、元本保証をしなければ、この法律の適用除外となります。

3ページ目の(3)にいきます。「新たな被害者の発生抑止(潜脱的営業の禁止)」です。破綻必至商法は時間がたつにつれて被害者が増えるため、業務自体を早期に停止させる必要が高いと考えられます。行政処分を潜脱して営業を継続することができないような仕組みが必要です。

(4)「消費者の被害回復」です。業務停止などの行政処分は、被害回復とは無関係であります。被害回復は個別の権利行使に委ねられており、通常の民事訴訟など既存の各制度による被害回復は十分ではないのが実情です。

(5)の「行政の主体的・迅速な対応」です。大規模消費者被害の回復は、民間セクター、すなわち弁護団を構成する弁護士のボランティアに依存してきています。この方法では持続性がありません。被害者を集め、予納金を集める、そういったことがずっとこの先も続いていくでしょうか。行政が破綻必至商法を認定して迅速に動き出すことが必要であり、そのための情報収集能力や実効性のある調査権限が必要です。行政は、行政処分を出す段階で運用実態がないことを把握していることがあり、その時点で被害の拡大防止のための手段を講じることが可能ではないでしょうか。

三つ目の「制度の対象とすべき「破綻必至商法」について」です。(1)は「中間取りまとめにおける整理」です。高配当・高利益が得られることをうたうことによって多数の消費者を強力に誘引し、多数の者から多額の出資ないし投資を受けるものの、事業による利益が上がらずに、約束した配当ないし利益の提供ができない状態になると、他の消費者から得た出資金から配当ないし利益の提供を行わざるを得ない状況に陥り、そのために新たな出資者を集め、出資者が増えるほど、配当ないし利益の提供をしなければならない金額が増えるため、更に出資者を集めて被害が拡大するという悪循環。これは、中間取りまとめのときに、一旦こういう形で整理をしていただきました。

今度の取りまとめを出すに当たって整理しているのが(2)のところでございます。本ワーキング・グループにおける対象事案、すなわち「破綻必至商法」とはということになりますが、マル1金銭の出資若しくは拠出又は物品又は権利の提供をすれば、事業の収益により一定期間経過後に金銭その他の経済的利益の配当を行う旨を示して消費者を勧誘し、マル2多数の消費者に金銭出資等をさせ、マル3事業が約束した配当等を賄うだけの実体を有していないため、マル4新たな消費者を勧誘して金銭出資等をさせ、当該金銭出資等を原資として先行の出資者への配当等を行わざるを得ない事業スキーム、以上のマル1からマル4全てを満たすものを「破綻必至商法」と定義してはどうかということでございます。

マル2の「多数の消費者に金銭出資等をさせ」というところで、裏返して大量の消費者被害を生むということになります。マル3の「事業が約束した配当等を賄うだけの実体を有していないため」、そのため流用せざるを得ないということであります。

[説明]のところでございますが、事業に充てる名目で金銭等を集めながら、出資者を欺いて先行の出資者の配当に運用するような悪質な事業者を想定しています。

資金繰りに窮した中小事業者は関係ありません。中小事業者が弁済期にある債務を支払うために借入れを繰り返すような自転車操業は、マル3である事業の実体を有さないというものには該当せず、債務の弁済が出資者への配当でなければ、マル4の新たな勧誘をして先行の出資者に対して配当を行うというものには該当しません。したがって、資金繰りに窮した中小事業者は関係ありません。

途中から配当流用を始めて、破綻必至に至った場合も対象となり得ます。

事業の実体が一応存在しているかのように見えても、契約によれば備えるべき実体を大きく欠いているような事案はマル3を満たすと考えられます。

3までの御説明は以上でございます。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

それでは、これより25分程度、意見交換の時間とさせていただきます。ただいまの説明を踏まえて、御質問、御意見等のある方は御発言をお願いいたします。御発言をされる際にはチャット欄に御投稿ください。よろしくお願いいたします。

山本委員、よろしくお願いいたします。

○山本委員 最後の破綻必至商法の定義のところですけれども、中間取りまとめの整理に比べて、よりプレサイズな定義になっていると思います。特に、マル1のところで、高配当とか、強力に誘引するとか、多額の出資というところが客観的な基準が難しいということで、その辺りをそぎ落とした定義になっているということは理解できるのですが、その結果として、ここで書かれているマル1からマル4のうちマル1、マル2は極めて真っ当な事業活動でもこれは前提となるような形、普通に出資を求めるということですので、普通の経済活動の形になっているのかなと理解をしています。結果として、その分、この定義の中でマル3、マル4の部分に対する負荷が大きくなっていると思っているところです。

だから、これで悪質商法を定義するとして十分なのかということについては、私はやや疑念を持っているところがあって、特にベンチャービジネスで確実な利益が上げられるとは限らないようなもの、しかし、成功すれば経済におけるゲームチェンジャーになるような、かなり大規模なプロジェクトみたいなものを考えたときに、当面はマル3にあるような、必ずしも約束した配当を賄うだけの実体といいますか、経済活動にはならない、基礎的な研究を繰り返して、当面は利益が十分上がらない、結果として当面は例えば1パーセントの配当を約束しているというときに、その分は新たな出資者、融資を受けたところから払わざるを得ないというようなビジネスが仮にあったときに、形式的にはこの定義に当てはまってしまいそうな感じがしています。

やはり、そういう確実性がないベンチャービジネスであっても、それを育成していくというのは恐らく日本経済にとって非常に重要だとされていると思うので、そこに阻害があるということだと制度としては成功しないのではないかなと思っていて、そこを何かうまく、特にマル3の配当等を賄うだけの実体を有していない、ここなのですけれども、下の説明を見ると、一番下のポツでは、「契約によれば備えるべき実体を大きく欠いている」というような評価的な文言が入っていて、全く欠いているということではないけれども、大きく欠いているということだと思うのですよね。

ただ、上の定義だと、賄うだけの実体を有していないということになっているので、1パーセント配当を約束したときに、これだと1パーセント配当していくことは難しいのですねということだと、賄うだけの実体を有していないということになってしまうような気もするので、その辺りが一つ課題かなと思っています。

最後のマル4も、配当等を行わざるを得ない事業スキームということになっていて、スキーム的にそういうふうになっている。それも、恐らく永続的にそういうスキームなのだということなのかなと思っていて、成功すればさっきのような大きく配当が得られるようなものではないということなのかなと思うのですけれども、これもマル4の表現でこのスキームということを表しているのかというところは疑問なので、マル1、マル2をこういう形にするのであれば、マル3、マル4はもう少し絞るというか、何らかの文言の調整が必要なのではないかという印象を受けました。

感想程度のものですが、以上です。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

マル1からマル4まで事務局で挙げていただいているのですが、これはマル1、マル2、マル3、マル4の全部がそろう必要があるということですよね。

 

事務局としては、今、山本委員がおっしゃったようなベンチャー企業などの問題について対象事案から除外するということについては、マル1からマル4のどこかで除外するということをお考えになっていたのでしょうか。その辺をお尋ねできたらと思います。

○友行参事官 まず、事業実体を有していないというマル3のところで、曲がりなりにもと言ってはあれですけれども、一応ベンチャービジネスをやろうとしているというのがあるのであれば、それは事業実体を有していないとまでは言えないということであります。

それと、最初の立ち上がりのときに配当を賄うだけのものがきちんと上がってこないということについては、それはマル4で、山本委員がおっしゃったように、永続的にそういうことが起きないというようなスキームになっているかどうかということで、ベンチャービジネスであれば、それを永続的にやろうとは思っていないわけで、いずれは配当が上がってきて、きちんとその人に配当できるということを考えているわけですから、永続的にマル4のようなスキームになっているもののみが該当すると考えていました。

ですけれども、委員がおっしゃったように少し言葉が足りないと思われ、他方、あまり書き込むと、そこから狭くし過ぎてしまうといけないというせめぎ合いなのですけれども、御指摘の点を踏まえて検討したいと思います。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

ただいまの対象事案の点について、御意見がおありでしたらお出しいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

中川委員、よろしくお願いいたします。

○中川委員 今の点、マル3とマル4の関係で確認をしたいのですが、マル3で言う実体というのは何もやっていないということを意味しているのか。何かはやっているのだけどうまく回らないというものまで「実体」という言葉が意味するのであれば、何かはやっているの「何か」はマル4の事業スキームと重なる気もするのですね。なので、マル3の実体を有していないというのはどういう意味かを確認したいのです。

○友行参事官 例えば、形だけ、配当を賄うだけの実体を有していないということで、店を構えていればいいというだけではなくて、約束した配当をきちっと出せるだけの実体を有していないという意味です。

○中川委員 マル4の事業スキームは、スキームの場合は事業を行っているので、実体を有していることになるわけですかね。

○友行参事官 マル4のところで定義しているのは、結局、新たな消費者をまた勧誘して金銭出資をさせなければならない状態になっている、その形を表していることになっています。

○中川委員 マル3とマル4が「かつ」なのか「又は」なのかが気になります。マル3の実体も理解のしようによれば、店は構えているけれども何もやっていないではないかというのであれば、その時点で直ちに破綻必至と言える気がしますし、他方で、マル3はクリアした、実体らしきものはあるのだけども、その実体をよく見るとマル4のような事業スキームであったと理解するならば、マル3かつマル4ではなくて、マル3又はマル4かなと思ったので、実体とはどこまでを意味するのですかという質問をしたのです。

○友行参事官 もう少し考えたいと思いますけれども、結局、破綻必至商法というのは、お金を集めて、配当を渡さなければいけないのですけれども、そのために別の人からお金を集める、そういう形を定義付けなければならないので、「配当を賄うだけの実体を有していない」だけだと、単に実体のないものに1回投資しましたということで、正しく今回破綻必至商法と、終極において破綻するというものを定義していないと考えましたので、まず配当を賄うだけの、形式的なものだけではなくて、実体として、実質として有していないということと、そのスキームが後ろの人からもらったものを前の人に配当しているといった形式になっているというところの両方を定義の中に含めることが必要だろうということで、マル1からマル4を全て満たした場合というふうにしています。

○中川委員 まだ、マル3の実体というのが分かったような、分からないような、もやもやした感じが残るのですが、それは置いておいて、マル4の要件についてお尋ねしたいのですが、新たな投資者から得たお金を前の投資者に対する配当にするというのは、これはもうそれ自体でアウトという理解でいいのですか。例えばベンチャーの場合でも、やはりそれをやっては駄目だという理解でよろしいのでしょうか。そこら辺が私は全然分からないので。

場合によっては、初期の段階ではそういうプロセスもあって、そのうちだんだんちゃんと回っていくようになる、そのうちにはビジネスからの利得を配当に回せるようになるのだけれども、それより以前の段階では、一時的には新たな投資者のお金を回さざるを得ないということも真っ当なビジネスでもあり得るのか、というのが1点。

もう1点は、この事業スキームというのは、例えば無限連鎖講というのは正にマル4に入るわけでいいのですよね。そうすると、事業スキームの類型化というか、事業スキームと言う以上は、そこで枠をはめるということをすれば、かなり定義としてははっきりすると思うのですけれども、もう既に分かっている問題のある事業スキームを列挙した上で、その他は、別途行政が指定するものみたいな感じで新しく出てきたものを次々加えていくという形にすることは考えられるかというのが2番目の質問です。

○友行参事官 マル4の形だけをとったものは必ずしも違法ということにはならないケースもあると思います。ですから、マル1からマル4まで全てそろわないと違法だということを言うのは難しいと思い、御質問の回答としてはそういうことです。

あと、無限連鎖講なのですけれども、これは法律がありますので、無限連鎖講は条文のとおりですけれども、最初に加入した者が先順位になって、以下、これに連鎖して段階的に2以上の倍率を持って増加する後続の加入者がという形で、厳密に定義をされています。それを無限連鎖講の配当組織というふうに定義していますので、例えば2以上の倍率を持たなかったり、そこから外れてしまうと無限連鎖講の対象にならないことが考えられます。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

御質問の点ですが、当該金銭出資等を原資として先行の出資者への配当を行う、このこと自体でアウトなのかということなのですが、この点はどうなのでしょうかね。

黒木座長代理、よろしいですか。弁護士さんですから、そういうことにお詳しいかと思いますが。

○黒木座長代理 非常に難しい問題だと思っています。考える前提となるのは、山本委員も前回お示しいただいた無理算段かどうかだと思っています。結局、実態としては、前の人からの期限の利益を付与してもらっていることを利用して、ただ単にそれを他の人たちに回していて、そこの期限の利益を付与するためだけのスキームとして何らかのビジネスのようなものを装っているということを対象としているのかなと思っています。

例えばケフィア事業振興会や、安愚楽牧場であったとしても、和牛を持っていたりとか、野菜のファームがあったりとかはしていたわけです。しかし、その事業から出てくる収益というのが、継続的に多くの出資者へ分配することはできなかったのに、それの事業からの収益だということでやっているというようなものですね。

そこで、山本委員からおっしゃられたベンチャーはどう違うのかという問題なのですけれども、ベンチャーは、株は渡すけれども、配当はほとんどしないのではないかと思っています。要するに、彼らはキャッシュが非常に厳しいので、株は渡す、あるいは、そういう物を渡しますけれども、ベンチャーファンドは基本的にはエクイティの人たちの話であって、ある種の権利というか、お金を自動的にもらえるようなものを意図しているということはないのではないかと思っていたので、そこの点が今回御指摘をいただいて、ベンチャーのやり方について少し勉強しなければいけないなとは思っていますけれども、そこで、今まで議論していたのは、そんなものをもらったって、ほとんどの人は株とかそんなものをくれますよと言ったって、それは客観性がないので、本当に分かっている人でないと誘引はされないのですけれども、リアルな法定通貨に必ず換わるよみたいなものが出てくるから、人はだまされるのではないかと思っていました。

ただ、御指摘のとおり、もしかするとベンチャーの中でも配当できないのに配当しているようなところはあるのかもしれません。僕は、それはちょっと分からなかったので、考えたいなと思っているところです。

以上です。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

この部分について、特にマル3とマル4の要件について更に考える必要があるという御指摘でして、今すぐどうこうということは出てきませんけれども、考えていくということで宿題とさせていただくということでよろしいでしょうか。

丸山委員、この点についてでしょうか。よろしくお願いいたします。

○丸山委員 私も、マル3とマル4をどのように読むのかという点について、一読したときには疑問に思ったので述べさせていただきます。

既に御指摘があるところでございますけれども、配当等を賄うだけの実体を有していないということと、先行の出資者への配当を、他の者の金銭出資を原資として行わざるを得ないスキームというのがイコールにならないのかというのが疑問としては出てくるところになります。

特にマル4に関しましては、現実に配当流用をしているだけではなく、早晩、配当流用せざるを得ない事業スキームになっているということでございますので、そうなりますと、現実に配当流用しているかどうかというのは本質的な要件とならず、したがって、先ほどから指摘されておりますように、無理算段といいますか、永続的に問題のある虚偽の事業計画や、かなりずさんな事業計画によって出資を募っていれば、この要件に該当してくるのではないかという疑問が生じます。

そうなりますと、配当流用すらせずに、出資だけさせて音信不通になるケースであるとか、払込みを受けて約束した利益を提供できないクラウドファンディングのようなもので無理な事業計画をしている場合は、対象に入ってくるのではないかと思うのですけれども、入ってよいのかという問題と、入ってはいけないものをどう除くのかという問題があるような気がしましたので、やはりマル3とマル4についてはもう少し考える必要があるという印象を持ちました。

以上です。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

マル3とマル4は重なる部分があるという御指摘ですが、丸山委員にお尋ねしたいのですが、重なる部分があるとすると、マル3、マル4のどちらを生かす形にするか。基本はマル3を考えるのか、それともマル4を考えるのかについて、何か御意見がありましたら、いかがでしょうか。

○丸山委員 今すぐに答えは出てこないのですけれども、結局、そこで言っている事業スキームというのが何を意味しているのかというところなのではないかと思います。その事業スキームというのが、約束したことができないような問題のある無理算段な事業計画を意味していると読めてしまっていたので、そういう理解でよいのか否かという辺りを少し考える必要があるという印象でした。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

山本委員、よろしくお願いいたします。

○山本委員 今の点についての若干のコメントですが、私の理解では、中間段階の案では、高配当というのをうたっていたので、例えば20パーセントの配当をするということになると、新しく出資者から募った分も20パーセントとか、更にもっと多くの割合が配当に流れてしまって、実質的な事業にはその部分は投資できないことになるので、そんなことではまともな事業はできないという意味で、私はマル3とマル4はかなりの程度オーバーラップしていたと理解をしています。

その場合には、私はマル4だけでも要件としては成り立っているのかなと思っていたのですが、今回は高配当というのが落ちているので、さっき私が例として挙げたような1パーセントということであれば、それは新しく入金した分、同じだけの入金が仮に毎年あるとすれば、その分の1パーセントだけを配当に回すということなので、その次の年は2パーセントになるかもしれませんが、残りの99パーセントは事業に投資できる可能性があるわけなのです。

そういう意味では、論理的にはマル3とマル4は独立し得るという事務局の議論は、それはそうなのかなと思っていて、そういう意味でマル3の要件にも負荷がかかってくるのではないかというのが私の先ほどの発言の趣旨でした。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

先ほども申し上げましたけれども、更に深く考える必要があると思いますので、ここでの議論は以上にして、ただいま出た御意見を踏まえた形で練り直したいと思います。よろしいでしょうか。

それでは、他に御意見とか御質問がございましたらお出しください。

中川委員、よろしくお願いします。

○中川委員 2点、調べていただきたいことがあります。一つは、行政処分を潜脱したというところで、特商法と預託法の処分で、例えばその処分がどのようなことを命じていれば止まっていたのか、あるいは処分停止ではなくて、措置命令という形で資産凍結のようなことができれば、まだましだったのか、行政処分がどのようなものであればよかったのかという観点の検討が重要かなと思います。どういう処分であったか、それは解釈論的にはもう少し広くできたではないかとか、あるいは立法論としてこういうこともあったら何とかなったのではないか、止めることがそもそもできなかったのかどうか、あるいは止めるだけではなくて被害回復のために役立つような処分ができなかったのか、あるいはそこを立法できなかったのかという観点の調査が必要かなというのが1点です。

もう1点は、先ほどのマル1、マル2、マル3、マル4の要件にも関わる、要件というよりも概念論みたいなところですけれども、この四つの要件を満たせば、投資者の意向は無視して事業を止めるのだという説明をしておく必要があるのかなと思うのです。当然そういう前提で、これまで議論してきたと思います。投資をした人から、事業停止なんてことはやめてくれ、自分がもうかるかもしれないのだからという声があったとしても、それは聞かないということだと思うのですけれども、それは一つ大きな論点となり得るところですので、そのような声を無視する措置なのだ、なぜならばという感じの説明が必要なのかなと思いましたので、これもまた今後考えていただければと思います。

以上です。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

事務局、いかがでしょうか。

○友行参事官 最初のどのような処分がというところについては、ジャパンライフは特商法と預託法の処分を、あるときは両方で、あるときは特商法だけでというような形で行政処分を受けています。そちらは調べますけれども、特商法の行政処分で一番厳しいのは恐らく業務禁止とか業務停止命令だけなのだと思うのですね。それはかかっていたので、業務をやめなさいというような禁止命令、停止命令はかけられていました。

WILLのほうについては全て特商法に基づく行政処分だったわけですけれども、こちらについても取引停止命令、業務禁止命令というのは毎回出ておりました。

ちょっと確認しますが、これが一番恐らく厳しい処分なのだと思います。

○中川委員 どういう業務を止めろというふうに処分書で書いていたのかというところだと思うのです。停止や禁止は確かに厳しいのですけれども、何をしてはいけないのか。それを潜脱されたというのは、預託を止めなさいと言われたので、では預託の形を取らなければいいでしょうという形で潜脱だったと思うのですけれども、その場合にもう少し工夫した禁止対象の書き方はできなかったものか。そういう関心事です。

○友行参事官 かしこまりました。

○後藤座長 黒木座長代理、よろしくお願いします。

○黒木座長代理 今の中川委員の二つ目の御質問について。結局、既に資金を出した被害者は、新たな被害者の資金拠出によって自分は助かるかもしれないということなのですね。現に問題になっている案件でも、弁護士のところに相談は来ているのですけれども、大ごとにしてもらうと、自分に配当が今少しずつ来ているのが止まってしまうから、大ごとにしてほしくないという依頼者がいらっしゃるのです。

悪い船に乗ったことは分かっているけれども、自分だけは何とか助からないかというのは人間の気持ちとして、否定できないと思います。しかし、それをやっていると無限に続いてしまうわけですから、やはり行政としてはきちっとした資料に基づいて、そういう声を無視することが必要だと思います。

同時に、報告書の中で、民間セクターの限界に言及されていますが、正に民間セクターの弁護士としてはこの問題が一番難しくなるわけです。自分の依頼者に対して100パーセントの回収ができるような個別交渉をしたら、まだ事業者の資金が回っているから回収できるかもしれません。ただ、他の被害者が拠出した資金から回収したのだということが分かっていてそれをやってしまうと、その後、その事業者が最終的に破綻したときに、前の依頼者は否認の対象になったり、いろいろな形で利益相反になってしまいます。よく事業者の問題点を分かっている専門家は、職業倫理上、次々とその案件からドロップせざるを得ない。そういう問題があって、民間セクターは今後なかなか機能しないだろうと思います。そこで、非常にいい御指摘だと思いますけれども、今少しでも回っているからお金をもらえるから止めないでくれという声は必ず出てきますけれども、行政はそこに拘泥してはならないのではないかと思っています。

以上です。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

行政処分がどのようなものか、どのようにすべきだったのかというのは一つ重要な御指摘だと思います。

本日の資料1の2ページのところでも、1というところから、3番目のポツですけれども、「ジャパンライフは当初の預託取引と本質は変わらない商法を形式上業務提供誘引販売等に転換するなど、行政処分を潜脱して営業」と、こういうようなことが行われているということですので、そこに何か行政処分として対応できないのかということは重要な問題ではないかと思います。いろいろな御指摘、どうもありがとうございます。

それでは、他の点も含めて何かございますでしょうか。

大石委員、よろしくお願いいたします。

○大石委員 間際に申し訳ありません。

今御指摘いただいた点、特に先ほどのジャパンライフの2回目でしたか、3回目でしたか、そこで止められていれば更に被害が広がらなかったのではないかという事務局からの御指摘もありました。特にその部分についてどのような行政的な処分がなされたかということについては、私も詳しく知りたいと思いましたので、是非その辺りのところを調べてお知らせいただけると有り難いなと思いました。

以上です。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

それでは、そういう方向でよろしくお願いいたします。

それでは、「本報告書が念頭に置くいわゆる「破綻必至商法」事案の実態」、「制度的手当の必要性」、「制度の対象とすべき「破綻必至商法」について」という項目につきまして、意見交換はこの辺りにさせていただきます。

引き続きまして、事務局より、報告書骨子案の「4 破綻必至商法を止めて被害を回復するための具体的方策」及び「5 4の方策の実効性を高めるための方策」について御説明をお願いいたします。

○友行参事官 それでは、資料の4ページ目をお願いいたします。

「破綻必至商法を止めて被害を回復するための具体的方策」でありますが、まず一つ目に、当然なのですけれども、破綻必至商法は禁止であるということを明確化するということであります。破綻必至商法は市場から排除すべきであり、禁止されることを明確化する。

二つ目、(2)としまして、破綻必至商法に該当する事業を停止するための行政処分の創設です。破綻必至商法に該当する事業は、どんな取引類型であっても市場から排除すべきであり、そうした商法に該当する事業を行う事業者に対して、その事業の全部、時には一部を停止する旨の行政処分を創設する必要があるということであります。その行政処分を行うに必要な限度で、報告徴求や立入検査の調査権限を併せて与えるというものであります。

[説明]のところでありますが、行政処分の潜脱をある程度防げるようにということと、破綻必至商法はいずれ破綻するものであるから、行政が事業を包括的に停止しても、それはいずれ訪れる破綻を時期的に早めるということです。

三つ目ですが、不利益処分なので、行政手続法上の弁明の機会を与えることが必要になるかと思いますが、緊急の処分に該当する場合には省略するという規定もありますので、それを使う余地があるかどうかということも検討の一つになるかと思われます。また、行政処分の実効性担保のためには、罰則を設ける必要もあるのではないかということであります。

そして、(1)と(2)をやっただけでは、行政処分だけでは被害回復にはつながらないので、別途の方策、これから述べます(3)、(4)、(5)などが必要となるということです。

(3)にまいります。行政庁による破産申立て権限の創設です。破綻必至商法に該当する事業を行う事業者に、破産手続開始原因がある場合は、行政庁が破産申立権を持つということであります。

[説明]のところです。金融機関等の更生特例法という先例があります。包括的な財産の保全も整備されております。更生特例法の金融庁による破産申立ての主目的は、預金者などの債権者の権利実現・被害回復でありますが、破産手続が公正・迅速に行われることにより、健全な金融システムの維持という公益目的にもつながっていると考えられます。

破綻必至商法で悪循環に陥っている事業者であれば、債務不履行はしていなくても、先ほども出ましたような無理算段で支払っている状態で、支払能力を欠くとして支払不能に該当すると考えてもいいのではないかと思われます。

破産法の目的との関係では、被害の拡大防止も破産手続の付随的な目的として位置付けられておりますので、行政庁がこうしたことを行い、被害拡大防止のための申立てを行うことは破産法の目的と矛盾しないと考えられます。

5ページ目にいきまして、破綻必至商法に該当する事業を行っていることの認定は、行政だけではなくて、裁判所を絡め、破産手続開始に際して裁判所が行うことになっています。ただ、先ほど(2)で述べたように、行政処分を行うというような規定を置けば、裁判所はその点を斟酌して判断することが可能であると考えられます。

さらに具体的な細かなことになるかもしれませんが、破産手続開始決定後の手続(債権届出、配当金の受領など)の一部について、個別消費者を代理することができる特定適格消費者団体を活用する可能性もあると考えられます。

次に、(4)として、違法収益剥奪のための行政手法の創設であります。こちらは、破綻必至商法に該当する取引がなかった状態への原状回復を内容とする措置命令と、行政型没収といった行政が事業者の財産を強制的に取得する手法の制度の創設で、行政が強い感じで動きます。そして、繰り返しの違反行為を抑止するため、違法収益額に一定割合を乗じた加算金を課すというようなことも二つ目の矢羽根の印のところには記載しております。

過去に得た違法収益を剥奪しないと、事業者にとっては破綻必至商法が損にならなくて、抑止効果が働かない。また、剥奪した違法収益をどのように消費者に分配するかについては、マル1として、違法収益を国庫に入れつつ消費者に対して国への請求権を設定するといった方法や、マル2として、基金を創設して、剥奪した違法収益を移して、基金の管理者が事業者の帳簿に基づき、消費者の債権届出を受けて分配するといった方法が考えられます。また、違法収益剥奪の手続に入っている中で、三つ目の黒マルですが、会社法824条第1項の事由があると判明した場合は、その時点から、破産を行ったり、会社法の解散命令の手続に進むといったことも考えられます。

会社法の824条第1項というのは、会社法に既に定められております解散命令の申立ての要件であります。裁判所は、次に掲げる場合において、公益を確保するため、会社の存立を許すことができないと認めるときは、法務大臣等の申立てにより解散を命令することができる。会社が不法な目的に基づいているとき、1年以上業務を行っていないとき、業務執行役員などが定款で定める会社の権限を逸脱し、又は刑罰・法令に触れる行為をした場合において、法務大臣から書面による警告を受けたにもかかわらず、継続的に当該行為をしたときなどが824条第1項に該当する場合であります。

次に、(5)は、今申し上げた会社法の解散命令の活用であります。既に解散という手法を採るのであれば、破綻必至商法に該当する事業を行う事業者に、会社法824条第1項、今申し上げた事項に該当する事由がある場合には、会社法826条の法務大臣への通知を行う。

会社法826条というのは、裁判所もしくはその他の官庁などは824条第1項の申立て、又は警告すべき事由があることを知ったときは、法務大臣にその旨を通知しなければならないというような規定がございます。

[説明]のところですが。今申し上げた4の(1)から(4)の新たな制度的手当が必要な方策の検討に際しては、既存の制度、今ある会社法の活用といったことも踏まえることが必要であるというのが最初のポツであります。

会社法の解散命令がかかれば、包括的な保全命令も整備されております。活用されれば、破綻必至商法の停止と被害回復について有意義な手段となると考えられます。ただ、法務省は個々の会社を監督しておりません。会社法の解散命令を機能させるためには、まず、個々の会社の状況を知り得る関係省庁が通知をすることが重要となっております。

3ページの3の(2)に記載した、先ほども議論になりました定義のところマル1からマル4でありますが、その破綻必至商法に該当するかどうかは、行政が会社法826条の通知をするか否かの判断基準の一つと考えられます。すなわち、破綻必至商法に該当していれば、通知するか否かの判断材料、通知するということもあり得るのではないかというようなことの一つとして機能すると考えられます。

行政処分による一般的な解散命令制度の創設についてですが、現在、法人の根拠法令以外などを除き立法例がありません。行政の判断だけで解散という極めて強力な効果を生じさせることから、まずは会社法の解散命令の活用を試み、その後に検討すべき課題とすべきではないかと、現在のところ書いているところでございます。

次に、5、今申し上げた4の(1)から(5)の方策の実効性を高めるための視点です。まず、事業者の決算書類や固定資産台帳、従業員のリストなど、事業者についての正確な情報の把握が必要になります。また、できる限り早い段階でそれを探知できるような情報が必要にもなります。

(2)にまいります。実効性を高めるための具体的な方策として幾つか挙げています。例えば、事業者の内部に協力者を確保する。公益通報制度の活用なども重要となってくると考えられます。そして、関係機関との連携の強化や、また、国民生活センターが運用しているPIO-NETに集約される情報に関して、これが破綻必至商法であるというふうに早期に探知できるようなキーワードの選定とか、指標の作成とか、運用面での更に改善を図るといったことも考えられます。

さらにブレークダウンした具体例をそこにⅰ)からⅲ)まで記載しています。PIO-NETの入力に際して、相談員のサポート・バックアップ体制の整備でありますとか、破綻必至商法とうたわれる事業をあぶり出す新たな指標の開発、また、アラートが立つような仕組みなども考えていくことができるのではないかといったところであります。

そして、より実効的な情報収集の手段についてですが、例えば、行政に破綻必至商法を行っていると疑われる者、その他関係者に対しても報告徴求や立入検査等の調査権限を与えるといったことや、立入検査を更に進めて、もっと厳しい臨検といった権限を与えてはどうかといったこと。また、不実証広告規制類似の制度、支払いが滞った事業者に対して、本当にこれが機能するビジネスモデルであるのかということについて、事業者に対して根拠資料の提出を求めるなどといったことが機能するのかといったことも含めて検討してはどうかといったことであります。

最後のところでありますが、3ページ目の3の(2)のマル1、マル2をやっているような者については、消費者にとって特に誘惑的でリスクも高いため、定期報告を含めて行政に対する届出義務を課すといったこともあり得るのではないかということで、ここに記載されております。

御説明は以上です。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

それでは、これより25分程度、意見交換の時間とさせていただきます。ただいまの説明を踏まえ、御質問、御意見等のある方は御発言をお願いいたします。御発言をされる際には、チャット欄に御投稿ください。よろしくお願いいたします。

板谷委員、よろしくお願いします。

○板谷委員 板谷です。

5ページ目の初めのところに、破産手続開始決定後の手続で特定適格消費者団体を活用する可能性があると記載している部分なのですけれども、このことについて団体内の数人と議論してみたのですが、破産手続開始後の段階で特定適格消費者団体をかませるメリットについて、更に深掘りして考える必要があるのではないかという意見がありました。

確かに、破産申立ての段階で予納金の準備など弁護団が大変な負担を強いられたという話はお聞きするのですが、破産管財人が選定されて破産プロセスが動き出した後の段階で特定適格消費者団体が何か役に立てるものなのかどうか。実際の破産手続をよく知らない者からするとなかなか想像がつかないところがあり、その内容をよく詰める必要があると思います。

この分配業務の発生頻度は多くはなく、面倒なプロセスになっているわけですけれども、そのために、消費者裁判手続特例法の改正では新たに消費者団体訴訟支援等法人を発足させて、本年10月1日施行ですけれども、通知とか手続を特定適格消費者団体から受託して行えるような仕組みを整備しようという話も進んできています。例えば、それを特定適格消費者団体から受託をするというだけでなくて、破産手続においても活用するなど、分配業務を支える仕組みの将来的なデザインも視野に入れながら、よく深掘りして考えていく必要があるのだろうなと思います。

ここから少し付け足しなのですけれども、それに加えて、むしろ破産申立ての場面で、これは従来からある議論なのですけれども、特定適格消費者団体にも破産申立権を付与する可能性も考えられるのではないか、といった書き方のほうが団体側からはリアリティがあると思います。それは被害回復訴訟の出口戦略の一つにもなるので、消費者保護の観点から見たときにもメリットとして考えやすいのではないでしょうか。ただ、この場で検討しているのは行政庁の破産申立権なので、本題とは言えないのですけれども、例えば、なお書きみたいな形で加えてみてもどうかなと思っています。

以上です。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

黒木座長代理、よろしくお願いします。

○黒木座長代理 板谷委員、ありがとうございます。

まず、これは山本委員のプレゼンのときに私も発言させていただいたのですけれども、多数の消費者被害の場合に、被害者とされている人たちが一定期間内に債権届出をしないと類型的に除斥されてしまうのですよね。そこの点についてのサポートという点で、特定適格消費者団体の場合は共通義務確認訴訟のときには名宛人がなくてもできるという点で、極めて親和性が高いのではないかと。

そういう場合で、破産管財人の実務とすると、開始決定時に破産手続開始決定の通知を破産債権者に送るための一覧表作成というのを裁判所と協議してやるのですけれども、事業者が全部それを把握しているかというのは分からないわけですよね。

そうしたときに、共通義務確認訴訟みたいな形のベースを持っていらっしゃる特定適格消費者団体がその点に関与していただくというのは、破産実務上も意味があります。それから、債権者が破産管財人のカウンターパートとして機能する制度が、破産手続の中でも債権者委員会みたいな制度があります。しかし、実務上は、現在、あまり機能しておりません。しかし、特定適格消費者団体が入っていただくということは、特に行政も全面的に把握して債権者一覧表を作って破産の申立てをしているわけではないと思われますので、そうすると事業者のところに入っていった破産管財人は開始決定の通知をどこまで送ったらいいのかという話にどうしてもなるわけです。そこで、特定適格消費者団体が加わってもらって、特定適格消費者団体にとにかく通知すれば良いという制度設計になると、開始決定の通知を誰に送るのかという非常に難しい技術的な問題がクリアしやすいのではないかなと思っています。それが第1点。

それから、私自身は特定適格消費者団体に破産の申立権を付与すべきだという論文を書いたことがあって、個人的にはそう思っています。現在、特定適格消費者団体は仮差押えまでできるのですから、仮差押えは個別執行で、それを包括執行にすると破産の申立てというだけなので、立法論としては極めてそっちのほうが近いわけです。そこまで板谷委員がおっしゃっていただけるのであれば、なお書き、あるいは脚注でも結構ですので、僕の論文も引いていただいて報告書に入れていただけると大変有り難いと思います。

以上です。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

この点に関してはいかがでしょうか。山本委員、何か御意見がございましたらお願いしたいのですが、いかがでしょうか。

○山本委員 私も報告のときも申し上げたかもしれません、あるいは論文だったかもよく覚えていないのですが、まず破産申立権については賛成で、前回、消費者庁でやった検討では、共通義務確認訴訟等の手続の途中で破産申立てをする場合と、いきなり破産申立てをする場合に分けて議論して、特に前者は可能性は高いのではないかということはあったと思うのですけれども、なお検討すべき問題があるということで、前回の改正では見送ったわけですけれども、引き続き問題としてはテーブルの上に乗っている問題だろうと思っていて、ここが適切な検討の場所なのかどうかというのはよく分かりませんけれども、方向性としてはあり得ると思っています。

債権届出等についても、とりわけ既に簡易確定手続等に入っていて破綻したような段階が典型的だと思いますが、それに限らず、先ほど黒木座長代理が言われたような形で援助を求める。当然、それは特定適格消費者団体にとっては負担になることでありますから、財政面も含めて考えていかなければいけないことだと思いますけれども、制度的な選択肢としてはあるのではないかということは依然として思っています。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

事務局、いかがでしょうか。ここの部分は書き加えるという方向でよろしいでしょうか。

○友行参事官 是非書き加えたほうがいいように思いました。

これは初めてですよね。今まで議論には出てきていましたけれども、特定適格消費者団体を例えば破産のスキームの中に何らか絡んでいただくということは議論の中であったと思いますけれども、申立てを自ら行うということについて真正面からこういうふうに議論していただいたことは、あったかもしれませんけれども、そういうような書き方には今なっていませんので、どういうふうに書いたらいいか、また事務局で検討して、加えるような方向でできたらいいなと思います。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

それでは、他に御意見とか御質問がございましたらお願いいたします。

中川委員、よろしくお願いします。

○中川委員 4ページの4の(2)、最初の行政処分スタート時点のところの命令の仕方なのですが、これ以外に、当該事業を停止するのであれば、当該事業に関連する資産の凍結というところまでここでやれたら、その後が非常にスムーズかなと思っています。これは今まで申し上げなかったかもしれませんが、全体像を改めて見ますと、まずは行政処分で業務停止ないしは禁止、プラス関連資産の凍結というところまでやらないと、実は業務は止まらないのではないか、いろいろと潜脱されることになるのではないかなと思います。

当然、どの財産を凍結するのかが難しいわけですけれども、そこは制度の作り方で、まずは仮に包括的に保全していいのだと。しかし、その財産は業務と関係ないというのであれば、それはあなたのほうから言ってきてくれという仕組みにする。つまり、誰が顧客で、どのようなことをやっているから、それと関係ない部分は凍結を止めてくれという交渉を、凍結された事業者から行政に対してしてもらう。そういう形で、行政のほうも、なるほど、ここだけが今回の破綻必至商法の業務に関する収益、いわゆる違法収益の部分なのですねということがわかる。そのようなことは行政からは到底分からないので、あなたのほうから言ってきてくれと。そのためには、まずは包括的に凍結してよく、それを徐々に狭めていくというタイプの保全措置命令、そのような資産凍結命令で、まずは全体を押さえて、そして相手方との交渉をする。それによって相手方も行政の前に出てくるインセンティブがあるわけです。その交渉に現れないような人であれば、そのまま全部凍結すればいいと思うのですけれども、そのような制度作りはできないものかなと思った次第です。5ページの(4)のところで「仮没収」という言葉がありますけれども、没収という名前ではありませんけれども、それを4ページの(2)の段階でやってしまうというイメージです。

なかなかそんな制度はありませんけれども、税金の保全が少し似ているのです。税金の保全はもっと厳密にやっているのですけれども、税金の場合は国のほうでもう債権が分かっていますから、保全額も分かっているので、そこは制度的にやりやすいものなのですが、こちらは相手がどれぐらいもうけているのかという前提での制度ですので、そうすると当然、行政側の動きとしても、分からないからまずは全部包括的に保全する。その前提としてどこに口座があるとかを調べなければいけないのですけれども、そういう保全をかける。しかし、それは最終命令ではなくて、仮に全部を保全して、期限を切って、相手方からちゃんとした申立てがあるならば、その部分は解除していく。最終的に、これだけを凍結命令という形で動かせないようにする。そのようなことが考えられるかなと思います。

もちろんいろいろ難しいところがあって、銀行に口座があればいいのですけれども、現金であればそれも押さえるのですかね、そこら辺は考えなければいけないのですけれども、それから、デジタルカレンシーというか、電子的な存在の財産をどうやって差し押さえるか、そもそも存在をどうやって知るかという問題があるのですけれども、そういう方向での検討をしてみる価値が非常に高いのではないかなと思いました。

以上です。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

今の中川委員の御指摘は重要な御指摘だと思いますが、委員の方々、何か御意見がありましたらお出しいただけたら有り難いのです。

いかがでしょうか。

事務局、どういたしましょうか。

○友行参事官 今、4の(1)から(5)までの構成が、まず(1)が禁止だということをはっきり決めることが必要で、そういうのを見つけた場合には直ちに行政処分が必要ですよねというような流し方をして、その次に(3)にいくのか、(4)にいくのか、(5)にいくのかという三つの方策があるのではないかというような形に並べています。

仮没収の話は、(4)のスキームを使うときに、頭のほうに出てきているような形になっています。だから、これをもう外出しにして、(1)、(2)のその次の(3)に置くということであると今伺いました。その上で、破産というようなものがあったり、違法収益剥奪、解散命令、会社法の活用があり得るのかというようなお話かなと思いましたので、早い段階で財産を押さえるというその大事な点を4の中に入れていくときに、どこに置いたら据わりがいいかというのをちょっと検討させていただいてもよろしいですか。

○後藤座長 そうですね。4の(1)、(2)とあって、破綻必至商法の禁止の明確化、禁止があって、破綻必至商法に該当する事業を停止するための行政処分の創設となっているのですが、資産の凍結ということがこれを見ると抜けているという感じは確かにあるのですね。

ですから、先ほどの違法収益の剥奪のための行政手法の創設ということとは別個に、4の(1)、(2)の後に、(3)とするかどうかはありますけれども、少なくとも考える必要がある重要な御指摘だと思います。

やはり禁止や停止だけでは足りないということになるのではないかと私は思いますので、その方向で検討できたらと思いますが、委員の方々から特に御意見がなければ、そういう方向で検討したいと思いますが、よろしいでしょうか。

中川委員、よろしくお願いします。

○中川委員 早期の資産凍結ですが、先ほど私、行政処分という形で申し上げましたが、別にそれに限る必要はなくて、裁判所を使うという手もあります。仮処分になるのかどうか分かりませんけれども、行政が提訴するというタイプ、それをここに考える可能性もあると思いますので付け加えておきます。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

他にございませんでしょうか。よろしいでしょうか。

川出委員、よろしくお願いいたします。

○川出委員 ありがとうございます。別のところでもよろしいですか。

○後藤座長 別のところでお願いいたします。

○川出委員 5ページの(5)会社法の解散命令の活用の部分について意見を申し上げたいと思います。

この案では、既存の解散命令制度の運用を改善して活用を試みるということと、五つ目の黒マルで、活用を試みた後に、行政処分による一般的な解散命令制度の創設について検討するということが記載されております。これはこれで結構だと思いますが、解散命令につきましては、行政処分による一般的な解散命令制度を創設する前に、ここで問題としているような破綻必至商法については、既存の解散命令の申立ての主体を拡大するという方策もあるのではないかと思います。

4(2)で、破綻必至商法に該当する事業を停止するための行政処分の創設が提言されており、ここでは事業の停止命令などの創設が想定されているわけですけれども、言わばその延長線上の処分として、関係官庁、例えば消費者庁の主務大臣に、裁判所に対して破綻必至商法に該当する事業を行っている会社の解散を申し立てる権限を認めるという制度が考えられると思います。

既存の解散命令のように、関係官庁が法務大臣に通知して、法務大臣が申立てを行うよりも、当該会社に関する情報を得られる立場にある関係官庁の主務大臣が申立てをするという形にしたほうが、迅速な申立てが可能ですし、実効性も上がると思います。

現在は法務大臣が申し立てるということになっているわけですけれども、これは既存の解散命令があらゆる領域の会社をカバーする一般的なものであるために、主体を法務大臣としているということだと思いますので、特定の分野に限定した特則を設けるものと位置付ければ、主体を拡大したとしても、法制度全体の整合性という観点からも問題ないと思いますので、この分野に限って、解散命令の申立ての主体を拡大することを検討すべきではないかと思います。

以上です。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

非常に重要な御指摘だと思います。破綻必至商法に限っての特則という形で、解散命令の適用というのを考えていくということですね。どうもありがとうございます。

委員の方々、御意見はありますでしょうか。

基本的に委員の方々は御賛成という感じでありまして、そういう形で報告書にも書かせていただくことにしたいと思います。よろしくお願いいたします。

それでは、木村委員、よろしくお願いいたします。

○木村委員 私からは6ページの5のところなのですけれども、これはコメントになります。

そもそも消費者が怪しいと思っても、なかなか問題に気付かないというところから被害が拡大していくということがありますので、やはり早めにPIO-NETなど、そういうところで被害が拡大しないうちにこういう対応がされるという視点は本当に必要だと思いますし、消費者もこのような商法があるということになかなか気が付かないので、気を付けましょうということを周知をするという意味でもこれは本当に必要なものだと思いますので、是非ここはこういうふうに入れていただいてよかったと思います。

早いうちに、PIO-NETなどで被害の情報収集をしてアラートを立てるという仕組みが迅速化されることを望んでおりますし、今度デジタル化をされるということで、更に効率化するのではないかと期待いたします。コメントになります。

以上です。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

それでは、山本委員、よろしくお願いいたします。

○山本委員 先ほどの行政処分による財産凍結の保全処分の位置付けとの関係なのですけれども、先ほどの整理については特段異論はないのですが、恐らくそれで保全できるというのは、前にそういう議論をしたのではないかと思うのですが、結局、個々の財産に対しての保全、我々の用語では仮差押えみたいなものを行っていくことになるのではないかということで、他方で、破産とか解散命令のところでそういう記載がないのは、破産とか解散命令では保全管理命令の発令が可能で、保全管理人が債務者の全財産を掌握する形で財産凍結を行うことができる、言わばより強力に財産の保全を行うことができる、そういう手段があるということが前提になっていたのかなと思います。それで、破産のところでは保全管理命令の申立権についても行政庁に付与するというようなことも書かれているところなのかなと思っています。

そういう意味では、財産保全の段階が違ってくる。だから、先行的に個別財産を特定する形で保全をするということはあってもいいし、あるべきとも思いますけれども、そこは段階が違ってくるということについては配慮しながら資料を作っていただければと思います。

以上です。

○後藤座長 どうもありがとうございました。

他に御意見はございますでしょうか。

それでは、「4 破綻必至商法を止めて被害を回復するための具体的方策」、「5 4の方策の実効性を高めるための方策」についての意見交換はこの辺りにさせていただきます。

本日は、本ワーキング・グループの最終的な報告書の取りまとめに向けて、報告書骨子案について委員の皆様から様々な有益な御意見をいただきました。

特に取りまとめということはしませんけれども、本日いただいた御意見を踏まえた上で、次回以降、引き続き検討を進めていきたいと思います。

それでは本議題については以上といたします。本日は、御議論いただきありがとうございました。


≪3.閉会≫

○後藤座長 最後に、事務局から連絡事項をお願いいたします。

○友行参事官 次回の日程につきましては、決まり次第、ホームページ等を通じてお知らせいたします。

以上です。

○後藤座長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)

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